よいこ大賞2015　作品のみ

七歩 @naholograph

よいこ大賞開催中。ただいまツイノベ作品、及び作品へのご感想を募集しています。詳しくはこちら。tkr-net.tk/yoikodo/?p=9211 よいこ大賞は個人開催の小さなツイノベ大賞です。#よいこ大賞　#twnovel pic.twitter.com/RV4wbKnkCp

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穴井秋乃 @AnaiAkino

#twnovel ルイボスティーは身体に良いらしい。何がどう良いのかはわからないけれど、身体に良いらしいから買ってきて飲んでいる。身体に良いルイボスティーを飲んでいるから本日二個目のケーキだって許される筈だ。なんて言ったって、身体に良いのだから。あ、ドーナツも安売りしてるじゃん

水谷なっぱ @nappa_fake

雪がちらつく真冬の夜中。ぼくは君に出会った。雪を纏うような白いコート、夜空色のマフラー。君はまるで冬の妖精のようだった。君は穏やかな笑みを浮かべて手を差しのべる。｢新しい世界に連れて行ってあげるわ｣そうしてぼくと君との冒険が始まる。 #twnovel

鐘辺 完 @kanebekan

#twnovel 「うわーん。歯医者いきたくないよぉ」「ちゃんと治さないとあとでもっと痛いよ」「雨降ってるから今日はやめよっ」「ちゃんと車で送ってあげるから」「テレビで言ってたよ。『雨で歯科医が悪くなる』って」「そんなウィットきく精神年齢で歯医者怖がるな」

鐘辺 完 @kanebekan

#twnovel 「あたし、うるえ。『空（そら）』って書いて、うるえって読むの。空からの雨の恵み、『潤いを得る』って意味でお父さんがつけてくれたの」「お前の親父知ってるけどな。『空』を分解して『ウルエ』ってつけた言うてたで」

風岡なつ @suzu_lan06

この特別な日に月のうさぎは宴を開く。彼らは静かに酒を飲み、団子を食べる。「母さん、なんで今日はみんな静かなの」「今日はね、あの青い星の人に謝る日なんだ」昔仲を違えた別の種族に。あの星から月が一番綺麗に見える日だから。 #twnovel 元気ですか。またいつか仲直りしてくれますか。

水谷なっぱ @nappa_fake

水たまりの向こう側が見たくて必死になって覗き込んだ。その中には薄青い空とグレーの雲が広がっている。そしてもう一人のぼくがこちらを見つめていた。ねえそちらの世界にはなにがある？その空の向こうにはどんな世界が広がっている？そう呼びかけてみても、ぼくはなにも応えない。 #twnovel

きづき @kiduki55

緊張の初仕事。学校のプールに忍び込み、材料を順に入れていく。蝉の死骸に向日葵の花弁。入れる混ぜるの繰り返し。線香花火の玉、金魚の尾びれ、怪談の結末、提灯の灯。西瓜の種を振りかけて、入道雲を浸せば、出来上がり。風鈴の鈴を入れすぎて、今年の秋は鈴虫たちが騒々しい。 #twnvday

きづき @kiduki55

そのバーに並んでいる酒瓶には、ラベルがない。代わりに、文字が書いてある。へらへら、ガミガミ、ことん。おすすめを頼むと、薄藍色の液体が出てきた。喉を滑らせる度に、涙が溢れる。子どものように泣きながら、このお酒はべそべそに違いないぞ、と大人の私が頭の片隅で呟いた。 #twnovel

キヨシロウ @kiyoshiro_aoi

#twnovel 近所の子供達が将来の夢を話している。A「おれ大きくなったら野球選手になるんだ」B「わたしはアイドルになるわ」俺たちがガキの頃と大して変わらないものだな。C「わたしは小さくなったら南くんの恋人になるの」D「それはダメ。ぼくが女になったら南くんの恋人になるんだから」

パラ島ピロ子(稀にいます) @parapiropuro

君は笑った。それは、そのまま宙を飛んで羽ばたいていきそうな程に自由と歓喜に満ちている。僕自身も、鳥となった君と共に遠い遠い僕の知らない所にまで飛んで行ってしまえそうだ。そんな君を見ていると僕も自然と顔が綻ぶよ。 僕は窓を開けると、届きもしないその手を君に伸ばした。#twnovel

パラ島ピロ子(稀にいます) @parapiropuro

庭に群生する四つ葉のクローバーを摘んでは、幾つも取りこぼしながら小さなその手をいっぱいにして私に渡してくれた。溢れるほどの愛をくれた君の手を、私の手で包み込んだ。「愛してる」大きくなった君の手は、私の手を包み込んだ。受け止めきれぬほどの君の愛が、雫となって溢れた。#twnovel

ぱぴこ @papiusagi

にゃあんと切なく鳴く猫をみすみす無下にすることもできず、この半野良をたびたび家に上げては接待する。お寒くありませんか、うちでは残念ながらごはんは差し上げられませんので、せめて水でも飲みますか。ホットカーペット入れておきました。そんな接待の間、猫はすやすやと眠る。 #twnovel

12/24絶対下剋上ぽんこつ丸 @shun_kitashiro

「知ってる？ハレー彗星って76年に一度現れるんだって」夜空を見上げながら彼が言った。「ふーん。今度はいつなの？」「2061年」「ずいぶん先だね」「一緒に見たいな」「ええっ!?」「プロポーズのつもりなんだけど」私は少し考えてから答えた。「その日晴れてるといいね」 #twnovel

12/24絶対下剋上ぽんこつ丸 @shun_kitashiro

勉強一筋だった私が初めて好きになったのは、読書が好きな文系男子。私から誘った初めてのデート。ディナーの後の帰り道で彼は言った。「月が綺麗ですね」その夜から私は月を爆破するミサイルの研究を始めた。私は嫉妬深い理系女子。 #twnovel

キヨシロウ @kiyoshiro_aoi

#twnovel 拾ってきた猫を置いて妹が部屋を出ていくと猫の顔が隣りのヒロ君になった。聞くと妹と一緒にいたい一心で猫になったと言う。「ダメよ。さっさと捨ててきなさい！」母の怒鳴り声が聞こえた一瞬視界がぼやけ、次には目の前の俺が猫の俺の頭を撫でながら言った。「ごめんね、お兄さん」

なないろサイダー @sette_colori

ガラスを蹴り破った。ただ会いたい一心で。触手のように絡まるケーブルを引きちぎった。目指したのは君のいるカプセル。歩く度に痛みが走った。それでも進んだ。ガラスにつけられた掌。僕を見る瞳。ケーブルからは僕の記憶も流れていた。こんなにも会いたかった、君は誰だ？ #twnovel

なないろサイダー @sette_colori

森の中で、ゾウは考えた。「僕の友達はどこにいるのだろう。このままずっと独りなのかな」 ゾウの上で、トリは考えた。「私の友達はどこにいるのだろう。このままずっと独りなのかな」 ゾウとトリは、まだ出逢わない。 #twnovel

咲良 潤　#言の葉の点綴 @sakura77_sosaku

彼女に拘束された。友達を見ないでと。友達はとても可愛いく、僕が友達を好きになるのが怖いらしい。僕の心を自分に縛っておきたいだなんて彼女も乙女だ。しかし彼女と友達との話し声を聴いて気づいた。彼女は友達を取られたくなくて僕を縛り付けたんだ。彼女の声は恋をしている声だ。#twnovel

川澄鈴子 @suzuko_sosaku

この愛なら溺れてもいいと思う。まるで首から下がよりどころのない水の中にあるような圧迫感。彷徨う手はあなたを求めてる。この愛なら燃え尽きてもいいともう。身を焦がす熱。息も止まるほどに。熱い恋が私にとって都合のいいものであるはずがない。それでも私は火の中に手を入れる。#twnovel

川澄鈴子 @suzuko_sosaku

右目に百合の花が咲いてから彼女の顔がよく見えなくなった。彼女ともっと話したいのに百合が邪魔になる。すると彼女が言った。「私の事、嫌いになった？」その時の感情をなんと表現したらいいだろう。全ては百合のせい。彼女の顔を見れないのも、それでも私の胸が高鳴ってしまうのも。#twnovel

日向日影🍊📖@文化系物書きVtuber（HUB） @hyuugahikage

#twnovel 詩が一編捨てられていた。その詩は、すでに拾うに値しないものだった。色々な人が、その詩を墨塗りにしたり、Photoshopで修正したりしたからだった。空っ風に任せて、詩は舞い続ける。その姿は、銃声と悲鳴と軍歌とロックフェスが共鳴するこの街と不思議に調和していた。

日向日影🍊📖@文化系物書きVtuber（HUB） @hyuugahikage

#twnovel 「君を、救いたいんだ」その男性は、おなかが減って困ってる私の前に現れました。とても優しそうな声と、キラキラした瞳で、困ってる人を見ると放っておけないんだ。私のためならなんでもしてくれると言ってくれました。意外と美味しかったです。

咲良 潤　#言の葉の点綴 @sakura77_sosaku

幼い妹は雷が怖い。雨雲が近づきゴロっと鳴るだけで縮こまる。妹より年上の猫はお姉さんらしく妹を心配するが、鼻を妹の頬に近づけたらピリッと静電気が飛んでしまった。ついに泣きだす妹と一目散に逃げる猫。今度は静電気を飛ばすまいと顔を洗う猫だが、それでは雨雲が近づくばかり。#twnovel

りお@12/17南2サ18b🏀新刊固定💙❤ @3816fvw

「シェア可の物件って案外ないのね」聞けば学生街でもなければ他人同士の入居は渋られるのだという。「そう？簡単だったけどな」 #twnovel 「ただいま」声を掛けると黒猫が足元にすり寄ってきた。「お帰り御主人」猫はたちまち人型をとる。「化けられるって素敵だわ」八畳一間、寂しくない。