震災以後の教育支援の備忘

震災以後に関わった教育支援とその課題を備忘としてまとめました。
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算数の問題のアキレス腱

佐藤賢一の中の人 @ke_1sato

震災以後1年経過したあたりから、子供たち(小学校高学年~中学)の学習支援に関わり、数ヵ所の市町、延べで10数人の様子を見た。共通点は、算数だと震災前後に習ったはずの重要項目、割合・パーセントの知識がすっぽり抜けていること。ほとんど復習の機会もなく中3になってしまったのが今年の生徒

2015-08-08 07:04:13
佐藤賢一の中の人 @ke_1sato

本来ならば小学校高学年で、何度も反復して計算練習すべき割合やパーセントの問題。これが共通して疎かになった背景は、震災直後の学校の混乱、復旧以後も環境が落ち着かず、家庭でもほとんど勉強ができない。学校も家庭も毎日を過ごすだけで精一杯だったことは容易に予想できる。

2015-08-08 07:08:47
佐藤賢一の中の人 @ke_1sato

この2年ほど、同じ教科書の同じ問題を解かせた数名(違う中学校に所属)が特異的にその割合の問題だけ躓いているのを見て愕然とした。彼らの学年を考えると、震災以後数ヵ月は学校が機能せず、中学の学習内容を駆け足で進めたことで小学校の復習は完全に抜け落ちた結果だったと推測。

2015-08-08 07:17:22
佐藤賢一の中の人 @ke_1sato

算数では「割合」の知識欠如が共通に現れたが、例えば英語の場合だと、学年によって理解度はばらついていた。震災時に被災地の小学生だった学年は何とか今でも大丈夫のような印象。当時中学1年生だった学年(今は高校生)が一番大変だったと思う。英語を最初に学ぶ時期が震災直後の混乱期だったので。

2015-08-08 07:41:25

災害避難時の教育環境

佐藤賢一の中の人 @ke_1sato

被災地での教育関連の課題。国内での災害時に、避難所運営が地域の学校施設に頼らざるを得ない現実を何とか変えていかないと、長期避難を伴う先の震災のような場合、確実に子供たちの教育環境に悪影響を残すことになる。普段は住民が利用し、災害時は避難所対応できる公共施設が学校と同数程度は欲しい

2015-08-08 08:21:44
佐藤賢一の中の人 @ke_1sato

せめて子供たちのためには、被災時だけれども災害のことをちょっとでも忘れられる環境として学校が機能して欲しい。先の震災時では、体育館にも教室にも避難住民が寝起きしていたし、そんな中で新学期を迎えた学校もあった。

2015-08-08 08:29:10
佐藤賢一の中の人 @ke_1sato

今まで呟いたような状況であるから、長期災害避難時に行う教育支援が単なる「学習支援」「学力向上サポート」ではないことは了解いただけると思う。学習環境、家庭環境をひっくるめた地域支援の一環としてあるべきで、なおかつ、長期的なビジョンも持ちつつ実践する必要がある。

2015-08-08 09:03:16

教育支援のゴール

佐藤賢一の中の人 @ke_1sato

教育支援関連で普段から言っていることだが、支援のゴールは子供たちが安心して勉強できる環境を整えること。遡って考えれば、学校の先生に外部から余計な負担を強いるのは論外だし、マスコミやらボラ団体が子供を不必要に動員してイベントをするのも時間泥棒。それだったら資金で援助してくれ、と。

2015-08-08 09:23:30
佐藤賢一の中の人 @ke_1sato

振り返ってみると、やはり教育支援でも他分野の支援と同様に復旧のフェーズに応じて支援すべき内容は変わった。最初は居場所の確保、勉強場所の確保の支援。遠くの仮設校舎との往復時間が勿体ないので、保護者と連携して送迎支援。転校した友人とたまに会う機会を設けるための集団学習、など。

2015-08-08 09:32:28
佐藤賢一の中の人 @ke_1sato

震災から4年経った現在はどういう状況かと言えば、学校機能はほとんど回復している。(ただ、教員の異動がほぼ一巡して、内陸の津波被害を知らない教員が沿岸校に赴任してきて不用意な発言をしがちかも、と語る親御さんが数名いらっしゃった。この点はなかなか難しい。)

2015-08-08 09:39:10
佐藤賢一の中の人 @ke_1sato

宮城県内沿岸部だと、民間学習塾、個人教室もだいぶ再開されている。そういうこともあって、教育支援をする際、ご家庭に経済的な問題が無い場合は通常の学習塾を利用するようお願いしている。原則は、保護者、ご家族と面談して、必要な支援を必要な時期に提供する形へとシフトしている。

2015-08-08 09:43:07

若干のアドバイス

佐藤賢一の中の人 @ke_1sato

もし今年度の高校受験生で、英語・数学の基礎知識に不安を覚えている人がいれば、(宮城県の場合)東京書籍の3年生の教科書の巻末に1・2年生のまとめの例文や問題があるので、まずは夏休み中にそれを徹底的に復習することをお薦めします。難しい問題集に手を出すよりも、まずは教科書から。

2015-08-08 10:08:51
佐藤賢一の中の人 @ke_1sato

(英語の教科書の例) 巻末に"I am Sakura."で始まる例文のページがあります。この例文を順に、ノートに数行ずつ余白を空けて日本語に訳します。答合せは辞書などで調べて。次に教科書を閉じて日本語の文から英語の文を書きます。これを何回か、文を覚えるくらいまで繰り返しましょう。

2015-08-08 10:18:48

この方法は、自分が何人かの生徒さんに実際にやってもらったやり方です。反復して行うことで効果は高まりました。