ねこまたやさんによる「キネコ」についてのお話【よもやま話6】
- windaria28
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ほえほえ、おこんばんは。よもやま話のつづきです。テレビ<>フィルム変換の昔話をしましょう。今日は主にテレビからフィルム 「キネコ」ってやつ
2010-12-30 20:05:21その昔、まだVTR(ビデオテープレコーダ)が発明される前のこと。テレビ番組を動画映像と音声で記録するにはフィルムに記録するしか方法がありませんでした。 それが「キネコ」
2010-12-30 20:07:07「キネコ」は「キネスコープレコーダ」の略でテレビ番組をフィルム(24fps)で記録するシステムです。お察しの通り「ブラウン管をフィルムで撮影」しちゃう機械だ。
2010-12-30 20:08:16おしまい …いや嘘です、終わりません。それで終わるわけはなくて、この機械はイロイロやっかいで面白い仕組みなので説明したい気持ちはあるんだけど…長くなるのでさわりだけ
2010-12-30 20:09:29古いアニメファンの方にはテレビ画面をスチル写真に撮影したことのある方もいるかと思いますが、走査線のシマシマを出さないでブラウン管を撮影するのはちょっとコツの要る作業です。
2010-12-30 20:11:02スチル撮影の時は普通シャッター速度を1/15 1/30 等々 1/60秒の整数倍のスローシャッターにして三脚を据えて撮影するとうまく行きます。
2010-12-30 20:12:07でも、ムービーカメラでそれをやってもうまく行きません。というか、ムービーカメラのシャッターはイロイロな制約があって、昔のカメラだとだいたい1/50より遅くはできないものでした。
2010-12-30 20:12:29じゃどうやってるかというと、なんと キネコのフィルムカメラ部にはシャッターがありません。開きっぱなし。機械全体を暗室に入れてフィルムを送る瞬間だけブラウン管の方を無理やり電気的に消します。
2010-12-30 20:13:28フィルムからテレビに変換するときに4コマから10フィールドを作る操作を行いましたが、キネコはその逆を行なわないといけません。つまり10フィールド(=5コマ)あたり2フィールド(=1コマ)1秒当たり6コマ(30-24=6)を「捨てる」必要があります。
2010-12-30 20:16:12アニメーターの方は想像つくかも知れませんが…とっても動きがつらいです。 でも、しょうがないので捨てます。フレームレート変換でコマ数が減るときは、「減る」もんです。
2010-12-30 20:17:12どんなふうになるのか。試しに模式的につくっていみました。YouTube - TV60i http://goo.gl/eNQlJ これが元の60iの動き
2010-12-30 20:19:43YouTube - TV24kineco http://goo.gl/BVfV0 これがキネコを通したあとの24fps …の「感じ」
2010-12-30 20:21:31実際に、テレビの60フィールドをキネレコーダで撮影するとコマが落ちただけではなく1コマおきにフィールドの上半分と下半分が違う時間にまたがっちゃうた絵がはいるので、こんな強烈な絵になったりもします。 http://twitpic.com/3l612z
2010-12-30 20:24:09で、まぁ「誰が見ても画質がアレ…」とか「1000フィートロール使って10分が限界(35mmフィルムで録画)」とか「そもそもフィルム代が高い」などイロイロだったので「どうにも必要なとき」以外は利用されていなかったのです。
2010-12-30 20:25:32VTRが出来たあとでも、その初期ではフィルム代(現像費込み)の方がテープ代より安かったのでキネコで録画されている番組などもあります。
2010-12-30 20:26:20テレシネのお話をしたので セットでキネコのお話でした。 そんなこんなで フィルム<>テレビのお話2回めのオシマイ とっぴんぱらりのぷ
2010-12-30 20:27:36あ、わかってるかとは思いますが、現在のフィルムレコーディングはもっとキレイです。コレは昔のお話ね。なのでソコのトコはよろしくです。 機会があれば新しい方のお話はそのうち。 じゃあね
2010-12-30 20:28:29