渡邊芳之先生ynabe39の「平成に入る頃までの大学では入学する学部に関係なくすべての大学生に40単位程度の「教養教育」を履修することが義務付けられていて、その内容も大学や学部を超えて共通になっていた。」
千の風になって。
北海道帯広市 · twilog.org/ynabe39
渡邊 芳之(わたなべ よしゆき、1962年4月22日 - )は日本の心理学者。帯広畜産大学人間科学研究部門(人文社会・体育学分野)教授。博士(心理学・東京国際大学)。 佐藤達哉、尾見康博との共同研究を中心に心理学論、心理学史、人格心理学や血液型性格分類の批判的検討などの分野に論文・著作を持つ。趣味はレコード蒐集。
http://ja.wikipedia.org/wiki/渡邊芳之
渡邊 芳之 -帯広畜産大学-
http://www.obihiro.ac.jp/ichiran/watanabe_yoshiyuki.html
もう知らない人も多いと思うので書いておくが、平成に入る頃までの大学では入学する学部に関係なくすべての大学生に40単位程度の「教養教育」を履修することが義務付けられていて、その内容も大学や学部を超えて共通になっていた。
2015-09-29 05:47:53原則としてどこの大学でも教養課程は「自然科学」「人文科学」「社会科学」「体育」のカテゴリーからなっていて、学生は各カテゴリーからまんべんなく科目を履修しないと卒業できない仕組みだった。
2015-09-29 05:49:53さらに多くの国立大学では入学者はまず教養教育だけを履修することを目的とした教養課程とか教養部といった教育組織に所属して、そこで1年ないし2年間教養教育「だけ」を受けて、そのあと初めて各学部学科に「進学」する仕組みになっていた。
2015-09-29 05:53:31それに合わせて教員組織のほうも、各大学で教養教育を担当する教員だけからなる「教養課程」「教養部」が存在して、大学全体の1〜3割程度の教員がそこに所属していた。
2015-09-29 05:56:33平成に入る頃にはこういった体制が徐々に壊れて専門教育がだんだん下級学年に降りてきて、平成9年までにこれが完全に解体される。それによって大学生は入学する学部学科によって全く違うことを学ぶようになる。
2015-09-29 05:59:35それで、この教養部解体についても明らかに当時の文部省が旗を振って全国一斉に進められたのだけど、あとになって文部大臣が「強制した事実はない、各大学が自主的にやった」と国会で答弁する、ということが起きる。われわれは今回の「文系廃止」と同じことを一度見ているのである。
2015-09-29 06:03:09だからわれわれは「文系廃止というのは誤解だ、そんなつもりでなかった」と文科省が言っても「なるほど転換は自主的に進めろということだな」としか思わないし、方針が撤回されたなどとは一切考えないのである。
2015-09-29 06:11:15さてこの教養解体のときに教養課程担当でない「学部の教員」「専門の教員」たちが教養のポストや予算を自分たちのところに分捕るためにどのような行動をとったか、というのはまた別の物語である。文系再編を決めた各大学ではまたそれが再現されているのだろう。
2015-09-29 06:15:59文科省が「誤解だ」っていっても信じるひとなんていないよね。diamond.jp/articles/-/767… とくにこの鈴木寛氏のがひどいね。これには腹が立った。
2015-09-29 06:23:40こんな人が「知識人」と呼ばれるんじゃ、「なんだ、俺のほうが知識あるじゃないか」と思われても仕方ないですね。 @ynabe39 pic.twitter.com/mFQkD7nOZd
2015-09-29 06:43:11自分が知っていることを知らない人が自分の知らないことをたくさん知っている,ということが当たり前にある,ということもそういう人に会う経験がないとわからない。
2015-09-29 07:23:24「あらゆる面で自分より優れている人しか尊敬したくない」とみんなが考えるようになると教育とか技術の伝承というのはとても難しくなると思う。
2015-09-29 07:24:17たとえば私はゲームやユーチューバーのことを小五の息子よりはるかに知らないし,小学校で習うことでも知らない(忘れている)こともたくさんあるが,息子より知っていることもたくさんある。
2015-09-29 07:25:55ただ(学者とか専門家でなく)「知識人」と呼ばれる人というのは「まんべんなく幅広くいろいろ知っていること」が期待されるのかもしれないが,そういう人はもう必要ないと国が決めたのが教養解体であり文系廃止なんだと思う。
2015-09-29 07:27:52「事前の文献講読も授業外でのリポート執筆もほとんど課さない講義中心の授業を、週に十何種類もこまぎれに履修すること」は本当に「弱点」なのかな。/スーパーグローバル大「外国人教員等」 実態は経験浅い日本人 苅谷剛彦・オックスフォード大教授 nikkei.com/article/DGKKZO…
2015-09-29 07:45:21むしろ、ここ20年ほど、米国の大学教育業界では日本などのゼミ制度みたいな教育モデルを参考に教育改革が行われてきたわけで、「一長一短」だと捉えるほうが合理的なのでは。
2015-09-29 07:50:51「ゼミ制度」+「米英式の科目運営」でいいところどりをしようという話かもしれないけど、少なくともいまの人件費では実際の制度設計は難しいだろうなあ。
2015-09-29 07:52:47これがまた微妙なのは、教養部の解体を望んだのは教員(の一部ないしは多数)であったということである。専門部の教員はもちろんそれを望む者が多く(早期の専門教育の開始が大学の教育水準の向上をもたらすと信じられていた)、おそらくは教養の教員の一部もそれを望んだ(地位が低かったので)。
2015-09-29 08:08:46