◇黄昏町と私◇その７
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RiverInWestern
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鹿奈しかな a.k.a SS
@RiverInWestern
[町]「魂が残りあと1つなんだ、頼む、頼むよ…」細い手足の怪物が、若い男の声で君へ縋る。《願いを聞き男に戮されるなら死亡【魂-1/異形『獣足(探索+1、力+1)』を入手】、男を戮すなら【魂+1】》 #黄昏町の怪物 shindanmaker.com/541547
2015-10-05 00:01:44
鹿奈しかな a.k.a SS
@RiverInWestern
町を歩いていた私は、前方からふらふら歩いてくる怪物を見つけて足を止めた。向こうも私を見つけたのか、やたらと細い手足を動かしてこちらに向かってくる。私は首を傾げ、その様を見守った。まあ、少なくとも今は殺意がなさそうだし、話くらい聞いてやってもいいだろう。1 #4215tk
2015-10-05 20:36:19
鹿奈しかな a.k.a SS
@RiverInWestern
「こんにちは！」挨拶を投げかけてやると、私の元にやってきた怪物は驚いたように目を丸くした。「こ……こんにちは」若い男の声で言葉が返ってくる。おお、まだ人の言葉は話せるのか。これは運がいい。……少なくとも、向こうにとっては。「なんだか大変そうですね」2 #4215tk
2015-10-05 20:39:27
鹿奈しかな a.k.a SS
@RiverInWestern
話題を振ってやると、怪物の目に涙が溢れてくる。あー、相当追い詰められてたパターンだなこれは。「そ、そう、そうなんだ。殺されてばっかりで、俺、もう」「あーわかります。大変ですよね殺されるの」『そんな軽く流すような話題じゃないでしょ……』明里ちゃんの呟きが聞こえる。3 #4215tk
2015-10-05 20:42:18
鹿奈しかな a.k.a SS
@RiverInWestern
「な、なあ。あんた強いんだろ？魂、いっぱい持ってるよな？」「……はい？」「俺はダメだ。魂が残り一つなんだ、頼む、頼むよ……」怪物が縋りついてくる。私はといえば、そいつの言葉の意味がわからず疑問符を浮かべるしかなかった。なんだよ魂って。数えられるのかそれ。4 #4215tk
2015-10-05 20:45:05
鹿奈しかな a.k.a SS
@RiverInWestern
「ええと……具体的にその、魂？渡すにはどうしたらいいんですか」「その、殺されてもらうしか」なんだそれは。「……くだらない嘘で騙そうたって、そうはいきません」「え、いや、ちが」怪物が言い訳をするより早く、私はそいつの首を刎ねた。首を蹴飛ばし、先へ進む。5 #4215tk
2015-10-05 20:48:04
鹿奈しかな a.k.a SS
@RiverInWestern
八十四日目終了！ 慈悲はない。魂＋１ 異形：牙・蛇髪・竜尾・三ツ目・火玉（火耐性） 【魂31/力10/探索4】 【道具：犬笛】 【■怒哀楽】 #4215tk
2015-10-05 20:49:07
鹿奈しかな a.k.a SS
@RiverInWestern
[町]身の丈ほどの岩がずるずると君に近付いてくる。「寂しいんだ…一晩でいい、一緒にいておくれよ…」《岩の願いを聞くなら君は安全な寝床を得る【魂+2】》 #黄昏町の怪物 shindanmaker.com/541547
2015-10-06 00:02:43
鹿奈しかな a.k.a SS
@RiverInWestern
ぼんやりと町を歩いているうちに、また郊外に辿り着いてしまった。「歩いてみると狭いもんですね……」『……いや、あてもなく歩いてるからじゃないかと思うけど』明里ちゃんの鋭い指摘が光る。いや、鳥居を探してはいるんだよ。見つからないだけで。「むー……うん？」6 #4215tk
2015-10-06 19:21:18
鹿奈しかな a.k.a SS
@RiverInWestern
辺りを見回していた私はふと三ツ目を凝らす。あの岩。なんだか妙な光を纏っているような。……いや、三ツ目の力でそう見えるんだな。しかしあれ、もしかして……「鉱さん？」びくり、と身の丈ほどの岩が揺れる。にゅっ、とその側面から女の顔が突き出てきた。「バレ、ちゃった」7 #4215tk
2015-10-06 19:24:08
鹿奈しかな a.k.a SS
@RiverInWestern
はにかむように笑う彼女に、私は気兼ねなく近づいた。もはや顔馴染みを超えて友達のようなものだ。相変わらず変わっていないようだし。「お久しぶりです。元気ですか」「うん……おかげ、様で。君も、元気そうだね。少し、変わってしまったように見えるけど」「私は私ですよ」8 #4215tk
2015-10-06 19:27:10