物語に対するリアリティの問題から「相応しいディテール」へ

2015年7月28日のつぶやきです。
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「ディテール(細部)」が存在する時にだけ「リアリティ」という概念は問われる

泉信行 @izumino

リアリティという言葉を多用する向きには、そこはディテールと言い換えるべきで、本来物語にディテール(detail)は存在しない。昔話や童話、寓話にディテールはなく、むしろ邪魔ですらあると昔話研究のリューティは主張する。リアリティはその不要なディテールが加えられた時だけ問われる概念だ

2015-07-28 14:42:45
昔話の本質と解釈

マックス リューティ

泉信行 @izumino

つまり、物語は「ディテールがある/ない」で場面場面を区別すべきなのが、リアリティという言葉を多用する人間は、「物語にディテール(細部)は必ずある」という近代的な様式を当然とした上で、リアリティがある/ないの二元論を対立させようとしている。これはディテールという観点からして害である

2015-07-28 14:47:56
泉信行 @izumino

「リアリティがない」のが「童話的、寓話的」というわけではない。童話や寓話には「ディテールがない」のであって、問題が異なる。逆にディテールのある物語が作られ、その各ディテールにおいてのみ「リアリティがある/ない」が発生する。リアリティのなさとディテールのなさを混同してはいけない

2015-07-28 14:52:59
泉信行 @izumino

もちろん現代の物語にも「ディテールが必要ない」場面はあるし、ディテールこそ必要な場面・描写もある。そこにおいても「どんなディテールなのか、どこがディテールとしてよくないのか」という話をするだけでも、リアリティという概念で問うことは不要になる

2015-07-28 15:05:26
いちお @innitigori

「リアリティのなさとディテールのなさを混同してはいけない」ふむふむ

2015-07-28 15:33:56
揚羽衣(揚げ物) @agemonop

確かに「リアリティ」という言葉を使う事によって「物語(のディテール)は現実的であるべき」「現実的である必要はなくむしろ害悪である」というズレた議論になってしまう、というのはあるなぁ。僕自身はリアリティを美的要素説得力獲得という二面で捉えてきたけど、ディテールと言い換えるべきか。

2015-07-28 16:39:24
揚羽衣(揚げ物) @agemonop

「精緻なディテールは美しい」「ディテールの詰めが甘いのは美しく無い」というのが僕の基本スタンス。もちろん作品の性質によって適用度は異なるし例外もあるけど、そういった志向・嗜好の作品の方が好みである。

2015-07-28 16:43:04
揚羽衣(揚げ物) @agemonop

これは決して「デフォルメされた簡易なディテールは美しく無い」という意味ではない。その作品にもっとも適したデフォルメの仕方がしっかり考慮されたものは、デフォルメであっても「優れたディテール」の範疇に入ると思う。 twitter.com/agemonop/statu…

2015-07-28 16:48:32
揚羽衣(揚げ物) @agemonop

@afrorampo 最も手っ取り早いリアリティの獲得方法がディテールの正確性を高める事なんですよね。そのせいで両者の区別が曖昧になってしまった気がします。

2015-07-28 19:53:45
揚羽衣(揚げ物) @agemonop

プラモデル(スケールモデル)の原型は、必ずしも実物の形状を正確に縮小したものとは限らない。正確に再現すると、見る人の視点の違いから異なる印象になってしまうので、必ずデフォルメを加えるという。これを「リアリティ」という概念で捉えようとするのは混乱の元である。

2015-07-28 16:53:23
揚羽衣(揚げ物) @agemonop

漫画の作画において、「トレスした絵」は「想像で描いた絵」よりも「リアル」かと言うと、必ずしもそうとは言えない。「相応しいディティール」であるか否かが重要であって、現実をそのまま投影すればいいという訳ではない。

2015-07-28 16:56:37
揚羽衣(揚げ物) @agemonop

「相応しいディテール」、これだ。

2015-07-28 16:57:18