読み切り掲載の過程を省いて連載できる裏サンデー(web漫画)の魅力

裏サンデー&マンガワンの石橋和章編集長の体験談や裏サンデー(web連載)の魅力をまとめました。 ※石橋編集長の貴重な話が大変面白いのでまとめましたが発言を悪意で捏造して誤解を招きアクセス稼ぎなどをするつもりはございません。 まとめを読んだ井田ヒロト先生の感想を加えました
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石橋和章(漫画編集者) @mikunikko

連載枠は紙と違って、制限無いのでいくらでもある。アプリ収益のおかげで、原稿料もまだまだ余裕がある。だから、可能性を感じる作家にはどんどん連載をさせる。連載が失敗してもいい。すぐに2作目、3作目にトライすればいい。週刊が無理なら隔週、最悪月刊もやむなし。とにかく連載を試す。

2015-11-09 09:30:26
石橋和章(漫画編集者) @mikunikko

なぜなら僕は連載作家になることが何よりも作家を成長させることだと思うからだ。もちろん全作品の単行本は出せない。編集部としても単行本が出せない作品は原稿料の持ち出しになる完全な赤だからだ。しかし、何年も何年も作家に試しの読み切りをかかせ、その多くを潰していく従来のシステムに比べれば

2015-11-09 09:34:38
石橋和章(漫画編集者) @mikunikko

金銭的リスクも、時間的リスクも作家、編集部、双方にとってはるかに少ないと思う。だから他誌で読み切り&連載コンペが通らなくてくすぶっている人は、マンガワンに来ればい。少年、少女、青年、女性、BL、アプリ審査が通る程度のエロ漫画なんでもありだ。ジャンルは不問。とりあえず連載して頂く。

2015-11-09 09:39:31
石橋和章(漫画編集者) @mikunikko

約束してもらうのは例え連載がこけても次の連載もやってもらう事。もちろん連載した結果、自分に向いてないと去ることはしかないが、出来れば再挑戦してもらいたい。大作家の多くが打ち切りなんて何度もくらうからだ。現在編集部に全く人的な余裕が無く、持込は受付てないが、トーナメント参加を是非。

2015-11-09 09:45:18
石橋和章(漫画編集者) @mikunikko

頭が痛い編集部の人員不足問題もようやく方がつきそうだ。古い出版社の体質上、人事異動が容易ではなく各種規定で外からのスタッフ募集も出来なかったのだが、ようやく調整がついた。近々マンガワン、集まらなければ転職サイトで募集する。良い編集と運営スタッフが増えればもっと凄い事が出来る。

2015-11-09 09:54:40
石橋和章(漫画編集者) @mikunikko

僕の中で良い編集とは、どんどん連載が起こせる編集だ。例え他所では才能が無いと思われた作家でも、その人の中の光るものを見出し連載させてヒットさせることが出来る編集者だ。もちろん、他誌やネットから引っ張ってきてもいい。しかし、過去の雑誌の体質だと中々そんな編集は育たない。なぜなら、、

2015-11-09 09:57:27
石橋和章(漫画編集者) @mikunikko

編集者が読み切りばかり作るのに躍起だからだ。サンデー時代、新人編集は3年以内に連載を起こせと指導されていた。何十人も持込作家や投稿作家の担当について、より大きな賞を取るべく頑張る。3年以内にようやく1本連載出来ればおめでとうと。大部分の新人作家は消える。その連載も多くは打切りと。

2015-11-09 10:03:34
石橋和章(漫画編集者) @mikunikko

そんな編集者の多くはは作家と読み切りを作るのは上手でも、結局連載が起こせない。起こしても回せない。回せてもヒットさせられない。なぜなら作家も連載を立ち上げる経験が絶対的に足りないからだ。そしていい歳になったヒットが出せないまま編集は、どこかに移動していく。

2015-11-09 10:07:54
石橋和章(漫画編集者) @mikunikko

逆にマンガワンの編集は3年以内に1本どころか、1年以内に最低5本は連載起こす。3年以内には何本かヒット作も出せる編集に育つ。彼らは読み切りを作家と作る力は無いが(というか試してもいないが)、連載担当編集としての力が育つ。立ち上げた経験数が違うからだ。

2015-11-09 10:11:37
石橋和章(漫画編集者) @mikunikko

このようにマンガワンでは作家、編集共々、何度でも連載を立ち上げることで成長してもらう。全出版社の作品を載せる電子書籍サイトの台頭でもはや出版社&雑誌別のブランドは価値が無くなりつつある。だからこそ、あらゆるジャンルの作品の連載をマンガワンは試す。すべての作家が集える場所を目指す。

2015-11-09 10:20:50
石橋和章(漫画編集者) @mikunikko

スクエニ時代、例のお家騒動の影響で僕は入社数ヶ月で新連載を5本も起こす事を要求された。抱えてる作家は他誌では賞を取るか取らないかの新人作家とネットで見つけた作家さんだけ。それでも無理矢理連載させた。自分も作家も経験値はほぼ0。だかやるしかない雑誌のスペースがうまらないからだ。

2015-11-09 10:28:09
石橋和章(漫画編集者) @mikunikko

自分も未熟でその時の作品は全て打ち切られたがその時の作家さんの多くが今でも漫画家として活動している。今では大作家の中村光を始め、宮条カルナさんやはその5人の2人だ。その経験があって編集3年目で出会ったのが大高忍や井田ヒロト、筒井哲也、高津カリノ等の作家に出会った。

2015-11-09 10:35:02
石橋和章(漫画編集者) @mikunikko

もちろん上手くいかない連載もあったし、上手く行ったそれらの作家さん達にもかなり迷惑はかけたが、それでも早い段階で連載立ち上げを経験してたからこそのサポートが出来たと思う。その後サンデーに転職してからは逆に苦しかった。読み切りを作る事を要求されたからだ。

2015-11-09 10:39:05
石橋和章(漫画編集者) @mikunikko

僕には新人作家と読切を作る経験値が無かった。すでにそれなりの歳の編集者にもかかわらず。読切を作る事に未熟な僕は作家を疲弊させた。なんとか始めた連載も上手くいかない。作家が読切脳になっている。度重なる読み切りの没で僕との関係性も悪くなっている。僕は読み切り作品を上に出すのをやめた。

2015-11-09 10:46:27
石橋和章(漫画編集者) @mikunikko

幸い若木さんや大高さんの連載が上手く行って読切コンペに参加しなくても何も言われなかった。その頃、僕は新都社作家に夢中になっていた。なんだ担当編集なんか付かなくても読切作ってなくてもみんな立派に連載してるじゃんと。そこから始まったのか裏サンデー、そして連載投稿トーナメントだ。

2015-11-09 10:50:04
石橋和章(漫画編集者) @mikunikko

マンガワンが目指しているのは全ての漫画家さんと編集者にとって理想的な場所になる事。そうなれば面白い漫画が沢山載って読者にとっても理想的な場所になる。もちろん、まだ僕はチームマネジメントの経験も、組織を、動かす権限も足りないがやるだけやる。

2015-11-09 10:57:16
石橋和章(漫画編集者) @mikunikko

もう担当編集としてやれる余裕は殆どない。辛うじてマギとシンドバッドはやっているが。その代わり作家と部下の打ち合わせには時間許す限り参加する。全ての連載ネームは読んでいる。今はそんな感じ。余裕が出来たらまた現場やりたいけど、そのころは僕なんかかなわない漫画編集者で溢れてるだろうなあ

2015-11-09 11:03:31
石橋和章(漫画編集者) @mikunikko

長々とすみませんでした。とにかくマンガワンとマンガワン連載投稿トーナメントをよろしくお願いします。Pixivで近々少女漫画の賞もやりますよ。そっちは矛盾するようですが読み切りです(笑)少女漫画はオムニバスという形があるので。読み切りでも本にしやすいからです。

2015-11-09 11:08:26

まとめを読んだ井田ヒロト先生の感想

井田ヒロト(グンマ在住) @h_ida

以前お世話になった編集者の発言まとめ。色々考えるところがあった。 "@ginji111: 「読み切り掲載の過程を省いて連載できる裏サンデー(web漫画)の魅力」をトゥギャりました。 togetter.com/li/897809"

2015-11-10 00:03:41
井田ヒロト(グンマ在住) @h_ida

確かに新人であるほど、読み切り漫画に注力する時間と情熱はもったいないと思う。最初から連載のスキルのみを鍛えた方がプロ漫画家として食べていくには近道だし、編集も育つだろうと思う。連載立ち上げスキルの無い編集は普通にいる。

2015-11-10 00:08:42