【怪談】おかみ様の話

おーこ @kedamono_0k0

折角だから怖い話したいけど、あんまり今面白いのストックないしなぁ。おかみ様はそれなりに怖いと思うんだけど。

おーこ @kedamono_0k0

おかみ様は所謂怪談とかに寄せられてくるものなんだけど、起源がどうやら年末年始に丘に箕を被って逆立ちして、自分の家の方を見ると吉凶が見えるっていう風習のやつらしいんだけどね。

おーこ @kedamono_0k0

ある年の占いの時に、おかみ様のその占いをした人が、自分の家の中を逆さまになって覗き込んでる何かを見てしまったらしいんだよ。どんな姿かってのは曖昧にしか伝わってないみたいで、本家の婆様方は人のような、とか落ちたが高貴な、とかとにかく黒っぽい人だと聞いてるらしいが、分家では

おーこ @kedamono_0k0

首や舌が長いだとか目がひとつだとか妖怪じみた話で聞くことがある。し、さらに親戚の家で聞くと煙のようだとか鵺のようだとか色々言われるんだ。 で、そのおかみ様を見てしまった人は最初何を見たのかよく分かってなかったみたいだってのが聞くところ。

おーこ @kedamono_0k0

その夏、まぁウチの本家の人も参加してたらしい(らしいばかりだけどあまりに伝わってないので多分村の中で伝わってたんたじゃないかね)若衆の集まりで、怪談たいかいになったと。で、やおら背筋が寒くなった頃に、その人が悲鳴を上げた。

おーこ @kedamono_0k0

何事かと思って皆でどうした、怖気づいたかってからかうと、上の方を指差して震えてばかりいる。みんなそっち見ても何もないから何なんだろう、って。 その人は怖くなったのか輪を外れて聞こえない所で参加してない人達と固まってたんだけど、やっぱり何か時々悲鳴を上げる。

おーこ @kedamono_0k0

で、まぁ怪談が終わってから、何人かが「あいつが悲鳴を上げた時、怖くて背中の方に視線を感じてたからビビった」ということを言ったんだそうで。 で、改めてその人に話を聞いてみると、「話してると時々何か目玉のギョロっとしたものが上から見てたもんだから」と。

おーこ @kedamono_0k0

背中の方に視線を感じてた気がして、実は上から見られていた。それがおかみ様の占いの後だったこともあり、その若衆達の間でおかみ様と呼ばれ始めた。それからは時々占いの時におかみ様を見てしまう人が出始めて、ついにおかみ様の占いは中止されたんで、今はもう村でもやってない。

おーこ @kedamono_0k0

怖いのはおかみ様自体が起源の分からない占いである事、おかみ様の名前の由来が分からないこと、占いの方法が伝わった経緯を研究しても分からないこと。さらにはおかみ様の占いが終わってからも、時々村の子供がおかみ様を見てしまっていること。現在いるかは不明だけど。

おーこ @kedamono_0k0

そんなわけで、今の所実害は聞いたことがないけど、背後に気配を感じた時は注意した方がいいのかもしれない。実は上から…ってことがあるようだ。

おーこ @kedamono_0k0

以上、おかみ様の話でした。次村行く時あったらおかみ様占いやってた山に行ってみるよー