茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第1665回「流行語大賞への違和感」

脳科学者・茂木健一郎さんの12月2日の連続ツイート。 本日は、感想です。
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茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート1665回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、感想です。

2015-12-02 06:55:13
茂木健一郎 @kenichiromogi

昨日、ゲンロンカフェで東浩紀さん @hazuma と話していた時に、今年の流行語大賞の中にSEALDsが入っていた、と東さんが言って、「へえ、決まったんだ」と知らなかった私は驚いた。それから、以前から「流行語大賞」というものの扱われ方について感じていた違和感について話した。

2015-12-02 06:56:40
茂木健一郎 @kenichiromogi

「流行語大賞」が、マスコミ各社によって報じられ、一種の「権威」のように扱われていることに対する違和感は、それが、(いかに素晴らしい選考委員によって、素晴らしい選考が行われていたとしても)一つの私的な組織によって選考されている、ということに起因するように思う。

2015-12-02 06:58:37
茂木健一郎 @kenichiromogi

もちろん、すべての「選考」には何らかの視点が入る。しかし、その場合には、その「視点」を含めての賞なのであって、その賞が伸びるかのびないかは、選考の質で決定される。その意味では、フェアだと思う。

2015-12-02 06:59:34
茂木健一郎 @kenichiromogi

「流行語大賞」という選考のあり方に違和感を抱くのは、「流行」というものが、特定の選考委員会の見識ではなく、本来世間知に属するものだからである。流行しているかどうかは、多くの人がそれに関心を持ち、口に上らせているかという事実問題で、価値観が入ることではない。

2015-12-02 07:00:49
茂木健一郎 @kenichiromogi

「流行語大賞」を、マスコミが報道するのは、一年を振り返るのに便利であり、また、その中で報じられる言葉が、人口に膾炙しているからだろう。しかし、流行したかどうかは事実問題であって、「選考」するものだとは、私には思えない。

2015-12-02 07:01:37
茂木健一郎 @kenichiromogi

今の時代、ツイッターやフェイスブックなどのソーシャル・メディアがあり、どのような言葉が流行したかということは、客観的な指標でも測ることができる。流行は「選考」するものではなく、「測定」、「分析」するものであるとも言える。

2015-12-02 07:02:39
茂木健一郎 @kenichiromogi

今年の候補語を見ても、たとえば「同性婚」や「難民」が入っていない。他にも落ちているものがいっぱいあり、「流行語大賞」の選考委員会がどんなにいい仕事をしても、それは、「流行」という大きな事象のごく一部分に過ぎぬ。

2015-12-02 07:05:01
茂木健一郎 @kenichiromogi

もちろん、「流行語大賞」を毎年運営している方々の努力には敬意を表するが、そのリストを、便利だからだと、毎年まるで風物詩のように報じるメディアのあり方には違和感を抱く。そこには、安易に「権威」をつくってあとは盲従する日本的文化風土があるような気がしてならない。

2015-12-02 07:06:28
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート1665回「流行語大賞への違和感」をテーマに、8つのツイートをお届けしました。

2015-12-02 07:07:10