茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第1558回「学びは自由である」

脳科学者・茂木健一郎さんの7月24日の連続ツイート。 本日は、今朝のニュースで思ったこと。
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茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート1558回をお届けします。文章はその場で即興で書いています。本日は、今朝のニュースで思ったこと。

2015-07-24 07:35:49
茂木健一郎 @kenichiromogi

今朝のニュースで心に残ったのは、「道徳教育」に関する「文部科学省」の「方針」であった。yomiuri.co.jp/kyoiku/special… このようなニュースの前提になっていることを問うことが、実は学びを考える上でいちばん大切なことだと私は考えている。

2015-07-24 07:37:09
茂木健一郎 @kenichiromogi

教育の内容は、「文部科学省」が方針を決定して、それを全国の津津浦浦まで行き渡らせるものでは「ない」。そのような前提で動いている部分社会があるのは知っているし、教科書もそのようにつくられるのだろうけれども、そこには教育の本質は一切ない。特に、情報爆発が起こった現代においては。

2015-07-24 07:38:29
茂木健一郎 @kenichiromogi

米国には大学設置基準のようなものはない。勝手に大学をつくて、自由にカリキュラムを決める。自由競争である。ただ、お互いに相手の単位を認めるとか、そういう意味での「民間の」(大学どうしの)認証組織のようなものはある。上からトップダウンで決めるというのは唯一の教育モデルではない。

2015-07-24 07:39:42
茂木健一郎 @kenichiromogi

文部科学省が「上から」決定し、大学の文系学部の統廃合から教育カリキュラム、教科書まで決めるという「フィクション」が広く行き渡っている(特に新聞やテレビなどの伝統的メディアにおいて)この日本でも、実際には学びは自由に行うことができるし、実際に行われている。大切なのは、学びの自由だ。

2015-07-24 07:41:19
茂木健一郎 @kenichiromogi

文部科学省の「検定官」が一字一句まで検定して「品質保証」する「検定教科書」は、それを出版する教科書会社にとっては大事だろうし、教育委員会や、現場の教師にとっても大事だろうが、そこには学びの本質はない。実際教科書を使わない、購入しても参照しないで行われている授業などいくらでもある。

2015-07-24 07:43:09
茂木健一郎 @kenichiromogi

現代における「学び」のあり方がどうであるかは、子どもたちはもちろん、生涯学習という見地からはどんな年齢層の方にも大切な問題だが、そこでは、文科省の「方針」など、本質的な意味を持たない。学びはオープンエンドであり、素材は、EdXでも、TEDでも、無限にある。文科省は一切関係ない。

2015-07-24 07:44:35
茂木健一郎 @kenichiromogi

国際バカロレアや、インターナショナルスクール、全寮制の学校など、文科省の直接のコントロールが及ばない学びのかたちも、どんどん増えている。競争するのは、大いに結構なことだ。大学入試のあり方も多様化し、文科省のカリキュラムに従って学ばなくても、学びを続けられる道は、出てきている。

2015-07-24 07:46:13
茂木健一郎 @kenichiromogi

文科省のコントロール、上意下達という日本の従来の「教育モデル」が時代遅れであることを見極めた人でないと、現代における最良の学びはできない。だから、文科省が「道徳」についての方針を決めた、というニュースは、実は大したニュースでない。それを大きく報じる新聞自体が、時代遅れなのだろう。

2015-07-24 07:47:27
茂木健一郎 @kenichiromogi

もちろん、文部科学省には、これからもいい仕事をしていただきたいと思っているし、日本の学びの充実のために、さまざまな財政的支援をしていただきたいと思う。しかし、もっとも大切なのは、学びがオープンエンドで、自由だという認識。教育指導要領や検定教科書は、前時代の遺物になってしまった。

2015-07-24 07:51:40
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート1558回「学びは自由である」をテーマに、9つのツイートをお届けしました。

2015-07-24 07:49:17