福島の高校生のみなさんに今伝えたいこと

Masahiro Hotta @hottaqu

[福島の高校生のみなさんに自分が今伝えたいこと]

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みなさんが小学生や中学生だった頃、地震と津波とそして原発事故がありました。お父さんやお母さんをはじめ多くの福島の人々は、大混乱の中でみなさんを守ろうと必死だったと思います。

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残念ながらその苦しみ痛みはすぐには終わらず、今現在まで複雑に絡み合った難しい問題のために長く続いているのを知っています。

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事故のあと日本全体も大げさに聞こえるかもしれませんが、内戦に入りました。でも海外で実際に起きている内戦とは違い、それは疑似（バーチャル）内戦とでも言うべきものです。

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事故が及ぼした放射能汚染が、自分やあなたたちのような子供たちを含む家族、そして自分が住んでいる地域の親しい友人の健康や命まで損なう可能性があったのです。

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混乱の中情報が錯綜し、すぐにも死んでしまうかもしれないほど危険が高いという話や、いやそれほど危険ではなさそうだという話が、ネット上には乱れ飛んでいました。命に係わることなので、とても深刻な問題です。

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それで人達の考えは、危険が差し迫っているという危険派と、健康被害が大規模に出るほどではなさそうという危険否定派もしくは危険懐疑派の２つに大体分かれてしまいました。

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そしてその根拠になるデータだけでなく、いろいろな人を平気で傷つけるデマまで含めて、自分の意見の方向に日本全体の方針を向けさせたいと激しく応戦し合ったのでした。

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まだ幸いことに海外のそれとは違って疑似内戦だったので、本当に人の体を傷つけ殺しあうことは起きませんでした。でも自分の信念の方向に日本全体を動かしたいという切羽詰まった想いの人達が放つ心無いデマが、多くの人のこころを殺していきました。

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実際のリアルな内戦では自爆もふくむテロがたくさん起きて人の命を奪います。しかしバーチャルなこの内戦でも、デマで人のこころをたくさん殺すことが起きたのでした。

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最近海外で多発するテロのニュースを聞いているかと思います。特に「ホームグロン テロリスト（homegrown terrorist）」という言葉も聞いたことがあるかもしれません。自分の国の少数派の人達がさまざまな不満を口実に自国で自爆テロなどの犯罪を起こす話です。

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「福島の女の子は放射能汚染のせいでもう妊娠できない」などのデマも、ひとのこころの命を奪うという意味でテロと同じだと思うのです。でもそういう人達は日本に住むホームグロン デマゴーグ（デマを広める人）なのです。

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彼らの中には多くの福島の人達の生活や命を奪った危険な原発がまだ止まらず、これからも動き続けることを嫌悪する人達もいます。彼らの意見は少数派にとどまっているため、政治に反映されない現状に対する危機意識と苛立ち感を増している人達もいるのです。

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またご存じのとおり、福島に住んでいる人の中には放射能に対する対策に非常な不満を持っている方たちもいらっしゃいます。しかし共鳴者、理解者は増えず、日々孤立感、孤独感を抱えて生活されている方がいます。

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そんな彼らの中からは、人のことを思いやる余裕をなくして匿名でデマを拡散してなんとか想いを遂げたいとする人も出てきてしまっています。福島におけるホームグロンデマゴーグとでとも言える人達です。

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彼らのデマは感情を荒ぶらせる酷いセリフに満ちていると思います。福島の人達の復興の努力を踏みにじり、心を砕く暴力です。でもそれに言葉の暴力で応戦しても、また同じことが起きます。データをもとに相手を説得しようとしても耳を貸しません。それは彼らが彼らなりの実現したいことがあるからです。

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自分の安心や理想を求めています。都合の悪い話は意図的に無視するか、無意識に受け付けなくなるのです。本物のテロや内戦と同じように、巨大なデマの発生は繰り返し起きます。それを根本から解決することは、リアルな内戦と同じでとても難しいことです。

Masahiro Hotta @hottaqu

相手を完全に壊滅させることで問題を解決しようとしても、決して終わることがないのは、世界の内戦を見てもわかります。本物の内戦も疑似内戦も、ほんとうに解決できるのは理解と寛容だけだと思うのです。それを敵だけでなく味方にも浸透させて問題を終結させるのもとても時間のかかることです。

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でも短期的には成功してもすぐに崩れてしまう他の方法とは違い、恒久的な解決を生むと道だと思うのです。

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みなさんもデマを言われたたら腹が立つと思います。自分も福島の人達を傷つけるデマをみると激怒してしまいます。デマを言われた瞬間１回や２回汚い言葉で言い返してもしょうがありません。

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例えば駅のホームで普段は物腰柔らかな知り合いが匿名アカウントでスマホから罵詈雑言のデマをこっそり打っているのに気付いたとしたとき、思わず線路に突き落としたくもなるかもしれません。

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でも「ここが考えどころだ」とも思うのです。本当の解決には繋がらないどころか、自分の人生をも壊してしまいます。

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心から傷ついて本当に悔しかったらまずは法律に頼るのが一番です。未成年でも法律はその人を守ってくれます。

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福島にはいい見本となる人達がいます。郡山市で塾講師をしている方やいわき市で盆栽業を営む方のように、淡々と裁判所を通じて法に訴える方法です。これは相手に気づきの機会を与えます。

Masahiro Hotta @hottaqu

ただ本当に相手が気づいてくれるには時間がずっととかかることが多いですが。しかしネット上でのデマや暴言は犯罪だと社会に浸透させる効果があります。