平成27年 司法試験 論文 行政法 答案例

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羽廣政男 @m_hahiro

確かに,Xを救済する必要性はあるものの,それは,設問2において検討したとおり,本件命令取消訴訟において本件命令を違法と判断することによって実現されるべき事柄であると考える。それが「規制緩和」という平成26年の都市計画決定における意図にも沿う。 以 上

2015-07-21 16:57:14
羽廣政男 @m_hahiro

しかし,本件は,建築基準法に基づく建築規制及びそれと逆の建築規制緩和のケースなので,不動産の効率的な利用の必要性が高い。 したがって,その利用実現のため,特別の事情に当たらないと考える。

2015-07-21 16:57:00
羽廣政男 @m_hahiro

適法であった自己の行為が違法になってしまったというものであり,特別の犠牲を強いられたので,特別の事情があるということになろう。

2015-07-21 16:56:35
羽廣政男 @m_hahiro

この点,Xサイドからみると,行為当時,自己の行為は適法であったのに,事後的な事情,しかも,その事情は「規制緩和」という,政策的な事情によって,いわば「とばっちり」(自己に帰責性がないばかりか自己の関与すらもない)によって,

2015-07-21 16:56:27
羽廣政男 @m_hahiro

言い換えれば,政策によって制約が課される場合(平たく言えば,「とばっちり」により規制される場合。)ではないので,特別の事情がない限り,補償不要と考える。

2015-07-21 16:56:04
羽廣政男 @m_hahiro

しかし,消防法第12条の趣旨は,国民の生命,身体及び財産を火災から保護すること等,つまり,害悪発生防止目的であって,この規制の類型は,消極目的規制なので,一般的には,財産権に内在する制約である。

2015-07-21 16:55:55
羽廣政男 @m_hahiro

第3 〔設問3〕 30点  Xは,移転に要した費用についてY市に損失補償を請求することができないと考える。  確かに,移設は,形式的には「財産権の剥奪」ではないものの,本件の場合,実質的にはそれを上回る「財産権侵害の重大性」という考慮事情は認められる。

2015-07-21 16:55:35
羽廣政男 @m_hahiro

Y市長によって発せられた本件命令は,政令第23条において求められる考慮すべき事情を考慮しないで発せられたという意味で,裁量権の逸脱濫用があるから,違法である。

2015-07-21 16:55:11
羽廣政男 @m_hahiro

本件取扱所を移設しない場合であっても,「技術上の基準に適合する」場合に当たり,したがって,市町村長等は,「安全であると認めた場合」として運用(考慮)しなければならないことになる。

2015-07-21 16:54:56
羽廣政男 @m_hahiro

これを本件についてみるに,Xとしては,本件基準③の定める高さより高い防火塀を設置すること,及び危険物政令で義務付けられた水準以上の消火設備を増設することについては,技術的にも経営上も可能であり,実施する用意があるので,可能だから,

2015-07-21 16:54:43
羽廣政男 @m_hahiro

そこで,政令第23条の適用の可否が問題となる。この規定が適用されれば,本件基準の「これら3つの要件が全て満たされる場合」でない場合であっても,短縮限界距離規定の適用はないことになる。

2015-07-21 16:54:24
羽廣政男 @m_hahiro

本件基準によれば,短縮限界距離は最大で20メートルであるので,この規定の適用によって,移設義務を課さないことにより,Xを救済することはできない。

2015-07-21 16:54:00
羽廣政男 @m_hahiro

6 本件基準② 本件は,政令第9条第1項第1号ただし書の趣旨(既得的利益を保護するという救済措置)が妥当するので,まず,同号ただし書の適用が問題となるところ,

2015-07-21 16:53:46
羽廣政男 @m_hahiro

5 本件基準① 建築基準法上,工業地域においては倍数制限はないところ,本件基準①は,短縮条件として倍数制限を規定しているので,そもそも法令に違反する。そこで,本件基準②が法令の正当な解釈に合致しているか否かが問題となる。

2015-07-21 16:53:27
羽廣政男 @m_hahiro

4 政令第9条第1項第1号ただし書と政令第23条との関係 後者の規定は,前者の規定の適用除外規定であるという関係である(いわば「ただし書のただし書」)。すなわち,前者の要件を満たさない場合であっても,後者の要件を満たすときは,移設義務を課さないというものである。

2015-07-21 16:53:00
羽廣政男 @m_hahiro

同号ただし書は,取扱所の設置後,周辺に新たに保安物件が設置された場合,本文の適用がないという意味で,移設義務を課さないことを内容とするものであって,その趣旨は,既得的利益を保護するという救済措置である。

2015-07-21 16:52:37
羽廣政男 @m_hahiro

3 消防法(以下)「法」)及び危険物政令(以下「政令」)の趣旨及び内容 法第10条第4項は,取扱所の技術上の基準を政令で定めることとし,政令第19条第1項準用に係る第9条第1項第1号が規定されているところ,

2015-07-21 16:52:21
羽廣政男 @m_hahiro

2 問題の所在 本件基準は内部基準なので外部効果はないが,本件基準が法令の正当な解釈に合致する限り,外部効果を認めることができるので,以下,関係法令を検討する。

2015-07-21 16:51:53
羽廣政男 @m_hahiro

第2 〔設問2〕 50点  1 本件命令を違法とするXの法律論 本件命令は本件基準を前提とするところ,本件基準は法令の正当な解釈を踏まえたものではなく,そのために,本件命令は,考慮すべき事情を考慮しないで発せられたので,裁量権の逸脱濫用として違法である。

2015-07-21 16:51:33
羽廣政男 @m_hahiro

処分によりかかる利益を害される取扱所の所有者等の個別的利益をも保護する趣旨と解釈できるから,かかる利益を害されるおそれのある灯油販売業者Xは,これを満たす。

2015-07-21 16:51:10
羽廣政男 @m_hahiro

原告適格につき,消防法11条2項は,「許可を与えなければならない」と規定しているので,法律上保護された利益として問題となる利益は,営業の自由に係る財産的利益であるところ,これは,

2015-07-21 16:50:52
羽廣政男 @m_hahiro

損害を避けるため他に適当な方法につき,消極要件にすぎないところ,「その損害を避けるため他に適当な方法があるとき」という,敢えて救済を否定する特別の事情もないので,これを満たす。

2015-07-21 16:50:32
羽廣政男 @m_hahiro

考慮事情として,ひとたび処分がなされると,倒産状態になってしまうという意味で,損害の回復の困難の程度も大きいので,これを満たす。

2015-07-21 16:50:10
羽廣政男 @m_hahiro

重大な損害を生ずるおそれ(第1項本文)につき,経営及び敷地内移設不可能というXの事情から,本件命令という処分の内容及び性質を勘案すると,損害の性質は,自然人の場合の生命侵害に匹敵し,また,

2015-07-21 16:49:55
羽廣政男 @m_hahiro

2 上記訴えの適法性(同法第37条の4) 本件命令は,①公権力性(強制性 Y市長)及び②直接法効果性(消防法12条2項)という性質を有するので,「処分」であり,また,特定しているので,「一定」性も満たす。

2015-07-21 16:49:30