岡田育さんの『マッドマックスFR』の感想　フュリオサの『Do you remember me ?』について

岡田育🍥『我は、おばさん』 @okadaic

スヤスヤ眠る夫のオットー氏（仮名）を家に残し、歌舞伎町のレイトショーで『マッドマックス 怒りのデス・ロード』観てきた。これでやっと感想合戦にも炎上騒ぎにも参加できるー、と思いつつ、う、うん、正直そんなに語ることないかな……（当社比）。ひとまずは「何事も適材適所だなぁ」という感想。

岡田育🍥『我は、おばさん』 @okadaic

続）私の周囲ではおそろしくプラス評価が高いのですが、１回目を観た正直な感想としては、「たしかに今まで観たコレ系の作品の中で一番マイナス要素が少ないなー」って感じでした。ゼロ点だけど史上最高得点、みたいな。いや面白かったんですけど。この感じが何かに似てるんだけどうまく思い出せない。

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続）先月『オトコのカラダはキモチいい』のニコ生で（本作を未見のまま）「私、アーロン×ナミやワニ×ニコの復讐劇に萌えちゃうようなとこあるから、フェミ映画として楽しめる自信ないなぁ」と口走った記憶ありますけど、まぁそんな感じでした。うん、私の観たかったナミさんやロビンは、こうだった。

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続）公式設定とか何一つ読んでないんですが、先月から敢えて前提知識ない状態を頑張ってキープしてきた私のフュリオサ第一印象は「嫁になる予定で攫われてきたけど試してみたら産めない身体と判明し、後は戦闘員として生き延びてきた非処女」って感じですかね。うん、ただの私が観たかったナミさんだ。

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続）物議を醸してる「Do you remember me?」は、「私もまた『女』だってこと、忘れてたでしょう？」みたいに聞こえたかなー。あの世界、「女」は「別の種族」みたいな描かれ方だから後半カッコイイんだが、あの瞬間まで追っ手はフュリオサのことは同じ「男」と誤認してた、ような。

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続）でも彼女は「home」、産む産まない関係なく与えられ強いられ続けるあれら役割期待から解放される場所、本来の自分を取り戻せる場所への帰還を目指して機会を狙っていたのだ、という感じで観てました。独裁のようでいて適材を適所に配してる砦が、それゆえにあっさり墜ちた、みたいにも思った。

岡田育🍥『我は、おばさん』 @okadaic

続）男だけの社会は、男らしさを鼓舞するために火を噴くギターで戦意を高揚させ続ける仕組みを採択したのだが、一方の女だけの社会はどんどん無性別的になっていくし、女らしさを強調するとしたらそれは部外者を「罠」にかけるときだ、みたいなの、ああいう台詞の少ないシナリオでよく表現するなぁと。

岡田育🍥『我は、おばさん』 @okadaic

続）私は男軍vs女軍みたいな構造あまり好きじゃないのだが、あそこまで「いや、種族の違いだし」状態だと何も考えずに観られるな。「種」の扱いが上手いというのは福田里香さんがご指摘済みだけど、直近だと『ノア 約束の舟』で超絶ガッカリした「妊婦を楯にする」の扱い方も、こっちは良かったよ。

岡田育🍥『我は、おばさん』 @okadaic

続）先日『君主論』にまつわる新書みたいなの読んでたせいか（違）、イモータンジョーの砦について「これが独裁が上手すぎて裏目に出るパターンか……」と大変興味深く観てました。あの辺は観返したいなぁ。あとマックスの「俺の車だ！」は前作からの鉄板ネタなんですかね、すごく象徴的な台詞だった。

岡田育🍥『我は、おばさん』 @okadaic

続）……とまぁ、一人で語ってても低速飛行になりそうなので、続きは来週水曜日に、二村ヒトシさんと金田淳子さんと、ニコニコ生放送で語ります！ たぶん映画以外の話もするよ！ ／7月29日（水）21時～『オトコのカラダチャンネル』bit.ly/1dzIc9X #オカキモチ

岡田育🍥『我は、おばさん』 @okadaic

続）あと、新宿歌舞伎町の土曜深夜レイトショー、私みたいな「絶対観ろって言われたけど日中は忙しいしなぁ」みたいな女一人客に加えて、終電逃したと思しき文化系カップルが何組かいて、前者はさておき後者の感想が気になったね……！ 彼女連れた眼鏡男子とか終映後、寿命半分に縮んだんじゃないの。

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続）ジョーが「貴様の腹の子は俺の所有物だ」と言うとき「property」という言葉を使ってたのもよかったな。本当に脚本の削ぎ落とされ方が上手い。ところで二村さんはマックス＝インポ説を唱えてたのか。それはどうでもいいけど『Kingsman』のラストについて是非感想を聞きたいね……。

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ここに挙げられてる感想、あとで一つ一つ読もう。 / 他7コメント b.hatena.ne.jp/entry/www.exci… “「マッドマックス 怒りのデス・ロード」の魅力が理解できない私が、なんとか面白がろうとしてみた - エキレビ！(1/5)” htn.to/AQRrJ5

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続）あれ、選りすぐりの「美しい妻たち」だけが特別扱いされてたから一斉に逃げられた、と解釈する人もいるのだろうけど、私は「自分の二本足で立って歩ける」状態の女でないと逃げることもできないんだよね、と観てた。最初と最後に出てくる美しくない（砦でそのようにさせられた）女たちとの比較で。

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続）容姿外見の「美しさ」って生まれつき自動的に決まってる運命ではなく（そう思いたがる人もいるけど）、維持にせよ研鑽にせよ目的を持ち努力した結果の占める割合が高く、あの状況下で彼女たちは「美しいから生きてこられた」んじゃなく「生きて逃れるために美しくなった」んだろうな、とか思う。

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33件のコメント b.hatena.ne.jp/entry/d.hatena… “ジョージ・ミラー「マッドマックス　怒りのデス・ロード」 - キリンが逆立ちしたピアス” htn.to/MTTEAN

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3件のコメント b.hatena.ne.jp/entry/mess-y.c… “『マッドマックス』におけるフェミニズムと、マゾヒズムによる権力の解体 - messy｜メッシー” htn.to/pm5Z3M

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続）ニュークスはひたすら「モチベーションの源泉が自分の外にある」男と描かれていた。外付けの血液袋、ジョーの視線、破壊より創造より「修理」で輝く技能、そしてケイパブル。主人公たちの「逃げる」「取り返す」の軸とはまた別物に印象的だった。彼が元から修理工キャラで出てこないのがいいよな。

岡田育🍥『我は、おばさん』 @okadaic

続）個人的にはすごく好きな作品というほどでもなく落ち着きそうですが、「以後、他の人に何かの概念を説明するとき、例に挙げやすい」作品だなーと思った。私は男なら血液袋にされる以前に死んでるし、女なら間違いなく塩の湖を選んで野垂れ死ぬタイプなので、観るの疲れたけど、よい作品だと思った。

岡田育🍥『我は、おばさん』 @okadaic

続）そうだもっとジョーや他の頭領の「老い」への言及多いと思ってたけど（かつてのカリスマが見る影もない、本当に本人の子種かもわからない、それを武装や演出で隠してる）あれは男社会では現役扱いなのか。でも私が実際に砦の男なら鬼龍院皐月様＝フュリオサさえ居れば喜んで命捨てるので無問題か。

岡田育🍥『我は、おばさん』 @okadaic

続）そして今度から私、人前出るのに化粧するたび谷の手前で額の色を塗り直してたフュリオサを思い出すだろうな。など。続きは二村ヒトシさんと金田淳子さんと、ニコニコ生放送で！／7月29日（水）21時～『オトコのカラダチャンネル』bit.ly/1dzIc9X #オカキモチ

岡田育🍥『我は、おばさん』 @okadaic

私もこんな認識かなぁ。でもジョーがあの世界で女性という「資源」を独占してモノにするのに「恋情」は必要ないと思う、フュリオサも頭領の温情に愛憎それぞれ抱いたまま配下につきつつ機会を狙ってただけだろー、ってとこだけが二村説と違うところ。 twitter.com/tanikawa_bunya…

谷川文屋 @tanikawa_bunya

フュリオサは子供が出来ない身体だった →イモータン・ジョーとしては許せない →けど恋愛感情はある →子産み女に堕とすのは嫌だ →だったらウォーボーイズにしよう →地位を与えて部下に守らせよう！ こんな感じだったんじゃないかなぁ。 (続く)

2015-07-26 15:24:37