恐怖が作り出す本物のリスク(福島での震災関連死の多さについて)

ニューヨーク・タイムズの記事 When Radiation Isn’t the Real Risk http://www.nytimes.com/2015/09/22/science/when-radiation-isnt-the-real-risk.html の要旨です。誤りのご指摘や追加情報などコメント下されば追加させていただきます。
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s_matashiro @glasscatfish

「政府のパニックと放射線の恐怖が多くの人を死に至らしめた」 福島第一原発事故後の避難政策を痛烈に批判したNYタイムズの記事。 低線量放射線のリスクは不確実性が大きいが、パニックや恐怖のリスクはリアルだった。 nyti.ms/1QUtXL5

2015-09-24 23:32:40
s_matashiro @glasscatfish

NYT 9月22日付けの記事「When Radiation Isn't the Real Risk」の要旨を連ツイします。間違いや追加情報があればコメントお願いします。togetter まとめを作った時に反映させていただきます nytimes.com/2015/09/22/sci…

2015-09-28 02:36:58
s_matashiro @glasscatfish

「福島原発事故で放射線により死亡した人も病気になった人もいない。廃炉作業者でさえ癌の増加は統計的ノイズに埋もれてしまう。」と、今春東京での IAEA 会合で確認された。 しかし約1600人が避難のストレスで死亡した。事故による被曝量増加の程度からは決して正当化できない数字では?

2015-09-28 02:38:35
s_matashiro @glasscatfish

震災後の関連死は福島では異常に多い。岩手 434 宮城 879 に対し、福島は 1600 以上。 japantimes.co.jp/news/2014/02/2…

2015-09-28 02:39:36
s_matashiro @glasscatfish

放射線などによる「確率的な死」は抽象概念だが、避難関連死は現実である。 ドス博士:「日本政府の対応は基本的にパニックだった。」 「ICUから患者を高校に避難させて生き延びると期待はできない。」 老人施設からの犠牲者も出たし、恐怖から自殺した人さえいた。

2015-09-28 02:40:35
s_matashiro @glasscatfish

原発事故の降下物のほとんどは拡散や希釈により消散したので、例外的に最も汚染の激しい場所でも4年間の蓄積被ばく線量は70mSv。これは毎年全身の高精度放射線検査を受けた位。殆どの住民の被曝量は年4mSvよりはるかに少ない(自然放射線による被爆は2.4mSv)

2015-09-28 02:41:39
s_matashiro @glasscatfish

避難について考えるには、どんな少量の被曝でも健康に悪いとする「しきい値なし直線」(LNT)仮説の有効性を前提にせねばならない 低線量被曝が無害または良い影響を及ぼす(ホルミシス効果)とする立場もある。ドス博士らは「存在しない脅威への過剰反応」を避ける規則改定を当局に申し入れている

2015-09-28 02:42:24
s_matashiro @glasscatfish

米規制当局のパブリックコメントサイト(LNTと規制) Linear No-Threshold Model and Standards for Protection Against Radiation regulations.gov/#!documentDeta…

2015-09-28 02:43:38
s_matashiro @glasscatfish

LNT仮説に基づくと1mSvの被曝による癌死は10万人中5人。20万人が16mSv受けると160人で福島で避難関連死の10%。 低線量被曝の毒性を無視できるとなれば、原発事故降下物による癌死の増加は無いかもしれない。ホルミシス効果もあり得るが、現在の規制下でヒト試験は不可能。

2015-09-28 02:44:42
s_matashiro @glasscatfish

原爆生存者の発がん率でLNTが適切とする論文 ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/2217196… 比較対象の発がん率年次推移が適切に調整されれば、LNTではなくホルミシス効果が見られると主張する論文。 ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/P…

2015-09-28 02:45:20
s_matashiro @glasscatfish

意図せずホルミシス効果の試験となった事例に台湾で鉄骨に放射線源が入っていたアパートの例がある。また、炭鉱労働者とラドン吸入被曝の調査でもLNTが成り立たない(低線量で発ガン率低下)例がある。 ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/P…

2015-09-28 02:45:46
s_matashiro @glasscatfish

また統計には交絡因子の処理方法に伴う不確実性も常に存在する。 人間はバランスの取れたリスク評価は苦手だが、不確実性の多い世界に生きている。 想像上の恐怖を避けようとすることが、現実の恐怖を作り出すかもしれない。(了)

2015-09-28 02:46:37