「集団的自衛権の行使容認」の対案:『集団安全保障の徹底』
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序論
序(1)現在、国会で与党が安全保障関連法案の審議を進めている。その中の大きな論点の一つは、これまで禁じられてきた「集団的自衛権の行使」を容認するか否かということだ。
2015-08-02 16:17:21序(2)与党は「わが国を取り巻く安全保障環境はますます厳しさを増している」(安倍晋三首相)として、集団的自衛権の行使容認を求めている。(毎日新聞 headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150728-… )
2015-08-02 16:17:48序(3)また、与党は「対案を出してほしい。批判ばかりするのは無責任だ」(自民党の稲田朋美政調会長)とも述べている。(産経ニュース sankei.com/politics/news/… )
2015-08-02 16:18:23序(4)というわけで、日本と世界の平和を実現するために、「集団的自衛権の行使容認」の対案として、私は『集団安全保障の徹底』を主張したい。
2015-08-02 16:18:45序(5)さて、集団的自衛権とは「ある国家が武力攻撃を受けた場合に直接に攻撃を受けていない第三国が協力して共同で防衛を行う国際法上の権利」である。(Wikipedia ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9B%86… )
2015-08-02 16:19:13序(6)対して、集団安全保障とは「潜在的な敵国も含めた国際的な集団を構築し、不当に平和を破壊した国に対しては、その他の国々が集団で制裁するという国際安全保障体制の一種」だ。(Wikipedia ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9B%86… )
2015-08-02 16:19:49議論の概要
序(7)議論の概要 1.「集団的自衛権の行使容認」に対する批判 1-1.集団的自衛権の問題点 ①集団的自衛権が前提としている勢力均衡論は既に破綻している ②集団的自衛権には戦争の口実に使われてきた歴史がある ③集団的自衛権は集団安全保障に移行するまでの暫定措置に過ぎない
2015-08-02 16:20:11序(8) 1-2.日米同盟の問題点 ④日米安全保障条約にはアメリカが日本を防衛する義務が定められていない ⑤アメリカにとって日本の相対的な価値が下がってきている ⑥中国の経済力・軍事力が拡大していけば、いずれ世界の覇権はアメリカから中国に移る
2015-08-02 16:20:29序(9) 2.『集団安全保障の徹底』の提案 2-1.集団安全保障の特長 ①集団安全保障は平和の実現に向けた新しい枠組みである ②集団安全保障は世界の平和を実現する ③集団安全保障は集団的自衛権と両立しない
2015-08-02 16:20:51序(10) ④集団安全保障は日米同盟よりも抑止力が高い ⑤集団安全保障は日本のアメリカへの依存を断ち切る ⑥集団安全保障は覇権国による支配を排除できる
2015-08-02 16:21:19序(11) 2-2.『集団安全保障の徹底』の実現のために ①国連軍の整備が必要である ②5大国の拒否権を廃止する必要がある ③各国が独自に武力行使する権利と能力を放棄し、これらを国連に移譲することが必要である
2015-08-02 16:21:36序(12) 3.最後に:日本と世界の平和に向けて 3-1.南英世の指摘:「国家」や「国益」という概念を問い直す 3-2.間遠総合学術研究所の提案:自衛隊を国連PKO常備軍に 3-3.日本国憲法前文:日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ
2015-08-02 16:21:581.「集団的自衛権の行使容認」に対する批判
1-1.集団的自衛権の問題点
1-1-①集団的自衛権が前提としている勢力均衡論は既に破綻している
1(3)第一に、集団的自衛権が前提としている勢力均衡論は理論的にも歴史的にも破綻しており、集団的自衛権によって自国の平和を実現することはできない。
2015-08-02 16:22:571(4)「勢力均衡政策は、現実主義の立場に立つ典型的な政策である。もし、自分の国独自で安全保障が十分ではないと判断した場合、他国と同盟を結んで軍事力を強化し、攻め込まれないようにする。これがこの政策の原理である。(続く
2015-08-02 16:23:141(5)続き)すなわち、常に周囲の敵国と力のバランスを保つことで、お互いに攻撃しにくい状況を作るのである。この典型的な例は、第一次世界大戦における三国協商と三国同盟の対立に見られる。」(南英世の政治・経済学教室 homepage1.canvas.ne.jp/minamihideyo/n… )
2015-08-02 16:23:291(6)「勢力均衡政策は、現実問題として第一次世界大戦を阻止できなかったというばかりではなく、理論的にも重要な欠点をもっていた。なぜなら、自国の軍備を増強すれば、相手国もそれに呼応して軍備を増強するからである。(続く
2015-08-02 16:23:501(7)続き)国際政治の根本にあるのは相手国に対する「不信感」である。この不信感が存在するかぎり、一方が軍備拡張をすれば、他方も必ず軍備を拡張する。この結果、無限の軍拡競争が展開されてしまう。したがって、勢力均衡政策は、理論的にも永久平和を実現できない。」(南英世)
2015-08-02 16:24:08