「女くどき飯」は「コトコトくどかれ飯」にパクられたといえるのか

すでに作成されているまとめは、峰さんの主張を前提としたまとめであったため、なるべく客観的につとめたまとめを作成しました。その後ハツキス編集部より正式なアナウンスがありましたので追記。タイトル変更で連載続行を打診してるとのこと。
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発端のまとめはうしじまいい肉さん(@PredatorRat)さんのまとめを参照。
その後の続報まとめは、鳴戸金時(@kintoki_naruto)さんのまとめを参照。

♡うしじまいい肉♡ @PredatorRat

「【丸パク!】漫画誌「ハツキス」(講談社)新連載「コトコトくどかれ飯」(田所コウ氏作)が峰なゆか氏の「女くどき飯」を丸パクリ!Kiss編集部はクレームをシカト中!」をトゥギャりました。 togetter.com/li/860195

2015-08-13 18:44:58
鳴戸金時 @kintoki_naruto

「【パクリ疑惑】『コトコトくどかれ飯』が『女くどき飯』に似過ぎている件、ついに田所コウ(小毛山)さんからリプライ」をトゥギャりました。 togetter.com/li/861258

2015-08-16 10:37:57

峰なゆかさんと田所コウさんの間でツイッター上でやりとりがあった後、編集部からの連絡待ちとなっていましたが、ねとらぼにて続報および、
ハツキス公式サイトでも発表がありました。

ねとらぼ @itm_nlab

漫画「コトコトくどかれ飯」に「女くどき飯」作者が怒りのツイート 「設定もタイトルもパクリ」と指摘 → 編集部は「まねたものではない」 - ねとらぼ nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/15… @itm_nlabさんから pic.twitter.com/VfVb0ZXyl1

2015-08-19 20:50:09
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では峰なゆかさんの言うようにコンセプトやタイトルの盗用行為があったのでしょうか?

まず峰さんに有利な要素から挙げていきます。

1・くどかれ飯のタイトルと作品コンセプトの変更

「コトコトくどかれ飯」は2015年1月号に、読み切りにて初掲載。その時はタイトルは「コトコトかくれ飯」であり、キャッチフレーズは「ちょっとだけこっそり食べてみたいご飯があります」。
またこの話で取り上げられたのはチェーン店の「かつや」で、作中では店舗の名前が半分隠れた形で描写されています。これは他の多くのグルメマンガ同様の手法です。

その後、2015年5月号にて読み切り2本立てとして再登場。その際にタイトルが「コトコトくどかれ飯」に変更。内容も「かくれ飯」から大きく変わって連載版とほぼ同様の内容です。取り扱われる店舗も実在する個人運営の店舗で、名前も出ています。

そして2015年9月号にて正式連載開始。これがナタリーのニュース記事で取り上げられ、騒動が巻き起こったわけです。

リンク natalie.mu 美味しいものを食しながら口説かれる「コトコトくどかれ飯」ハツキスで開幕 田所コウの新連載「コトコトくどかれ飯」が、本日8月12日発売のハツキス9月号(講談社)にてスタートした。

前述の読み切り版については、講談社のほかの雑誌同様、電子書籍で今でも購入可能です。
最新号についてはいつもどおりであれば8月25日に配信されるはずです。

2・実際の店舗名を取り上げる女子グルメマンガは少ない

意外かもしれませんが、チェーン店ではない個人の店舗、そして店舗の名前を作中で出すグルメマンガ作品はそう多くありません。
「孤独のグルメ」がそうであったように、実在の店舗をモデルにはしていても、作中で名前を出さないという描写が一般的です。
「ラーメン大好き小泉さん」でも「北極ラーメン」のようなそのものズバリな名称は出てきますが、モデルとなる店舗名は作中では隠されています(わかる人が見ればすぐわかりますが)。

もちろんこれはストーリーマンガの話で、
エッセイマンガや食レポマンガはその限りではありません。
エッセイマンガですと、よしながふみの名作「愛がなくても喰ってゆけます。」が有名でしょう。

また食レポマンガでしたら、当然実際の店舗名を取り上げなくては作品として意味がありません。

実際の個人経営店舗が出てくる食レポ漫画の一例。
フィールヤング連載

実在の店舗を取り上げているストーリーものの漫画としては秋にドラマ化も決定している「いつかティファニーで朝食を」があります。
子持ちのシングルマザーを主役にしたストーリーもの。

峰なゆかさんの「女くどき飯」もジャンルとしてはエッセイや突撃ルポものに分類されるでしょうが、作品を読めばわかるとおり、店舗の描写や紹介は割合としては5%もなく、男性いじりが9割という作品です。
ぐるなびのマンガサイトでは多くのマンガが掲載されており、峰さんの作品同様実際の店舗を舞台にしたマンガばかりですが、その中でも異彩を放つ連載なのも事実です(グルメマンガではなく自分の土俵で戦ってるだけとも言えますが)。

--http://r.gnavi.co.jp/g-interview/archive/category/グルメマンガ

なぜ実在の個人運営の店舗を取り上げる作品が少ないかですが、理由としては「ストーリー創作上の制約」、次に「読者から共感をしてもらいにくいこと」があげられるでしょう。

実際の店舗が舞台ですと、「孤独のグルメ」のアームロックのような話は作りづらくなります。
また「めしばな刑事タチバナ」のうどん編でも「地方ローカルの店舗の話なんかされても退屈」のようなセリフがありますが、読者の共感を得ることが流行の女子グルメものにおいて、東京などの店舗を取り上げても、地方の女性からは共感が得にくいでしょう。

また取材費など金銭的な面も少なからずあるでしょうが。

店舗を取り上げてしまうと舞台が制限されてしまいますが、全国どこにもあるチェーン店や、実在の店舗が取り扱う商品だけならば、物語にかかる制約はさほどありません。

実在の店舗のお取り寄せグルメを扱った漫画。ドラマ化もされています。

ではここからは峰さんに不利な情報も出していきましょう。

1・タイトルがかぶってるとはいうが、前例がすでにある。

『「賛否両論」笠原将弘の口説きめし』という本が2012年に発売されています。
内容は女子に受けて手軽に作れる料理男子のレシピ集入門編といった内容のようです(筆者は未読)
ですからジャンルとしてはまったくといっていいほど別物です。
しかし…

峰なゆか @minenayuka

『女くどき飯』と『コトコトくどかれ飯』パクリ問題について「作風が全然違う」とか、「内容が似ている漫画なんていくらでもある」とかいう反論があるのですが、私が最初からずっと問題にしているのは「コンセプトとタイトルのパクリ」であって、作風とかストーリーについては一言も言及してません。

2015-08-16 01:56:07