日本の子育て

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丹治吉順 a.k.a.朝P, Tanji Yoshinobu @tanji_y

(1)「社会環境が悪い発展途上国で出生率が日本より高いのはなぜ?」というRTが流れてきました。発展途上国の実情は調べたことがありませんが、日本の歴史からいうと、社会環境が劣悪な昔の方が子どもはたくさん生まれていました。当時、子どもは労働力であり、多い方が生活を支えられたのです。

2015-10-03 20:00:22
丹治吉順 a.k.a.朝P, Tanji Yoshinobu @tanji_y

(2)日本に限らず、経済的に貧しい状態から豊かな状態に移行するにつれ、多産多死(多く産んで多く死ぬ)→多産少死(多く産んで少なく死ぬ)→少産少死(少なく産んで少なく死ぬ)という経過をたどります。その過程で、子どもは労働力から、コストをかけて育てるものという意識に変わっていきます。

2015-10-03 20:05:17
丹治吉順 a.k.a.朝P, Tanji Yoshinobu @tanji_y

(3)江戸時代の日本では、計算外に生まれてしまった子どもを殺したり、売ったりするのは、一部の例外を除き「誰でもやっていること」でした。そうしなければ、親が生きていけない。経済発展につれ、子どもの人権が認められ、大人側の意識も変わり、「大事に育てるもの」と変化してきました。

2015-10-03 20:10:37
丹治吉順 a.k.a.朝P, Tanji Yoshinobu @tanji_y

(4)繰り返しますが、今の発展途上国のことは知りません。少なくとも日本や西欧の過去の経緯を見る限り、子どもは家族を支える労働力として期待された上に、病気や飢えで簡単に死ぬので、親は子どもをたくさん産んでいたのです。今の日本の子育ての問題とは、社会の前提条件が全く違うのです。

2015-10-03 20:15:41
丹治吉順 a.k.a.朝P, Tanji Yoshinobu @tanji_y

(5)私が「お金より心」とか「たかが電気」とかいった言辞に強い違和感を覚えるのは、子育てのこうした悲惨な歴史を調べてきたことが影響しています。発達した医療、十分な栄養ほか、さまざまな福祉支援がなければ、子どもはいとも簡単に死にます。それを支えるのは経済的豊かさなのです。

2015-10-03 20:26:21
丹治吉順 a.k.a.朝P, Tanji Yoshinobu @tanji_y

@taiaraky 「栄養的に十分か」「信頼できる医療体制があるか」「いざというときにシッターなどを頼めるか」など、「豊かさの絶対的な面」も多々あると考えます。

2015-10-03 20:25:03
丹治吉順 a.k.a.朝P, Tanji Yoshinobu @tanji_y

(6)江戸時代の越後では、女児を上州の飯盛り宿に売るのが習慣でした。飯盛り宿とは売春宿。10歳かそこらで売られ、売春させられ、性病や衰弱で20歳少しで死んでいったようです。それでも当時の経世学者は「越後の子売りは情け」と書きました。他の地域では、子殺しが蔓延していたからです。

2015-10-03 20:32:51
丹治吉順 a.k.a.朝P, Tanji Yoshinobu @tanji_y

(7)そうした「子どもの人権など皆無」という状況の上で成立していたのが、昔の日本の「子沢山」でした。今とは全く違うのです。ちなみに日本の場合、多産多死から多産少死に移るのが今の70~80歳前後の世代あたりから。兄弟姉妹がたくさんいる世代ですね。そこから少産少死へと移っていきます。

2015-10-03 20:37:11