【お玉さんの読書マラソン】「名探偵図鑑完読作戦」第7部

お玉さんの読書マラソン企画「名探偵図鑑完読作戦」第7部は、名探偵図鑑完読作戦Special《僕らの好きな人形佐七》。横溝正史の「人形佐七捕物帳」全短篇180本のレビューという前人未到のチャレンジです。「本まとめ」はその前編として、戦前〜戦中の人形佐七作品81本を紹介しています。
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お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

さて……(けど、今回も前哨戦ナノ)

2015-09-12 01:48:13
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

さて「名探偵図鑑完読作戦」 コナンくんの56巻で紹介されている名探偵は「佐七」 ぼくらの好きな横溝正史♫ ぼくらの好きな人形佐七♫ 人形のような美男子ぶりなのに捕物の腕前は江戸の名物! 「また名声があがっちまうなあ」 pic.twitter.com/ddz0mQzYKo

2015-09-12 01:48:34
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お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

さぁ、人形佐七なのである。 先日投下したように「名探偵図鑑完読作戦Special」なのであり「僕らの好きな人形佐七」なのである。 いわゆる捕物帳なのであり、全180本、戦前戦後を股にかけ執筆刊行された横溝正史最大量のシリーズ作品なのである。

2015-09-12 01:49:10
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

金田一耕助、由利先生 & 三津木さんの作品と比べて人形佐七作品は収集がラクなのがワンポイント♫ 春陽文庫の14冊(150本)と出版芸術社のハードカバー2冊(30本)でダブリなく全編揃っちゃうのよね♫ 新刊で流通してないけど、そんなにプレミアついていないみたいだしね♫

2015-09-12 01:49:49
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

けどね、角川文庫の黒背「自選人形佐七捕物帳」の三冊は、1巻は別として、2と3がプレミアついているので……、注意して欲しいんよ……(>人<;) そして、この自選短編集がクセモノだったりするわけなのよね……

2015-09-12 01:50:38
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

実は今回の名探偵完読作戦の機会を得るまでは、私も角川の自選短編集しか読めてなかったのですよね。 で「捕物帳は別にイイや〜」と思ってしまって四半世紀、その間、金田一作品や由利&三津木作品をバンバン読んでおきながらも、人形佐七の作品群に関しては全く触れることなかったのですよ

2015-09-12 01:51:16
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

で、「半七」「ヘンリー」「佐七」の三人でどれを短編全編読破にしようかしら? と考えてる真っ最中どきにロケハン気分で自選短編集に収録されてない短編を何本か摘んでみたのですが、……もうね、すこぶる面白いンですよ☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆ というか、面白すぎ〜

2015-09-12 01:52:05
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

角川の自選短編集に収録されている作品の傾向としては ① 海外の有名トリックのかなりツイストの効かせたアレンジによる本歌取り ② 半七捕物帳の雰囲気を感じさせる江戸の庶民情緒を思わせる作品 ③ プロットが小規模で無難にまとまっているもの の三点のどれかに収まってるみたいなの

2015-09-12 01:52:49
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

①と②は個々の作品紹介で触れることとなりそうですが、ここで注目なのは③ 「人形佐七」の短編は「あまりに複雑なプロットのため規定枚数に全然収まらず、最後の2ページくらいでダダッと事件の謎を箇条書き気味で説明しまくる作品」が、とにかく多いのですよ。

2015-09-12 01:53:18
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

小説としては惜しい部分もあったりするけど、 江戸時代を舞台にした捕物帳という性質がため、指紋や血液検査とかいった科学捜査の枷に縛られることのない、突飛なトリックや自由な発想が随所に見られたりするんですよ。 横溝正史のミステリ作家としてのセンス、これがホンマ顕著にうかがえるの

2015-09-12 01:55:00
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

野村胡堂の「銭形平次」が本数を重ねるうちに江戸の情緒とかどうでもよくなり、とにかくトリック! けどミステリマニアが嫌う「トリックのためのトリック」に陥ってしまっているのに対して、「人形佐七」での謎の置き方、何故そういうふうになってしまったのか? の筋道の立て方があまりに自然♫

2015-09-12 01:55:29
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

もちろん意図的に執り行なわれたトリック作品もあったりするわけだが、「目の前の状況に対しての最適だと思われる行動が、第三者から見ると奇っ怪で不思議な現象になってしまった」系統の作品は、ホンマ震えるくらいミステリのセンスを感じちゃうわけなのよね♫ ここらは金田一作品より色濃いカモ

2015-09-12 01:56:30
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

「三段構え、四段構え、な構成のため終盤の説明が駆け足になってしまう、だけどミステリセンス溢れる作品」より角川の自選短編集は「二段構えくらいで体良くキレイにまとまっている作品」がセレクトされてるみたい。 氷を凶器に使う作品だったら、自選のアレもいいけど、あの作品の方がもっといいよね

2015-09-12 01:57:44
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

で、そんな複雑なプロットを用意しておきながら、江戸の風俗をちゃんと拾ったり(というか江戸風俗の特殊性が事件の契機になることが多い)、脇を固める「人形佐七」の二人の子分・辰と豆六のボケとツッコミで朗らかな雰囲気を作ったり、かなりエロエロだったり、やたらサービスが過剰なのよね☆

2015-09-12 01:58:16
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

角川文庫の黒背における中島河太郎解説から培わられた個人的イメージ「本格探偵小説という米の飯の得るために、しぶしぶ捕物帳などを書いていた」→全然不正解じゃんΣ(゚д゚lll) むしろメッチャノリノリで捕物帳を書いてるやん♫♫

2015-09-12 01:59:26
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

あとコレも中島河太郎解説からのかってな思い込みなんだけど「吐血しながら一枚一枚、原稿用紙の升目を埋めていた横溝正史」のイメージも、多分、正しくない。 横溝正史ってメッチャ筆が早い作家! 作品リストを眺めて思ったけど、仕事量が半端ない! もちろん駄作もあるけど、作品の平均値も高い

2015-09-12 01:59:49
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

まぁ、他のキャラクターを使って書いた捕物帳(不知火甚左・朝顔金太・文七・伝七、等々etc……)の主人公たちの名前を変えて、ママ一本の「人形佐七」作品に仕上げたりするといったキラーっぷりを発揮してたりするので油断ならない作品もあるけどネ♫

2015-09-12 02:00:27
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

長々となってしまったが、角川文庫の自選短編集はあまり「人形佐七」を楽しむのには向いていないカモ? ということ。 割と無難な作品が多く、横溝正史のミステリ作家としての凄味を感じさせてくれる「人形佐七」作品、ってあまりに少ないように思えるんよね?

2015-09-12 02:01:34
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

むしろ、先に上げた①、海外の有名すぎるトリックのバリエーションパターンを用いた作品たちが、かなり凄いアレンジを効かせて震えるくらいブッ飛んでいたりするんだけど、人形佐七入門段階で読んだら「コレ、パクリじゃん\(´Д` )」と思えてしまう危険性があるんじゃないかなぁ

2015-09-12 02:02:09
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

「羽子板娘」の後に「恩愛の凧」を読まされるのって、あまりに良くないんじゃないかしら? 発表順での「羽子板娘」→「謎坊主」→「嘆きの遊女」で読んでみないと「ああ、アレってパクリじゃなかったのね ( ´ ▽ ` )ノ」という感想出てきにくいのでは? では?

2015-09-12 02:02:42
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

というわけで、次回から個々の作品の【あらすじ】と【感想】を、「作品発表順」でお伝えしていきたいと思います♫ 目標一日三本。 五本くらい出来たらいいんだけど短編レビューのときはザッと読み返さなきゃだし…… どうするどうなる「僕らの好きな人形佐七」 以下、次回 ( ̄^ ̄)ゞ

2015-09-12 02:03:59
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

さて、名探偵図鑑完読作戦Special 《僕らの好きな人形佐七》でございます ( ´ ▽ ` )ノ 本日は その1「羽子板娘」 その2「謎坊主」 その3「嘆きの遊女」 その4「山雀供養」 をお送りしますよ☆彡

2015-09-13 02:20:21
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

本日取り上げる人形佐七の短編は昭和13年(1938年)発表のもの。この年だけで計9本の佐七作品を書いてるんよね。横溝正史が作家専業になる前編集者として働いていた博文館(「新青年」が有名ネ♫)、こちらの出版社が発行していた「講談雑誌」で月に一本発表していた作品となります☆

2015-09-13 02:20:54
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

これらと平行して由利先生 & 三津木さんの中短編をこの年6本も書いてるんだから、横溝正史ってタダモンじゃないですよね ( ´ ▽ ` )ノ (由利先生 & 三津木さんマラソンもいつかしたいものです♫) 脇道にそれるのはこれくらいで、早速本編へレッツゴー ( ´ ▽ ` )ノ

2015-09-13 02:21:30
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