歌麿画「女風俗品さだめ」21図まとめ。

黒猫の究美。(上田眞生) @kurok_yuu

歌麿画　女風俗品さだめ　諸禮方 大礼三百曲禮三千とて唐倭ともに其式多し。まづ礼の大意と云ハその身の分限をよくわきまへ知る事を肝要とするなれバよく心を責めて努め行ふべし。 武家方ないし屋敷者の出らしい女性が少女に諸作法を教えている。 pic.twitter.com/pg5ntTmoSr

拡大

黒猫の究美。(上田眞生) @kurok_yuu

歌麿画　女風俗品さだめ　琴指南 和琴の起こりハ神代に弓六張をならべて弦を打ち鳴らせしを始めとせり。近世八橋検校作り出せる所にして表組七ッ裏組六ッ合せて十三組といふ外に新組十一あり秘曲ハ流によりて別あり。 右手の指に琴爪をつける娘。 pic.twitter.com/vX3C2ageF3

拡大

黒猫の究美。(上田眞生) @kurok_yuu

歌麿画　女風俗品さだめ　大原女 建礼門院世を厭ひて大原に隠れ給ふ。従ふ局内侍黒木を売て生計とす。官女なれバ脚絆履く事を知らず向ふにて合せられたるゆへ今もつて黒木売の脚絆前すねにて合せる此異風なり。 牛を牽く京の大原女(おはらめ)。 pic.twitter.com/SKad53Kr3S

拡大

黒猫の究美。(上田眞生) @kurok_yuu

歌麿画　女風俗品さだめ　芸者 上方にてハおどりこと云ゝ古代ハ舞子など(といへる。遊人の酒興につきて三味線を業とす。 雨上がりに足駄の下駄をはいて湯屋から帰る芸者。湯気でほぐれた鬢の毛が鬢張りから滑り落ちぬよう鬢紙でくくっている。 pic.twitter.com/bmqo9EJeGA

拡大

黒猫の究美。(上田眞生) @kurok_yuu

歌麿画　女風俗品さだめ　早乙女 天照大神天熊人が奉れる所の五穀の種を天植田長田に植給ひしより田植の事ハ女の手業となりけるとなり。これを早乙女とも植女とも云。 田植え仕事の合間に休憩をとり、火打ち鎌でキセルの火をつける農婦。 pic.twitter.com/4QXZyqOYi8

拡大

黒猫の究美。(上田眞生) @kurok_yuu

歌麿画　女風俗品さだめ　俳諧師 松永貞徳連歌の方式を規矩にして俳諧の方式を立しより連歌俳諧二物になりてこの道盛んに行われ、丹州の捨女、勢州の園女、加賀の千代いづれもこの道の名人なり。素園(千代女)が句に 蝶々や　女の道の　あとやさき pic.twitter.com/CFXkimTdvh

拡大

黒猫の究美。(上田眞生) @kurok_yuu

歌麿画　女風俗品さだめ　女医者 医ハ生死を預かるの大業なれバ女の知の及び難きところなれども、人身の病我と異なる事なし。さすれバ婦人の病苦を救ふハその頼みなきにしもあらず。 茶筅髷に細づくりの銀簪一本。羽織を着た右手には扇子を持つ。 pic.twitter.com/URvP6cOLAN

拡大

黒猫の究美。(上田眞生) @kurok_yuu

歌麿画　女風俗品さだめ　御仕殿 女ハひとたび宮仕へこそせまほしきものなり。ことに忠孝貞信一つも欠けてハ勤る事難し。 (女は一度宮仕えをしておきたいものである。加えて忠孝貞信のうち一つでも欠けていては勤めることは難しい) pic.twitter.com/BQTdwTz8EK

拡大

黒猫の究美。(上田眞生) @kurok_yuu

歌麿画　女風俗品さだめ　後家 貞女の夫に別れて髪を切りふたたび嫁せざるを示すハ有難き操なり心ハ尼となりて仏に仕ふるの意なれども身終るまで戒律堅固なるハ稀なり。 髪は未亡人お決まりの茶筅髷。手前にある箱は刻み煙草を詰めた小抽斗。 pic.twitter.com/aqtUIGf97h

拡大

黒猫の究美。(上田眞生) @kurok_yuu

歌麿画　女風俗品さだめ　機織 應神天皇の御時新羅より呉服(くれはどり)穴織(あやはどり)といへる機女を奉れり。この機女摂津の国池田の里にありてさまざまの機を織しより始まる。 呉服神社 ja.wikipedia.org/wiki/%E5%91%89… pic.twitter.com/XGvECXmL1T

拡大

黒猫の究美。(上田眞生) @kurok_yuu

歌麿画　女風俗品さだめ　妾 妻をめとるハ子孫相続のためなれどもその女の性によって子なき時ハ妾を抱へて血脈の絶へざらん事を求む。色に溺るゝ類にハあらず。 妾は本来、家の子を授かるためのものであるとして、妾を抱えることの正当性を説く。 pic.twitter.com/YVXf6O0bM5

拡大

黒猫の究美。(上田眞生) @kurok_yuu

歌麿画　女風俗品さだめ　白拍子 白拍子といふ号(な)ハ嶋の千歳(鳥羽上皇の時代に若の前とともに活躍した白拍子)をはじめとするよし諸書に見へたり。 　〽雨雲のかへしの風の音せぬハ　おもはれしとのこゝろなるべし 和歌を歌い舞う白拍子。 pic.twitter.com/S4hhhJ9VzL

拡大

黒猫の究美。(上田眞生) @kurok_yuu

歌麿画　女風俗品さだめ　遊女 昔ハ小舟に乗りて津々浦／＼に浮かびて情を誘うゆへ流れの身など云へり。江口神崎(遊里)をはしめとして京の嶌原、江戸の吉原、大阪の新町いつれも全盛の遊女あり。 重ね着した裾の合間から下駄の鼻先が見える。 pic.twitter.com/qMtldBr3L4

拡大

黒猫の究美。(上田眞生) @kurok_yuu

歌麿画　女風俗品さだめ　囲 人に身を任するの業(わざ)ハ妾(しゃう)に似てそのこと味別なり。あるハ遊女を請け出だせしか妻を忍ぶのたぐひその品さま／＼あり。 袖なし羽織を着た囲い女が、羽子板型の茶焙じで茶葉を焙じているところ。 pic.twitter.com/tbaInozhzu

拡大

黒猫の究美。(上田眞生) @kurok_yuu

歌麿画　女風俗品さだめ　手習の師 たゞにや手と云へバ物書く事と知れるも人のおもとする業なれバなり。女ハ墨黒に品とり恐／＼しからず。上代のふうの雅たるを学バんぞ奥ゆかし。 寺子屋の生徒の教材となる習字帖に手本となる字を書く手習の師。 pic.twitter.com/gc9TSX0N4O

拡大

拡大

黒猫の究美。(上田眞生) @kurok_yuu

歌麿画　女風俗品さだめ　新造 番頭新造といへるハこの上に立ちて花魁の諸事をさばく役なり。この(絵)姿は振袖新造にて振新などゝいへり。 右/豊国『絵本時世粧』坤の巻より。 花魁の衣装の襟を整える番新。左の振袖を着ているのが振袖新造。 pic.twitter.com/x6392AH9Vb

拡大

拡大

黒猫の究美。(上田眞生) @kurok_yuu

歌麿画　女風俗品さだめ　女賣人 上方にてハ古来より女賣人(おんなあきんど)多くあれども江戸ハ近世もつぱら流行することなり。 校合摺(左)と完成品(右)。校合摺は、細部の校章や絵師による色指定のため必要に応じて主版を紙に摺ったもの。 pic.twitter.com/DCu9ZnBf3K

拡大

黒猫の究美。(上田眞生) @kurok_yuu

歌麿画　女風俗品さだめ　町屋の娘 町人の娘ハその親に▢位なけれバたゝ息女愛女などいゝて上つかた姫君とハ同様にあらざれともよく女の道を守り操を▢しくするときハそのさまこそ賎しくとも心ハ女御・更衣にも恥ざらまじ。 庭の床几で涼む娘。 pic.twitter.com/hY1iTAmFUx

拡大

黒猫の究美。(上田眞生) @kurok_yuu

歌麿画　女風俗品さだめ　神子 天照太神天磐戸(あまのいわと)に籠もらせ給ひし時、天鈿女命(あめのうずめ)真[石+辛？](まさき)の葛、蘿(ひかげ)の葛を持て、岩戸の前にて舞唄ひしより始る。 右手に神楽鈴を持ち、唄い舞う神子。 pic.twitter.com/MnBMs3UemU

拡大

黒猫の究美。(上田眞生) @kurok_yuu

歌麿画　女風俗品さだめ　女房 女房とハ禁中にて称へさせ給ふ号にて下々の称にあらず。たゞ妻と云ひ、堅気によりて内儀内室などゝいふ。衣類、頭の飾りまでその分限より劣れるを撰ひ、かたちの装ひ、物言ひなど派手ならぬやうに用意あらまほしけれ。 pic.twitter.com/nblAz0PFt5

拡大

黒猫の究美。(上田眞生) @kurok_yuu

歌麿画　女風俗品さだめ　乳母(めのと) 乳母とか云ふ事、玉依姫 姉君に代はり給ふ縁により妻の弟(めのおとと)と云ふを略して‶めのと"と云ふ。また聖徳太子生れ給ふとき、妹子(いもこ)の▢が姉月益姫をバ乳母に定め給ふよし太子傳に記せり。 pic.twitter.com/7E0Rfarg20

拡大