なぜ世界にはいろいろな言語があるのだろうか?

国立民族学博物館で歴史言語学を研究する菊澤律子准教授のまとめツイートです。クラウドファンディングのプロジェクトページはこちら⇨https://academist-cf.com/projects/?id=19
37
菊澤律子 Kikusawa Ritsuko @ReidLili

フィジーで話されているいろいろな方言を比べてフィジーの先史を探るというプロジェクトです。

2015-11-13 15:23:53
菊澤律子 Kikusawa Ritsuko @ReidLili

意外に思われるかもしれませんが、フィジーでは何十という方言が話されていて、発音や単語が違っているだけでなく、文法にもそれぞれ特徴があります。

2015-11-13 15:51:44
菊澤律子 Kikusawa Ritsuko @ReidLili

それぞれの方言がどのように発達したのか、その軌跡を追っています。

2015-11-13 15:53:24
菊澤律子 Kikusawa Ritsuko @ReidLili

まずフィジーの場所は南太平洋。↓ ウィキに位置情報あり。 ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95…

2015-11-14 11:30:30
菊澤律子 Kikusawa Ritsuko @ReidLili

フィジーの地図はこんな感じ。縮尺に注意。小さな島国だと思われているかもしれないけれど、一番大きい島10,388km2だから、四国(18,800km2)の半分より大きいです! worldlanguage.com/Countries/Fiji…

2015-11-14 11:33:50
菊澤律子 Kikusawa Ritsuko @ReidLili

国立国語研究所の方言地図ninjal.ac.jp/publication/ca…を見ると、四国の調査地は43地点になっています。(愛媛のぼっちゃん語と高知の龍馬語だって、ちらっと聞いただけでもずいぶんちがいますよね~。)

2015-11-16 13:51:57
菊澤律子 Kikusawa Ritsuko @ReidLili

ちなみにフィジーといえばココナツに白い砂浜というイメージがあるようですが、一番大きいヴィチ・レヴ島は、高いところでは1000mを超えます。方言は今のところ健在ですが、標準語に押され気味なのも日本語と一緒。 pic.twitter.com/iexSM0uhyU

2015-11-16 14:00:32
拡大
菊澤律子 Kikusawa Ritsuko @ReidLili

とか言われても、実感としてつかみにくいですよね~。というわけで、まずは単語をいくつか拾ってみました。全部、「これ」という意味の単語。上の三つはヴィチ・レヴ島で話されている言語です。右側にカタカナで読み仮名もつけてみました。 pic.twitter.com/3gKsYxpL2S

2015-11-16 20:36:12
拡大
拡大
菊澤律子 Kikusawa Ritsuko @ReidLili

文の例も載せておきましょう。ぜんぶ「あなたの名前は何ですか」という意味ですが、ほら、話されている地域によってずいぶん違いでしょう? pic.twitter.com/NfUGLZPVfI

2015-11-16 20:39:36
拡大
菊澤律子 Kikusawa Ritsuko @ReidLili

で、いったいどんな経緯を経てこんなにいろいろになってしまったのか知りたい! というのがクラウドファンディングに挑戦しているプロジェクトです。

2015-11-16 20:45:01
菊澤律子 Kikusawa Ritsuko @ReidLili

発音がちょっと違ったり、単語が入れ替わったりするのはわかる気もしないでもないけど、文の構造が違うのって、とても好奇心をそそられます。

2015-11-16 20:48:24
菊澤律子 Kikusawa Ritsuko @ReidLili

フィジーの方言データは、一人で集めるのは大変ですが、フィジー在住の専門家ギャラティ先生のデータを使わせていただけることになりました。

2015-11-20 11:30:25
菊澤律子 Kikusawa Ritsuko @ReidLili

まずこのデータをデジタル化しなくてはならず、そのためクラウドファンディング に挑戦中です。データの整理には話者の協力が必要になりますが、現地の学生さんに依頼予定です。つまり、言語の研究方法について勉強している学生さんたちの学費支援にもつながります!

2015-11-20 11:32:40
菊澤律子 Kikusawa Ritsuko @ReidLili

というわけで、10月17日に民博ゼミナールでの講演した「ことばの遺伝子を探る」の内容を公開してみようと思います!

2015-11-21 04:49:30
菊澤律子 Kikusawa Ritsuko @ReidLili

これは、「言語の遺伝子をたどる」ということで、人の先史について知るために、どのようにことばを分析するのか、というお話です。まずその背景ですが、世界では全部でいくつくらいの言語が使われているのか、ご存知でしょうか? pic.twitter.com/3v07jllUi5

2015-11-21 04:52:16
拡大
菊澤律子 Kikusawa Ritsuko @ReidLili

世界で使われているのは約7000言語、そのうち300~400言語が手話言語であると言われています。言語の数え方というのはいろいろあって難しいのですが、ひとつの目安にはなると思います。きっと、想像されていたよりうんと多いのではないでしょうか。

2015-11-21 04:52:51
菊澤律子 Kikusawa Ritsuko @ReidLili

これは世界で話されている7000言語のひとつひとつを点で表し、系統関係にもとづき結んでみたものです。語族ごとに色分けしてあります。(民博の展示場に出ている実物は幅が2メートル以上あります。) pic.twitter.com/wPHanDGrnM

2015-11-21 04:54:28
拡大
菊澤律子 Kikusawa Ritsuko @ReidLili

「インド・ヨーロッパ語族」という用語は世界史などでおなじみだと思います。図では、○で囲んだ部分にピンクで示されているのが、インド・ヨーロッパ語族に属する言語になります。 pic.twitter.com/v9hLYYDTLh

2015-11-21 04:55:08
拡大
菊澤律子 Kikusawa Ritsuko @ReidLili

余談になりますが、地図には載っていない分布もありますので、注意が必要です。たとえば、英語はイギリスということになっていますが、実際には、アメリカやオーストラリア、ニュージーランドなど、他のいろいろな国で話されていますね。

2015-11-21 04:55:39
菊澤律子 Kikusawa Ritsuko @ReidLili

これらのたくさんの言語はどのように発達したのでしょうか?ここでは、その答えを示すことはできません。けれども、それを知るために言語学者はどんな研究をしているのか、言語の何をどう科学的に分析しているのか、についてお話してみます。 pic.twitter.com/16Sld4Yy4x

2015-11-21 04:57:14
拡大
菊澤律子 Kikusawa Ritsuko @ReidLili

ここでは私の専門である「オーストロネシア語族」を例にとって、お話ししますが、きっと、聞きなれない方が多いと思います。まずは、いったいどういう言語のグループか、ということから説明してみましょう。

2015-11-21 04:58:04
菊澤律子 Kikusawa Ritsuko @ReidLili

これは、さきほどの「世界の言語」パネルから、オーストロネシア語族だけ取り出したものです。地理的には太平洋と東南アジアの島嶼部、およびマダガスカルで話されています。 pic.twitter.com/bTDPgDj9Wn

2015-11-21 04:59:09
拡大
菊澤律子 Kikusawa Ritsuko @ReidLili

マダガスカル?そうなんです。マダガスカルの言語、マラガシ語(もしくはマダガスカル語)は、オーストロネシア語族の中でひとつだけ(といってもその中にたくさん方言がありますが)、とても離れた場所で話されています。

2015-11-21 04:59:34
菊澤律子 Kikusawa Ritsuko @ReidLili

この「オーストロネシア語族」には、いくつくらいの言語があるでしょうか?

2015-11-21 05:01:39
1 ・・ 6 次へ