青木文鷹(FumiHawk)さんによる平和安全法整備法の概略

正しい名称どころか法案の内容もなぜか広く周知されていない「平和安全法整備法」についてわかりやすく解説してくださったのでまとめました。
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青木文鷹 @FumiHawk

1)この前可決された「安保関連法案(平和安全法制整備法案と国際平和支援法案)」なんだが、なんか法案の中身を知らない人が無茶苦茶多いみたいなので、読むの面倒な人用に要点を纏めてみるテスト。こういう話は条文見ないでアレコレ言っても床屋談義にしかならないからねぇ___(続

2015-07-21 10:04:14
青木文鷹 @FumiHawk

2)まずは平和安全法制整備法。正しくは「我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律」なので、自衛隊法等の一部が変更になる。対象となる法律は20。自衛隊法、国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律、…(続

2015-07-21 10:04:38
青木文鷹 @FumiHawk

3)周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律、周辺事態に際して実施する船舶検査活動に関する法律、武力攻撃事態等における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律、…(続

2015-07-21 10:04:48
青木文鷹 @FumiHawk

4)武力攻撃事態等におけるアメリカ合衆国の軍隊の行動に伴い我が国が実施する措置に関する法律、武力攻撃事態等における特定公共施設等の利用に関する法律、武力攻撃事態における外国軍用品等の海上輸送の規制に関する法律、武力攻撃事態における捕虜等の取扱いに関する法律、…(続

2015-07-21 10:04:59
青木文鷹 @FumiHawk

5)国家安全保障会議設置法、道路交通法、国際機関等に派遣される防衛省の職員の処遇等に関する法律、武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律、武力紛争の際の文化財の保護に関する法律、原子力規制委員会設置法、行政不服審査法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律、…(続

2015-07-21 10:05:10
青木文鷹 @FumiHawk

6)サイバーセキュリティ基本法、防衛省設置法、内閣府設置法、復興庁設置法…とこれで改正対象の法律20こ全部。どこがどう変わるのかは内閣府Webサイトの特設ページにある(cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu…)PDFの新旧対照表とかを参照するのがよいとおもう。(続

2015-07-21 10:05:54
青木文鷹 @FumiHawk

7)で、その中で重要な変更点を。1つめは『自衛隊の任務等の改正』で、任務は「直接侵略及び間接侵略に対する防衛→我が国の防衛」「日本周辺の地域の平和及び安全のに重要な影響を与える事態→日本の平和及び安全に重要な影響を与える事態」になる。変な限定を外して普通の文章になった感じ。(続

2015-07-21 10:06:23
青木文鷹 @FumiHawk

8)自衛隊出動は「日本への武力攻撃→武力攻撃又は武力攻撃が発生する明白な危険が切迫している時、および日本と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生したことで日本の存立が脅かされ、国民が危険に晒される明確な危機がある場合」になり、紛争に巻き込まれた邦人の救出が可能になってる。(続

2015-07-21 10:06:53
青木文鷹 @FumiHawk

9)邦人保護に関しては、第八十四条の三(在外邦人等の保護措置)として新設。外相から防衛相に要請があれば「非戦闘地域で当該国や現地当局の統治が機能し、当該国の承認かつ協力が得られる場合のみ」総理の承認で海外邦人保護を実行できる…実際にこんな良好状態なら自衛隊要るのか?(^^;(続

2015-07-21 10:07:41
青木文鷹 @FumiHawk

10)「自衛隊の武器等を守る為の武器使用許可→自衛隊および同盟国の武器等を守る為の武器使用許可」「現場での物資の提供」は、PKO等多国籍で行動する場合の現状を追認した形。その他細々とした変更は、ほぼ全て法律の名称変更や該当条文のナンバリング変更に伴うもので、大きな変更はない。(続

2015-07-21 10:08:06
青木文鷹 @FumiHawk

11)『国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律』では、平和維持活動の対象地域が「紛争当事者が居る紛争終了後の地域→紛争当事者が居ない場合や紛争が発生しそうな場合」も新たに追加。もちろん国連の決議および当事者同意がある場合のみ有効なので、勝手に押しかけることは出来ない。(続

2015-07-21 10:08:26
青木文鷹 @FumiHawk

12)自衛隊海外派遣に関しても新設されてる。国連業務で、かつ国連からの要請があり、派遣予定の自衛隊員の同意があった場合のみ海外での国連活動に対する自衛隊派遣が認められる。ここでも海外派遣は難しいと思うくらいの制限が付いている。とても「侵略戦争出来るような条文じゃない」(続

2015-07-21 10:09:22
青木文鷹 @FumiHawk

13)概ね重要な改正ポイントは前述の通り。『国際平和支援法』の改正も同様の内容。当然だけど開戦に関する事項も、徴兵に関する事項も一言もないし、自衛隊員の活動が現実に即した物になるような改正が主で、一部では活動の前提条件が明確化された事で実施が難しくなるんじゃないかという点も。(続

2015-07-21 10:10:08
青木文鷹 @FumiHawk

14)ウチには反対派の主張する「戦争が出来る国」とか「周辺国への迷惑」とか「子供ガー」とか「憲法9条ガー」等と今回の安保関連法案の間に全く関連性が見いだせない。『条件の明確化等でむしろ規制がキツくなった部分すらある』安保関連法改正がなぜ戦争や徴兵に繋がるのかマジで教えて欲しい(終

2015-07-21 10:12:07