2004年 GEORGE HARRISON "DARK HORSE YEARS" ボックス事件顛末記

Jaguarounde @jaguarounde

2003年末から2004年初頭、当時廃盤となっていたジョージハリスンのワーナー時代のアルバムが新たにリマスターされ春にEMIから再発されるという発表がされました 何曲かのボーナストラックを付加し、LIVE IN JAPANは高音質SACD化されるとの事でした

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6種のアルバムに特典映像の収録されたDVDをセットしたボックス"DARK HORSE YEARS"も発売されると発表されました 欧州はEMI 米国はキャピトル 日本は東芝EMIからの発売です

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さて当時はコピーコントロールCD=CCCDという粗悪メディアが流通している時代です CDプレーヤーに深刻な影響を与えると忌み嫌われているそのフォーマットを東芝含む少なからぬレコード会社が採用しており ジョージの再発についても英米はCDながらEUと日本はCCCDであるとされました

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また、強欲な東芝にしては珍しくボックスDARK HORSE YEARSは東芝からは発売されず単品CCCDのみであると発表されました

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DVDというものは世界に3種類ほど映像信号の種類があり、違う信号のディスクは普通のプレーヤーでは再生できないという特性があります 先のDARK HORSE YEARSで云えば英国がPAL方式、日本と米とEUが同じNTSC方式です

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つまりCCCDを避けなおかつ普通にDVDを視聴する為には米盤のボックスを購入するのが唯一の手段な訳です そのためAmazonやHMVタワーなど大手通販サイトでは米ボックスに予約が集中しました

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1月23日、東芝EMIの輸入部門Toshiba Import Section = TOISが「東芝取扱い分のEU、US盤ボックスには日本語訳詞と解説のブックレットが付属する」と発表しました 米盤を買うのに二の足を踏んでいた人もそれに安心してますます米盤人気は上がりっぱなしでした

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2月の半ばにはAmazonタワーHMVなど大手通販サイトでは申込殺到により取扱いを停止、なぜか英盤もつられて取扱い停止になるなど予約争奪戦が繰り広げてられました なお発売日は2月下旬24日前後なのですが大手通販サイトではよゆうをもって(？)3月1日とされていました

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2月下旬、都市部の一部店舗にUS盤が並び始めましたがそれらには日本語解説は付属していないもようでした また米盤ボックスのDVDにはちゃんと日本語字幕も入っていて視聴には何ら問題がないという事です なのにAmazonはじめ大手通販組には未だ商品は届きません

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それどころかAmazon予約者にこんなメールが届きました 発売寸前(むしろ発売直後)になってこんな誤表記が判明するなんて事がありましょうか 慌ててそれをキャンセルし大手他店で予約しようにもどこも既に予約受付停止 pic.twitter.com/3u1PiwFEjb

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同じ頃、日付にして2月23日 HMV予約者にはこのようなメールが入ります 日本語解説は付属するものの発売前日になってまだ見通しが立たないとの情勢 pic.twitter.com/Sdw7P84VSS

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そして3月、日本国内AmazonやHMVで注文した人に未だ届かないのに米Amazonや英Amazonで注文した人には商品が届き始めます 焦る国内組

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そして事態は急変します 国内大手通販組の元にこんなMAILが一斉に届いたのです pic.twitter.com/ZSPxq4bJNv

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ほぼ同じ内容が東芝EMIホームページでも発表されました この発表とともにUS盤ボックスの予約は一方的に破棄されたのです pic.twitter.com/MKkJ1PhV8R

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そして市場にはごく一部店舗でUS盤 大手通販サイトや大型店舗にはCCCDであるEUボックスと東芝単品が溢れました

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数日おいてHMVなどが米盤ボックスの注文受付を再開、しかし入荷見込みは3月下旬にずれ込みそうという見通し そして東芝のホームページの文言はこのように書き換わりました 一体なにが起こったのでしょうか pic.twitter.com/2OcjzpM2mW

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さて僕個人はどうしていたかと云いますと1月早々に英Amazonで英盤ボックスを注文し、3月上旬に無事届きました 更にTOISの「日本向けには米ボックスは一個も出荷出来ない」というコメントを読んでから米Amazonで米ボックスを注目してみたところ、数日後無事に商品は届いたのです

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騒動になってから注文した商品が無事配達された事 米国の通販サイトでボックス品切れになっている店が一切見当たらない事 米国居住者からの「ボックスが品薄だなんて話しは聞いたことがない」とのコメントがあった事 これらからTOISの2つめの説明、米国内需要過多は事実とは考えにくいです

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では1つめの説明、SACDの製造遅れはどうでしょう 実はSACDをプレス出来る工場は世界中でほんの数ヶ所…僕の記憶が正しければ3ヶ所…しかありません そこで米国内に品薄状態を起こすほどの製造遅れが発生したらどうなりますか

Jaguarounde @jaguarounde

全世界的に品薄状態となるか あるいは米国内のみ品薄となるか 前者であればEU盤は日本盤が普通に流通してる説明がつきません 後者であればEUプレスまたは日本プレスの製品を充当できるなら製造遅れがあっても出荷遅れは免れます

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そして事実、米盤ボックスにEU盤SACDが同梱された個体の有ることが確認されています つまり製造遅れは発生したもののEUプレスを充当する事で出荷遅れは回避できていたと考えるのが妥当です つまりTOISの説明はいずれも事実とは考えられないのです 本当は何があったのでしょう

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以下は憶測に過ぎません ボックス供給を止められたTOISが事実と異なる説明をしている すなわち大人の事情で表に出せない理由で日本が供給量を止められたか あるいはTOIS自身が供給を止めたか そうは考えられませんか

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一部店舗で米ボックスが流通した事と TOISの取扱停止宣言後に遅ればせながらAmazonなどが普通に取扱いを始めた事から 理由はともかく「日本に入荷が一個も出来ない」というのも事実とは考えられません そうなるとTOIS自信が流通を止めた可能性が高くなります

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陰謀論は好きではありませんかこんなブログがあります CDの値段がCCCDよりも高いワケ - いかんともしがたい app.m-cocolog.jp/t/typecast/115…

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もはや真実は闇の中ですが 東芝EMIが、アーティストやファンに対して最大限の敬意を払っていたのかというと 僕には甚だ疑問なのです 了 pic.twitter.com/v1nP4fEcCO

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