その時、ド・ゴールは憲法を跳び越えた~「国民の声」で憲法に対峙したフランスの例(井上武史氏の論考を中心に)

ほぼ1カ月前のツイートです。その当時からまとめたいと思っていましたが、やりこそねていました。 いま、まとめを行うのは基本、偶然ですが、くしくも本日、軍政下で定められ外から見ると種々の問題があるように見える憲法の下で選挙に大勝したミャンマーのアウンサン・スーチー氏が、その憲法に対してどう対峙するのか?に注目が集まっています。そことの関係も、ちょっと念頭に置きました。さらにスペイン・カタルーニャの独立と憲法の関係も…
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Gryphon(INVISIBLE暫定的再起動 m-dojo) @gryphonjapan

サムネイル反映用に、写真を冒頭に入れておくです(さしかえ) その時、ド・ゴールは憲法を跳び越えた~「国民の声」によって憲法に対峙したフランスの例(井上武史氏の論考を中心に) - togetter.com/li/898818 pic.twitter.com/iUfcvSf2fp

2015-11-12 07:41:36
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Gryphon(INVISIBLE暫定的再起動 m-dojo) @gryphonjapan

サムネイル反映されるよう、写真を冒頭に入れておくです。 その時、ド・ゴールは憲法を跳び越えた~「国民の声」によって憲法に対峙したフランスの例(井上武史氏の論考を中心に) - togetter.com/li/898818 pic.twitter.com/DN74X9jwg7

2015-11-12 07:38:06
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α @snjiru7

@inotake77 橋本基弘氏が「憲法は、立憲主義の考え方を実現するルール」といくら言ってみても、井上武史憲法学によればしょせん「立憲主義」概念は憲法の性質を判定する概念にすぎず、為政者が憲法を無視して政治を行うのは単なる憲法違反であって、立憲主義とはなんの関係もない。

2015-10-02 17:08:35
Kareem Abdul-Ken @KenYurufuwaNBA

立憲主義をどう捉えるか学説は多岐にわたるところ、井上武史は自分と異なる理解をする人を「分かっていない」と評しておきながら、後に同様の学説の存在を指摘されたら「考え方は人それぞれ」と言い出すあたり、学者の権威だけで喋っているとしか。@shinjir7 @inotake77

2015-10-02 17:15:05
α @snjiru7

@kaibarakenei ほんとに、そう思います。

2015-10-02 17:18:09
Kareem Abdul-Ken @KenYurufuwaNBA

井上武史は私に対しても「素人だから分からないのは仕方がないけど...」と、学者の権威をアピールしていた。また最高裁元長官の意見を参照するのは無関係な権威づけだとネガキャン。どうも、権威というものに酷く敏感なお人らしい。@shinjir7 @inotake77

2015-10-02 17:19:16
井上武史 Takeshi INOUE @inotake77

かつてド・ゴール仏大統領は憲法改正手続を無視して直接国民投票を通じた憲法改正を試みましたが提訴を受けた憲法院は国民投票の結果は国民主権の表明であるとして判断せず「違憲」の憲法改正が実現しました。ですが立憲主義違反との批判は見ません。 twitter.com/shinjir7/statu…

2015-10-02 17:20:33
井上武史 Takeshi INOUE @inotake77

そもそも「立憲主義に違反する」は外国語にどう訳すのでしょうか。ご存知でしたらご教示ください。私が勉強したフランス憲法学でそのような趣旨の文章をみたことがありませんので。 twitter.com/shinjir7/statu…

2015-10-02 17:42:16

一部、関連しています。

『「立憲主義違反」と「憲法違反」の区別が理解されていない』~憲法学者・井上武史氏らのツイートから - Togetterまとめ http://togetter.com/li/880821

井上武史 Takeshi INOUE @inotake77

アメリカでは同性婚が最高裁の判決で認められましたが、フランスでは法律で実現しました。こうして見ると判例の国と法律の国というそれぞれの国柄が表れているような。もちろん、他の要因もあるでしょうが。

2015-10-09 17:05:48
井上武史 Takeshi INOUE @inotake77

逆に、クロアチアでは憲法改正によって同性婚が禁止されましたね(2013年)。約66%の人が同性婚に反対したそうです。

2015-10-09 17:56:31
井上武史 Takeshi INOUE @inotake77

憲法改正のハードルは統治者が頑張れば乗り越えられるくらいに設定するのが合理的な仕組みだと思います。ハードルがあまりに高ければ迂回されるか、最悪の場合は権力によってハードル自体が壊されるでしょう。1962年にドゴールがやったのは後者。権力とはそういうもの、という認識も必要でしょう。

2015-10-09 23:59:53
井上武史 Takeshi INOUE @inotake77

その意味で、事の良し悪しは別とすれば、政府が憲法改正でなく、内閣法制局長官人事への介入、閣議決定、法律制定というプロセスを選択した主たる原因は、2013年の96条先行改正論の頓挫に求められるでしょう。今回の手法は少なくとも統治者にとっては目的達成のための合理的な選択ではあります。

2015-10-10 00:23:36
井上武史 Takeshi INOUE @inotake77

統治者としては法律を通すだけでこれだけの政治的資源を消費しなければならないのに、それよりはるかにハードルの高い憲法改正を政策実現のための手段として選択することは、最高裁の違憲判決を乗り越えるためなどの事情がない限り考えにくいでしょう。繰り返しますがこれは良し悪しの問題とは別です。

2015-10-10 00:39:01
井上武史 Takeshi INOUE @inotake77

統治者の行為を批判・非難することももちろん大事ですが、われわれの憲法が良い統治システムを備えているかどうかを不断に検証することも憲法学者の役割だと思います。立憲主義はその一つの指標ですが、最近では統治の合理性や迅速性なども課題であるように思います。

2015-10-10 01:14:38

「1962年のド・ゴール」

井上武史 Takeshi INOUE @inotake77

①大統領選挙につき、国会議員・地方議員などによる間接選挙制を改めて、国民による直接公選制を導入するため、1962年ドゴールは正規の改正手続(89条)でなく、法律の国民投票(11条)に関する手続を利用して憲法改正を実現しました。 twitter.com/hiro_orchid_ra…

2015-10-13 10:21:17
hiro @hiro_orchid_ran

@inotake77 62年というのがよく分かりません。第五共和制憲法なら58年制定施行だと思っていました。またドゴールは正規の手続きを踏んだものと理解していました。私の理解の誤っている点をご教示いただけると幸いです。

2015-10-13 01:38:24
井上武史 Takeshi INOUE @inotake77

②その理由は、正規の憲法改正には議会の承認が必要であるところ、直接公選制の導入は議会の権限を縮小するものであるため、議会の承認を得られる見込みがなかったからでしょう。国民投票の結果、ドゴールの憲法改正案は大差で可決されました。

2015-10-13 10:24:22
井上武史 Takeshi INOUE @inotake77

③実現された憲法改正は直ちに憲法院の違憲審査権に付されましたが、憲法院は、国民投票で採択された法律は国民主権の直接の表明であるため、判断権がないとしました。

2015-10-13 10:27:52
井上武史 Takeshi INOUE @inotake77

④なお改正案つき、コンセイユ・デタは事前審査にて憲法違反のおそれがあるとの意見を付しましたが、政権に無視されたことが伝えられています。対抗措置としてコンセイユ・デタが秘密のはずの意見をマスメディアにリークしたため国会で政治問題化し、ドゴールの怒りを買ったとも言われています。

2015-10-13 10:34:06
井上武史 Takeshi INOUE @inotake77

⑤長い伝統をもち一定の独立性や身分保障があるコンセイユ・デタでも政権に袖にされるのですから、あとは言わなくても推し量るべきでしょう。なおコンセイユ・デタがたいていの憲法改正案に否定的な評価を下していたことについては、「憲法院とコンセイユ・デタ」法律時報をご覧ください(宣伝)。

2015-10-13 10:38:38
玉井克哉(Katsuya TAMAI) @tamai1961

民衆の実力によらないものを「革命」と呼び軍隊の実力によらないものを「クーデター」と呼ぶことが許されるのなら、ド・ゴールのやった憲法改変こそ「クーデター」と呼ぶにふさわしいのではないか、と思ってきた。その確信が、ますます深まった。

2015-10-13 10:42:48
玉井克哉(Katsuya TAMAI) @tamai1961

ただ、そうやって概念を拡げてしまうと、「既にクーデターによって憲法が改変されたのだから、憲法学の対象は、その改変後の憲法だ。『八月革命』後の憲法学が根本的に変わったのと同様、クーデター前の憲法は、単なる憲法史の対象に過ぎない」となりかねない。非常に危険な議論だと思っている。

2015-10-13 10:45:35
玉井克哉(Katsuya TAMAI) @tamai1961

そこに主唱者が気づいていないはずはないのだが、そうした結論を呑んでいるとは、とうてい思えない。それに、議論を一貫させようとするなら、危険性は、今回だけでなく、未来永劫に及ぶ。これまで、あまり言及しなかったゆえん。

2015-10-13 10:47:09
井上武史 Takeshi INOUE @inotake77

ミッテランは58年憲法とドゴール体制に反対し著書で「永続するクーデタ」を宣言しましたが、81年に大統領に就任すると強い大統領を定める憲法の恩恵を一番受けました。今ではミッテランから政治責任が曖昧になったと左派からも攻撃される始末。 twitter.com/tamai1961/stat…

2015-10-13 10:53:29