【痴漢を目撃した男性の心境の変移】から考察する私たちが強く縛られている暗黙のルール

ジロウ @jiro6663

以前にどこかの社会学の先生が「さっき痴漢を目撃した。”なぜ人は痴漢を目撃しても声を上げられないのか”を痛感した」と、痴漢の現場に居合わせている間の自分の心境を克明かつ誠実に事後実況していてうならされたことがある。あれは凄かった。→

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【痴漢を目撃した男性の心境の変移】 ①痴漢を目撃 ②犯人への怒り ③「少し遠いけど声をかけよう」 ④満員電車内で騒動を起こすことへの心的抵抗に気づく ⑤近くの人が気づいてくれないか ⑥ひたすらジリジリする ⑦「なぜ君が声を上げないのか」と被害者を責める気持ち たしかこんな。

ジロウ @jiro6663

本人がいちばん驚いたのは、平時はそんなこと思ったこともないのに被害者を責める気持ちが自分の中に生じてきたこと。いったいあの気持ちは何だったんだと職場に到着してすぐ、混乱したまま怒涛のツイートをされてた。

ジロウ @jiro6663

「なぜ自分は声を上げられなかったのか」と自問していた彼が感じたのは車内を支配する暗黙のルール。犯罪の摘発や弱者の救済ではなく、「満員電車内では静粛にしていなくてはいけない」ということ。

ジロウ @jiro6663

「満員電車内では静粛にしなくていけない」という暗黙のルールの前にあらゆる倫理が押しつぶされてしまうし、平時はそれほど意識していることでもないのに実は自分たちはこのルールに芯から強く縛られているということ。

ジロウ @jiro6663

僕自身は痴漢の問題を考えるときは「男が」「女が」とか「性欲が」とかではなく、あの空間の特殊さにこそとっかかりがあると思っていたので、声を押しつぶす暗黙の車内ルールの強力さの指摘はまさに痴漢をめぐる問題の核心だと思った次第。

ジロウ @jiro6663

祭りなど非日常的空間をめぐる議論でよく言われることだけど、満員電車内は他の日常場面ではありえない状況になる空間なのだから、他の日常とは違う倫理やルールが支配してしまう空間なのだということ。そしてこのルールの拘束力は自分たちが意識する以上に強力であるということ。

ジロウ @jiro6663

日本の電車内がもっとみんなが自由に私語をしたり、日常の他の場面に近い状況（もちろん物理的にはそれが可能な”混み具合”であることもふくめ）であったとしたら、もしかしたらもっと「痴漢やめろ！」と声を上げやすいのではないかとか。

ジロウ @jiro6663

「人」ばかり見つめすぎて煮詰まった問題は、一歩引いて、状況や環境、仕組みに目を向けるのがとても大事なので、やっぱり痴漢問題をなんとかしようとすると、あの異常な空間のあり方をどう変えられるかというところから見るべきだと思っています。

ジロウ @jiro6663

たとえば鉄道会社を集団訴訟で追い込むというのがいちばん現実的かと考えてますが。鉄道会社は「わかってない」とかよく言われてますが、絶妙に問題の所在を（加害者、被害者ふくむ）乗客に還元するスタンスは一貫してるんで、うまく責任が空間管理者に回ってこないように立ち回ってますよね。

ジロウ @jiro6663

車内カメラ設置がなぜか進まないとかよく言われますが、ヘタに本格的な対策に乗り出してしまうと責任の所在が明確になってしまうから手を出せない、、、という大人の事情もあるんじゃないかなとか勘ぐってみたり。

ジロウ @jiro6663

そもそも満員電車の状況って明らかに過積載で、しかしあれだけ載せないと「社会が回らない」のも事実なので、本格的に車内の状況への管理責任を明確にしてしまうと芋づる式に日本の交通インフラや都市政策の問題とか出てきちゃうから、わりとパンドラの箱だったりするのかなとか。

ジロウ @jiro6663

そんなこんなで上手く乗客同士に喧嘩させておいて、じわーっと責任者が逃げようとしてるのが腹立たしいわけです。

ジロウ @jiro6663

痴漢冤罪の被害者あたりが鉄道会社を訴えるとかの展開になるといいのかなあ。アメリカみたいに企業に対して懲罰的に多額の賠償金を課すような法文化は日本にはないか。