「叛乱への賛否は投票で」?「目標は亡命でなくソ連打倒」?レッド・オクトーバーのモデルになったソ連艦の物語
- gryphonjapan
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Historia magistra vitae est. 「RNVR花組」というサークルから本出してます。
自分でも信じられないんだけど、夏コミ新刊さきほど図版作業も終わって脱稿しました。完全に間に合わないと思ってたんだけど3日間で43,000字というのはもう二度と出せない瞬間風速なのではあるまいか。
2015-07-28 23:29:46というわけで改めて告知。C89・1日目東ミ45b「RNVR花組」の新刊は『1975年のドン・キホーテ ソ連海軍フリゲート「ストロジェヴォイ」の反乱』です。本文52ページ、予価500円でございます。
2015-07-28 23:33:09twitter.com/flowerclass/st… twitter.com/flowerclass/st… 内容についてはこちらを参考にしていだくとして。
2015-07-28 23:36:55日本では「レッド・オクトーバーの元ネタ」としてほんの一部の人が知っているだけのマイナーなお話というにとどまっていますが、反乱事件自体が大変興味深いものです。艦長を監禁した首謀者が次にやったことはなにか、武器庫を抑える?違います。残りの士官を集めて反乱への賛否を投票で問うのです。
2015-07-28 23:41:36togetter用資料 amazon.co.jp/dp/B000RXXY3U ★米国に接近するソ連最新鋭潜水艦の目的は、奇襲か?亡命か? ★原作はトム・クランシーの超ベストセラー。 ★全世界で大ヒットを記録したサスペンス・アクション大作。 amazon.co.jp/dp/4167275511
2015-08-08 09:47:05この民主的手続きにこだわる首謀者サブリン少佐のキャラクターも魅力的ですね。本の内容はほとんどサブリン少佐一代記に近いものになりました。この人筆が立つのでいちいち書簡や日記からの引用がかっこいいんですわ。
2015-07-28 23:44:23「時に人の人生とはある瞬間を待ち続けるためだけにその大半は存在しているのだろう」「私は確信した。この党と国家のマシンの装甲はあまりにも分厚く外部からの打撃ではたかが知れている。そう、このマシンは内部から破壊せねばならない。その装甲自体を武器として使うことによって。」
2015-07-28 23:47:06行動力抜群のイケメンインテリロマンチシストが文章を書くとこんな感じになります。あと奥さんすごくかわいい(どうでもよい情報)。決行直前に奥さんに書いた別れの手紙もこー、なんていうか、こー。自分で訳して書き写しながら机バンバン叩いちゃうようなやつ。。
2015-07-28 23:57:06夏コミ新刊『1975年のドン・キホーテ ソ連海軍フリゲート「ストロジェヴォイ」の反乱』は、1975年11月8-9日にバルト海で起こったソ連海軍の反乱事件を取り上げるものです。
2015-08-02 22:00:26ソ連海軍の軍艦が亡命を図る、という『レッド・オクトーバーを追え!』の着想のもとになった事件として知られていましたが、ソ連崩壊後に明らかになった真相はだいぶ違うものでした。首謀者ヴァレリー・サブリン少佐が目指していたのは亡命ではなく、ソ連現体制の打倒という遥かに大それたものでした。
2015-08-02 22:04:1214th Escort carrier Group。ヘッダは@pafu0310 さんに書いていただきました。飲んべえの艦船艇ファンです。動物園と水族館とJAZZも好きです。 amazon.co.jp/registry/wishl…
さて、こんぱすろーず( @flowerclass )さんから新刊の『1975年のドン・キホーテ ソ連海軍フリゲート「ストロジェヴォイ」の反乱』の下読みをせいとPDFいただいたので感想など。内容はご本人の twilog.org/flowerclass/da… 見ていただくのがいいのだけれど
2015-08-02 23:17:28ともかく叛乱首謀者のフリゲート艦「ストロジェヴォイ」政治将校であったヴァレリー・サブリンという男の、時宜を得なかった革命家といったパーソナリティがあまりに魅力的で、我々がぼんやりとイメージする「ソ連海軍」「政治将校」「叛乱」という言葉たちのイメージをすべて裏切ってくる。
2015-08-02 23:18:21うっすらと斜陽が見えてきた帝国を、あるべき姿に立ち返らせて再び栄えあるものにできないのかと悩み叛乱に及ぶ彼の姿は、我々に親しいものとしては、尊皇攘夷を頑なに信じて新政府の尊王開国派に排除されていく幕末の一部志士たちと重なるものがあるとも言えましょう。
2015-08-02 23:20:11そのような「歴史の歯車」と「個人の資質」のズレをこんぱすさんはいみじくも表題に用いて「ドン・キホーテ」と書かれているわけですが、僕はドン・キホーテのミュージカル版である『ラ・マンチャの男』のテーマ曲、"The Impossible Dream"を思い起こさずにはおれませんでした
2015-08-02 23:21:16同曲の"And the world will be better for this"(世の中はこうして良くなっていくだろう)から始まる一節の歌詞はサブリンの行動を表しているようでもあり、ソ連がその後どうなったかを知る我々に言いようのない皮肉にハマる何事かとして聞こえてきます
2015-08-02 23:22:10あいかわらず的確にまとめていただいて感謝です。この事件は戦闘を経ることもなく終結したため、派手なドンパチもサスペンスも本書にはありません。そのかわりサブリンという、現実を良く知りながら夢想家であることを選んだ、待つことができなかった男の、鮮烈で少し物悲しい物語が詰まっています。
2015-08-02 23:30:30なので、メカミリというジャンルで頒布するわけですが、軍事に興味のある人に限らず、ソヴィエトという今は亡き国の歴史や人々に興味のある人、革命や変革を目指して散っていった人に広く読んでもらえる内容であると思っています。
2015-08-02 23:37:37雰囲気が近い話としては、あれだ、隠れた名作だと思っている、クーデターによる共産党打倒を目指すソ連軍人たちの群像劇『モスクワを制する者は』(ロバート・モス、文春文庫)。
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