「無法松の一生」(1958)を見て

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伝左衛門 @yumiharizuki12

「無法松の一生」って「シラノ・ド・ベルジュラック」に似た話だな。好きなんだけれど告白できないまま一生尽くす話。 シラノの場合は醜男だから面と向かって好きと言えないという設定だが、こちらは「身分違いの恋」。

2015-10-03 19:18:43
king-biscuit @kingbiscuitSIU

@yumiharizuki12 それ、「富島松五郎伝」に対して好意的な評価をした当時の文化人インテリ系な人がたの基本的な認識&評価枠組みだったようで。あと「サイラスマ-ナー」とかも。(シラノはまだしも、こっちは個人的にゃ(゚Д゚)ハァ?……ではあります、正直言うて)

2015-10-03 19:21:47
伝左衛門 @yumiharizuki12

BS録画で三船敏郎版(1958)を見てるが、監督は名高い坂東妻三郎版(1943)と同じなんだね。名作だが、今時「身分違いの恋」と言ってもピンとこないだろう。だいたい、エリートの寡婦なるものが今は存在するのか。乱暴者の車夫なんて、今ならトラック運転手のイメージ?

2015-10-03 19:25:55
伝左衛門 @yumiharizuki12

@kingbiscuitSIU 当時の知識人は「シラノに似てる」といって褒めたんですかw

2015-10-03 19:27:13
king-biscuit @kingbiscuitSIU

@yumiharizuki12 同じ稲垣浩で戦前阪妻版でカットされたりした鬱憤晴らしのリベンジだったようで。あの吉岡夫人の設定も原作ではもう少し現実的というか、どういう家の出身でどうして軍人の嫁になったか、なども描かれてはいたんですが。

2015-10-03 19:28:28
伝左衛門 @yumiharizuki12

@kingbiscuitSIU 戦前はやっぱり「帝国軍人と車夫ごときの恋愛などありえん」ですかね。

2015-10-03 19:30:21
king-biscuit @kingbiscuitSIU

@yumiharizuki12 てか、そもそもあれは「恋愛」として読まれる&解釈されるかどうか、ってのも、文化人インテリバイアスあってのことだったと思うてます。

2015-10-03 19:32:36
king-biscuit @kingbiscuitSIU

@yumiharizuki12 「検閲」伝説が過剰に意味づけを規定しちまった戦後、ってのもあるように思うてます。佐藤忠男などそのへんから発信されていった自明の空気、なども含めて。ちなみに、初代「ぼんぼん」は子役の長門裕之であります。

2015-10-03 19:35:02
伝左衛門 @yumiharizuki12

@kingbiscuitSIU 恋愛でなければいったい何が面白いんですか?w 戦前大ヒットしたのはやっぱり「恋愛ドラマ」だったからではないんですか?

2015-10-03 19:35:06
king-biscuit @kingbiscuitSIU

@yumiharizuki12 いや、その「大ヒット」ってのもかなり……インテリ文化人的枠組みがあって初めて「恋愛」と解釈され得るわけで。でも戦時中封切り時はそんな解釈は決して一般的とは言えなかったみたいです。

2015-10-03 19:36:09
伝左衛門 @yumiharizuki12

@kingbiscuitSIU 当時の大衆は何が面白くて見たのでしょうか? 祭とか喧嘩とかですかw

2015-10-03 19:37:44
king-biscuit @kingbiscuitSIU

@yumiharizuki12 「大衆」、少なくとも都市部で映画を観るような「趣味」から遠かったその他おおぜいにとっては、基本的に(゚Д゚)ハァ?な物語だったようなフシがありますね。舞台化して勤労動員の工場を巡演した新劇の苦楽座も喜ばれたという感じではなかったようで。

2015-10-03 19:39:54
伝左衛門 @yumiharizuki12

@kingbiscuitSIU エリート未亡人に対し労働者が一生片思いし続けるなんてのはピンと来ない、というのが大衆の捉え方でしょうか。 もちろん今でも「無法松の一生」を語るのはインテリだけでしょうし。

2015-10-03 19:43:21
king-biscuit @kingbiscuitSIU

@yumiharizuki12 まず原作を読んで、あ、恋愛だこれは、と思えるかどうか、というのが最初の分岐点だったと思います。伊丹万作の脚本がそういうバイアスありきで決め打ちしてますし、稲垣浩も全くそれとシンクロしてますね。

2015-10-03 19:46:44
伝左衛門 @yumiharizuki12

「天はすべて許し給う」だろう。実は「無法松」を見ながら最初に連想したのはこの作品。 ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A9… ダグラス・サークの最高傑作と言えば? detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_de… #知恵袋_

2015-10-03 19:48:59
king-biscuit @kingbiscuitSIU

@koichi_toya @yumiharizuki12 それ、存じませんが、たとえばジャンレノの「レオン」とか、少年を少女にして少年に対する「父性」的ニュアンスを一気に変換しちまえば命脈は今でも途切れずに、な感じはありますね。

2015-10-03 19:51:26
伝左衛門 @yumiharizuki12

「天はすべて許し給う」はアメリカ西部のエリート未亡人と庭師の身分違いの恋。労働者階級との恋愛なんてあり得ない、と社交界から白眼視される場面がある。「無法松」でも「松五郎は後家を狙ってるんじゃないか」「そんなバカな」という問答がある。

2015-10-03 19:58:36
king-biscuit @kingbiscuitSIU

@yumiharizuki12 原作およびその創作時のメモなんかでは、「おんなぎらい」としてはっきり設定されてますね、無法松のキャラは。木賃宿の仲間が女郎買いに誘っても不機嫌そうに断るとか。

2015-10-03 20:01:25
伝左衛門 @yumiharizuki12

「天はすべて許し給う」は何回もリメイクされており、設定変更が世相の変化を反映している。今の人は白人同士の身分違いの恋ではピンと来ない。そこで、「不安と魂」(1974)では相手が黒人に。さらに「エデンより彼方に」(2002)ではエリート旦那がいい年をしてホモに目覚めるという設定w

2015-10-03 20:06:47
伝左衛門 @yumiharizuki12

よく見たら三船敏郎版(1958)はヴェネチア映画祭で金獅子賞を獲ってるんだ。欧米の映画人は「日本のシラノ・ド・ベルジュラック」と思っただろうね。ja.wikipedia.org/wiki/%E7%84%A1…

2015-10-03 20:25:22