今振り返ってみると10年前のレ・アール再開発コンペが今の新国立競技場コンペといちいち真逆の展開になっていて興味深い。→[PDF]パリ/フォーラム・デ・アールの再々開発 goo.gl/TfAlwm
2014-06-25 16:40:20レ・アールは事前に市民と十分に協議してとり行われた「民主的」なコンペだった。最終案は市民の意見を取り入れて決められ、新国立競技場とは全然違っていた。→
2014-06-25 17:19:14→エントリーした4案の内、当時、乗りに乗っていたレム・コールハースのプランが建築としては抜群に見えた。審査に建築家の見解がもう少し通っていたらこれが選ばれたんじゃないかと思う。→
2014-06-25 17:19:35→自分などは今でもレム案が実現していたらパリの都市全体としての魅力を底上げすることになったのに、と惜しく思うのだが、市民が選んだのは既存の公園を出来るだけ保存し、かつ最も経済的な建設が可能だった面白味のないガラスの箱建築であった。→
2014-06-25 17:19:57→ここまでは市民の意見を取り入れ過ぎてしまったよくあるコンペの話だが、ここからの展開が一味違うのがパリ。 →10+1 世界建築レポート[6]パリ・レ・アール再開発 goo.gl/VtXWdO →
2014-06-25 17:20:21→レ・アールの場合は日本の国立競技場とは逆に、終わってから、「世界に冠たる国際都市パリの中心にこんな無難な建築を建てて良いのか」という意見が噴出することになり、当選案は撤回、年を改めて再コンペを実施することに。→
2014-06-25 17:20:58→再コンペといっても前回の1等案提出者は審査員で参加したし、参加案も概ね前回に市民が望んだ公園を残すプランになっていて、別に荒れた雰囲気になった印象はない。→
2014-06-25 17:21:19→まあ結局ここでも選ばれたのは無難なガラスの箱建築で(今度のはガラスがうねっていた)、さて、建築学としてはこのコンペ全体をどう評価するか、という話になるのだが、それとは別に、建築コンペというのはこういう撤回の可能性・歴史も含めて建築コンペなのかもしれない。→
2014-06-25 17:21:47→あと経済性を優先するのは建築的に間違っていない一つの回答で、そもそも「パビリオン・バルタール」自体が経済的合理性を再優先してナポレオン三世が決めてああなったのだから、あの場所に経済的で面白くない建物を作ることには歴史的な連続性がある、という見解もあります。→
2014-06-25 17:22:12→さて、レ・アール再コンペの当選者は、ガラスの箱が印象的なシトロエン公園を設計したフランス人で、聞くところによるとシトロエン公園は"ラ・ヴィレットと違って"市民に好評であるという。→
2014-06-25 17:23:08→磯崎新さんが1990年くらいに「これからフランスでコンペに勝つのはフランス人の設計者による単純なガラスの箱建築ばかりになるだろう」みたいな文章を残していて(「建築家探し」に所収)、その後のフランスにおけるコンペが概ねそうなっていて、マジで預言者かよって思えますな。→
2014-06-25 17:24:04→今、建設が難航しているけどモンパルナスタワー以来にパリに建つ予定の超高層も「ガラスのピラミッド」だからね。(H&deMはスイス人だけどフランス語圏ということで)→おしまい。
2014-06-25 17:24:22『atプラス25』に「1949年の天安門広場」を寄稿しました。特集は磯崎新の「祝祭都市構想ープラットフォーム2020」。2020年、東京五輪開会式含むイヴェントをに皇居前広場で100日間おこなう構想。SANAAによるマスタープラン案、名和晃平やヤノベケンジらによるアート装置案も。
2015-08-09 12:49:40磯崎さんの「皇居前広場での開会式」案は昨年から出されていた。新国立競技場の白紙撤回がされた直後のこのタイミングで、そのデベロップが出されたことはおもしろいと思う。ザハに関連して「アンビルド」という言葉が批判的に取り上げられているけど、磯崎案ではそれがさらに反転しかねなくて興味深い
2015-08-09 12:58:27