【なぜチーズにはドラッグと同じ依存性があると報道されるに至ったか?】
【なぜチーズにはドラッグと同じ依存性があると報道されるに至ったか?】 昨日、私は「メディアが曲解した」と結論づけました。 しかし、再度情報を精査したところ、トンデモ科学者も一枚嚙んでいることが分かりました。
2015-11-04 17:53:16恐れ入りますが、本記事は、フードファディズムに警鐘を鳴らす【チーズの依存性を例に】togetter.com/li/895226 の続きとなりますので、未読の方は上記のまとめをご覧頂いた上で当記事を読んで頂ければ、と思います。
2015-11-04 17:55:24先日、私は『チーズには依存性がある』というニュースを「irorio.jp」より入手しました。 その後、いくつかのニュースサイトを検索し、ライブドアニュースに一つの情報を見つけました。(URL)news.livedoor.com/article/detail…
2015-11-04 17:58:45チーズ依存症の鍵となるのはカゼインと呼ばれるタンパク質。チーズから発見されたカソモルフィンと呼ばれるアヘン様物質を放出します。Physicians Committee for ResponsibleのNeal Barnard博士によるとチーズは「乳製コカイン」だとのこと。
2015-11-04 18:00:36この部分が鍵で、『Neal Barnard博士』は、Which Foods May Be Addictive?(URL)ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/P… の論文を発表したミシガン大学の研究者とは何の接点もありません。
2015-11-04 18:03:24では、『Neal Barnard博士』とは何者なのか? 私は『Physicians Committee for Responsible』のサイトを調べました。 (URL)pcrm.org
2015-11-04 18:05:38『Physicians Committee for Responsible』の解説には、A non-profit organization that promotes preventive medicine, encourages higher standards
2015-11-04 18:06:59for ethics and effectiveness in research, and advocates broader access to medical services と記載されていました。
2015-11-04 18:07:22(新薬たん訳) NPO団体。予防医学、高い倫理性を持つ医師の団体。 『Neal Barnard博士』はこの団体の設立者でした。 (URL)pcrm.org/media/experts/…
2015-11-04 18:11:43『Neal Barnard博士』は動物実験反対、ヴィーガン食推進、を主張している人物でした。 (URL)en.wikipedia.org/wiki/Neal_D._B…
2015-11-04 18:15:14ヴィーガン食とは何か? 『動物製品の使用を行わない生活様式である。』 Wikipedia:ヴィーガニズムより抜粋 (URL)ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%B4…
2015-11-04 18:17:04次に、私は『Neal Barnard博士』が発表した論文79報全ての表題に目を通しました。 その論文の中で、『チーズないしは牛乳がオピオイド様作用を示し、依存性を形成する』という研究は一つもありませんでした。
2015-11-04 18:21:18Acceptability of soymilk as a calcium-rich beverage in elementary school children. 豆乳は小学校の生徒に勧められる。 (URL)ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16567156
2015-11-04 18:24:28@ShinHiroi 細かいですが,小学生は「児童」ですー(*´ー`*) 中学生・高校生が「生徒」っす(・ω・)ノ
2015-11-04 18:26:54Animal research is wasteful and misleading. 動物実験は無駄であり、(研究者を)ミスリードさせる。 (URL)ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/9000765
2015-11-04 18:26:05Usefulness of vegetarian and vegan diets for treating type 2 diabetes. 菜食主義並びにヴィーガン食は2型糖尿病治療に有効である。 (URL)ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20425575
2015-11-04 18:29:22海外のサイト、『The Telegraph』でも、『Cheese is addictive as drugs, study finds』チーズはドラッグに匹敵する依存性を持つ、と扇情的な見出しで記事になっていました。 (URL)telegraph.co.uk/news/worldnews…
2015-11-04 18:33:23『The Telegraph』サイトに『Neal Barnard博士』のインタビュー動画が載っており、動画の19分~21分辺りのところで、『Neal Barnard博士』は「チョコレートはオピオイドの様な作用がある」と述べていました。 チーズについては一切言及がありませんでした。
2015-11-04 18:36:33(私見)『アヘン様物質』、「乳製コカイン」という言葉にも疑義があります。どちらも依存性を持ちますが、薬理作用は正反対だからです。
2015-11-04 18:38:30(私見) 『アヘン様物質』であれば、オピオイド受容体に作用し、鎮静、多幸感をもたらします。(いわゆるダウナー系ドラッグ)。 「乳性コカイン」であれば、ドパミン、ノルアドレナリン、セロトニン輸送体の阻害効果を持ち、覚醒作用と興奮が起こるはずです(いわゆるアッパー系ドラッグ)。
2015-11-04 18:42:37『結語』 完全に新薬たん個人の考えですが、 ①ミシガン大学の研究者らが『精製された食品は生の食品よりも嗜好性が高い』という論文を発表する。 ②ヴィーガン食を推進する『Neal Barnard博士』が、仮説のみで「カゼインには依存性がある」と発言する。
2015-11-04 18:46:31③メディアが、①と②を混同して、研究者ら(ミシガン大学のグループと、『Neal Barnard博士』)によると「チーズには違法ドラッグ並の依存性があり、それはカゼインによる」と発表する。 こういった流れで情報が流布されたのだと思います。
2015-11-04 18:49:48『Neal Barnard博士』が一番の問題人物で、「科学的な証拠も無いのに、自分の仮説をさも『実験で証明された事実』であるようにミスリードした」 ことが今回の騒動の発端と言えるでしょう。
2015-11-04 18:52:52