ディアビが象徴するヴェンゲルのアーセナル(2015/6/11 The Daily Telegraph)

mygunner @mygunner98

ディアビはほとんど試合に出ていないのに色々な意味でアーセナルのこれまでの9年間を象徴している。彼の在籍中ベントナーもアルムニアもアンドレ・サントスもいたが、ディアビほどヴェンゲル時代後期の美と苦悩を体現している選手はいない。(テレグラフ)

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期待された才能は大成されることなく、悲運からは逃れられず、失意と、それでもなお持ち続ける希望の象徴。ヴェンゲルがプレカンでいつも「来季こそはアーセナルの年だ」と言うように、いつも「来季こそは」ディアビの年のはずだった。来季こそは。とにかく待て、と。(テレグラフ)

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移籍価値はほとんどないがそれなりの週給が必要なディアビはチェルシーやシティ、もしくはウェストハムなどでどのくらい在籍できただろうか？ヴェンゲルが彼を信じ続けてきたことはディアビの可能性を示しているとも言えるが、それ以上にヴェンゲルという人物を示しているとも言えよう。(テレグラフ)

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ヴェンゲルがディアビを愛したように自分の選手を愛せる監督はほとんどいないだろう。モウリーニョもファーガソンも選手を愛するがそれは常に「最近何か貢献してくれた」という栄誉に付随した条件付きの愛だ。ヴェンゲルのディアビに対する愛情は無条件だ。(テレグラフ)

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予感と消えゆく記憶、現実にはその兆候は見られなくてもそれでもいつか覚醒するに違いないという信念、それらに基づく無条件の愛。ヴェンゲルは、ディアビを信じていたから、だから信じ続けたのだ。他に条件はない。それだけなのだ。(テレグラフ)

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それを盲目とか頑固さとか人は好きなように呼ぶだろうが、私はとても心惹かれる。リリースリストに載った今でさえも、アーセナルはディアビが次のクラブを見つけるまでクラブで練習を続けられるようにするという。本当か嘘かもわからないが新契約の噂すら立ち上るほどだ。(テレグラフ)

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自分の心に正直になれば大抵の人は、自分のクラブにも、アーセナルがディアビを扱ったように人を扱って欲しいと思うだろう。選手のデータ分析や綿密なスカウト網が当たり前の時代に、ヴェンゲルとディアビの関係には人間性の本質的なものがある。そしてそれは現代ではとても稀なものだ。(テレグラフ)

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もしもアーセナルが最後の断を下すなら、エジルやサンチェスの獲得やシティ戦での戦いぶり以上にアーセナルの今後の方向性を示すことになる。クラブが進むには、ヴェンゲルの揺るがない選手への信用ですら十分ではないという冷たい現実にとうとう気づいたということだろう。(テレグラフ)

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またはもしかするともう一捻りあるかもしれない。短期契約、集中リハビリ、そしてフィットネス向上のための異例のリザーブの試合。まだまだ希望はある。昨年ヴェンゲルは言ったのだ。「もしもディアビが復活するなら彼を残す。私はいつも彼を信じている。」と。(テレグラフ)

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今ですらヴェンゲルの頭の中の葛藤が聞こえるようだ。片方ではディアビはもう過去の選手で、怪我がちな29歳のMF中心に優勝狙いのチームは作れない、切り捨てて次へ動く時だと言う。しかしより深い個人の声が、来季こそはディアビの年かもしれないと囁いている。(テレグラフ)