- uchida_kawasaki
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戦後70年・核回廊を歩く:日本編/47 プルトニウム迷走 - 毎日新聞 「世界各地で有望なウラン鉱床の開発が相次ぎ、ウランの供給不安がなくなった」というのは違うだろ。現在ウラン鉱山の年間産出は年間需要の半分。 sp.mainichi.jp/shimen/news/20…
2015-11-20 23:24:09ソ連崩壊で、大量のウラン在庫が世界市場に放出され、ウラン鉱山は商売にならなくなった。と、電力会社の人談。
2015-11-20 23:26:03@harada_hirofumi 冷戦崩壊前のウラン需給予測(産出と濃縮力)は、ソ連、東欧圏の能力を除外していたんです。冷戦が崩壊して現れたのは、旧ソ連圏のウラン産出能力と莫大な遠心法によるウラン濃縮力だったのです。濃縮力枯渇=ウラン資源00年枯渇説だったので、それが消えました。
2015-11-21 10:56:40以前から僕も同じ事を主張しているけど、普賢は、日本の新型動力炉開発の中では唯一、工学的に成功した事例といって良い。 商業的には残念ながら全く駄目だったが、プル・回収ウラン焼却炉として評価、維持されるべきであったと考えている。 twitter.com/sawaakihiro/st…
2015-11-21 16:30:57「ふげん」の再評価は必要だと思う。:戦後70年・核回廊を歩く:日本編/47 プルトニウム迷走 - 毎日新聞 mainichi.jp/shimen/news/20…
2015-11-20 12:10:57普賢廃止と大間ATR実証炉計画中止を決定した直後にもんじゅが大きな事故と事故隠しを起し、この時点で余剰プル問題が深刻化する事は自明だった訳で、海外委託再処理と六ヶ所再処理を進める以上、プルと回収ウラン専焼炉としてふげん級のATRの維持が必須となっていた。悪しき硬直性の典型事例だ。
2015-11-21 16:34:31ふげんの25年間の運転実績はかなり良好なのであるが、所詮は実験炉を飛ばしたうえでの原型炉なので、ふげんが30年、40年と運転できたかというと僕はかなり悲観的。 しかし、大規模改修をしたうえで転換比を落としたプル・回収ウラン焼却炉として運転を続けていれば、余剰プル問題は無かった。
2015-11-21 16:37:52ふげんは、その起源を軽水炉、重水炉論争に遡る。 日本の商用原子炉を軽水炉にするか、重水炉にするかということで、激しい対立が起きた。 軽水炉ではPWR/BWR+濃縮ウランの対米依存、重水炉ではCANDU+重水のカナダ依存という問題が互いに指摘され、泥沼の論争に至っていた。
2015-11-21 16:41:07ATRはCANDUのパチものですが、所詮は略同型というより簡易設計ですので、CANDUのような商業的実績が出せたかというと、まぁ、無理だったと思います。 重水減速、軽水冷却沸騰水型というキメラになった理由は、重水の国内供給が出来なかった事に遡ります。
2015-11-21 16:47:22この重水供給についてはLWR,CANDU論争においてCANDU側に付いた旭化成が重水供給の能力を持っていたのですが、CANDU陣営の粛正によって居なかった事にされています。 ATRが、設計で重水をけちったヘンテコになった政治的理由の一つがこれです。
2015-11-21 16:50:17CANDUを採用すると、濃縮ウランの調達が不要となり、当時世界の商用濃縮を独占していた合衆国に拘束される事が無くなる。一方で、CANDUは、LWRに比してコストがやや高く、国内重水供給問題も指摘されていた。 また、ライセンシングの条件が、LWR陣営の方が有利だったと伝え聞く。
2015-11-21 16:53:32CANDUの場合、転換比をLWRより上げる事が出来、核燃料サイクルとの親和性がたいへんに高い。一方で、核燃料の燃焼度を下げる事が出来るので、兵器級プルの製造も可能であり、核拡散防護上の弱点となる。
2015-11-21 16:56:07結局、FBR開発の保険としてと重水炉技術の維持の為にふげん(ATR)の開発が為されたのだが、重水減速、重水冷却、加圧水型炉という手堅いCANDUにたいして、重水減速、軽水冷却、沸騰水型炉というヘンテコなATRの新規開発となり、商業的実用化に失敗してしまった。
2015-11-21 17:03:07ATRですら商業化に失敗したのに、FBR開発に成功するなんて妄想以外の何ものでもないよ。 せめて運転中のATR=ふげんを延命してプルを燃やしていれば今のような深刻な余剰プル問題に悩まされる事もなかったし、潜在的脅威である回収ウラン問題も存在し得なかった。
2015-11-21 17:05:36ATRはマイナーアクチニド問題で燃料としての使用が困難且つ、サイクルを停めてしまう回収ウランを再転換のみ、再濃縮なしでそのまま燃やせる。 要するに人形峠の転換施設さえあれば、濃縮プラントを汚染する事なく使う事が出来る。(量は変わらないし、作業被曝問題はある。)
2015-11-21 17:09:01日本の核燃料サイクル政策には、余剰プル問題に隠れているが、回収ウラン蓄積問題という重大問題がある。 回収ウランは、核燃料再処理によって抽出される1%程度の235Uを含むウランで、これは再転換、再濃縮の後に核燃料として消費される事になっている。その計画に基づいた実験も行われている。
2015-11-21 17:22:43しかし、回収ウランは、マイナーアクチニドを含み、現在の人類にはこれを分離除去する事が出来ない。 このマイナーアクチニドは強い放射線源であって、回収ウランは劣化ウランと異なり、放射線防護を要する。特に、転換、濃縮プラントは、自己遮蔽が無いために強く放射能汚染される。
2015-11-21 17:24:29日本に於ける回収ウラン再利用実験が、遊休施設である人形峠を使われた理由がこれで、原燃の商用施設ではプラントの汚染があるために実験に供出できないのだ。 この為、回収ウランは、再濃縮によって軽水炉で燃やす事は可能だが、たいへんなコスト増となるためにフランスでも再利用されていない。
2015-11-21 17:27:04また、回収ウランに含まれるマイナーアクチニドは、核毒であるために、軽水炉の運転特性を悪化させる。恐らく、回収ウランを全装荷する事は軽水炉では不可能だろう。 回収ウランを消費することに適しているのは、黒鉛炉や重水炉で、ロシアでは回収ウランをRBMK炉で燃やしている。
2015-11-21 17:28:56フランスでは、回収ウランを再利用する事なく、処分している。 この処分先はロシアであって、お金を払ってロシアに資源としての回収ウランを引き取ってもらっている。あくまで、資源を負の価格で輸出しているという建前。 ロシアは、シベリアの閉鎖都市に露天でこの輸入回収ウランを並べている。
2015-11-21 17:31:48日本ではこの回収ウランはプルと同じで資源として資産価値をつけている。 プル抽出実績から、六千トンから一万トンと推測される回収ウランに資産価値を付与しているのだが、これもゴミである事はフランスが実証している。そもそも、余剰プルすら消費できない日本に回収ウランを消費する能力はない。
2015-11-21 17:34:272000年から2005年頃にロシアが有償で回収ウランを引き取る旨、日本に打診したという話があるのだが、これを日本は、回収ウランを再利用するという建前から断っている。 これは当然といえば当然で、資産価値をつけている回収ウランを有償でロシアの引き取ってもらうという事は責任を問われる。
2015-11-21 17:36:18せめてATRを維持していれば、回収ウランという大きな負債をせめて零にする事は不可能ではなかった。 まぁ、凄くお金のかかる道楽のツケは残さなかったという事。
2015-11-21 17:38:46要は、くだらない政治闘争に明け暮れず、CANDUを一部導入していれば、余剰プルや回収ウランで苦しむ事はなかったという事。 CANDUを保険としている国は、韓国、中国、インドほかに見られる。 日本ではCANDU導入が政治的闘争の為に潰えてしまった。
2015-11-21 17:42:18ATRは、そのCANDU導入失敗の残渣といえる。 素直にCANDUを導入していればよかったのに。 このあたりは、当時の日本の宇宙開発計画に通底する。
2015-11-21 17:43:43マイナーアクチニド(MA)は中性子を吸収するだけで核分裂せず、しかもその多くは中性子吸収断面積が大きい為に、ただでさえ枯渇気味である軽水炉中の熱中性子を枯渇させ、出力低下、臨界核反応維持不能に至らしめる。 軽水炉の長期サイクル運転は3年が限度だが、これもMA蓄積が理由。
2015-11-21 17:56:13