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  • robonagare
    「──魔法少女?」「そ、魔法少女ずずっ──母は言うことは言ったとばかりにお茶と羊羹にとりかかる。畳と和服美人と魔法少女。なにこの光景……。食い合わせの悪い画だねぇなんて逃避していると、母の隣に座っていたふりふりひらひら、母曰く魔法少女が身を乗り出して来た。 #twnovel
  • robonagare
    あなたに魔法少女になって欲しいのです。──彼女はそう切り出した。「スカウトってことですよ♪」そう言うと、その小さな肢体によく似合ったひらひらの衣装のポケットから手のひら大の紙を取り出し差しだしてきた。「《全日本魔法少女支援協会中四国支部企画課 高橋加奈》……?」 #twnovel
  • robonagare
    「はい♪とは言え今は《魔法少女 プランナ☆カナ》ですね♪――よし♪ちょっと待ってねっ」と、彼女は立ち上がるゆえによくわかるのだけれど彼女は本当に小さい。身長は150cmに足りていないんじゃないかな。と、彼女は胸元の大きなリボンの中心、ブローチをポンッと叩いた。 #twnovel
  • robonagare
    シャラン♪――音とともに彼女の肢体を鮮やかな光が包み込む。眩しくて直視できないけれど、彼女がまとったふりふりヒラヒラが光り出し、ほどけるように、とけるように消えてゆき、彼女の裸身が現れる。シルエットだけど。が、次の瞬間そのシルエットがぐぐっと、大きくなる…!? #twnovel
  • robonagare
    急激に大きくなったそのシルエットは、すでに大人の体格だ。すらりと伸びた手足に丸みのしっかりとしたヒップ、くびれたウエスト。うわぁ、バストも大きいなぁ……。と、彼女を包む光が急速に弱まっていく。――光が消えると、そこにはスーツを着こなした綺麗な女性が立っていた。 #twnovel
  • robonagare
    「ん、よし」彼女は自身の姿を確認しそう一心地つくと、「あらためて始めまして。高橋加奈です。加奈でいいわ。よろしくね♪」と、深々とお辞儀した。 #twnovel まあ人にもよるんだけどね――お茶と羊羹を堪能した母の要望により、珈琲を飲みにダイニングに移ったところで加奈さんは言う。
  • robonagare
    私の場合、最初に魔法少女に変身した時の姿になるの。成長期が来るの遅くてね?だからアレは15歳当時の私だし、この姿の方が実際のもの」――と言うことは加奈さん、年齢はにじゅぅひやぁっ!?「(にこにこ)」テーブルの向こうから身を乗り出した彼女にほっぺを摘まれていた。 #twnovel
  • robonagare
    (いたい……)加奈さん、変身しなくても結構なお力があるようで……。(て言うかなんで考えてることばれたんだろう……?)痛む頬をさすりながら話を聞く。「だから要するに、――あなたには魔法少女になって欲しいのよ「それは最初に聞きました」話が一つも進んで無い……っ!! #twnovel
  • robonagare
    「うーん、どこから話したものかしら。二つ返事だと思ってたんだけどなぁ」どんだけ希望的観測ですか貴女。「ごめんなさいね、この子、こんなに理屈っぽくなっちゃって」母までなんか言い出したっ!「あー、もうっ!とりあえずその魔法少女協会とやらについて教えてくださいよ!」 #twnovel
  • robonagare
    加奈さんの話によると《全日本魔法少女支援協会》――協会って呼べばいいって!――は魔法少女の社会的バックアップのようなことをしているらしい。「アニメとかマンガ、小説にも結構魔法少女モノってあるでしょ?あれね、結構な割合で事実を下敷きに脚色した物が混じってるのよ」 #twnovel
  • robonagare
    「私たちの協会は魔法少女を支援する。その代わりに彼女たちの戦いや日常をもとにしたフィクションを創らせてもらって活動の資金源にする。ま、わかりやすい共存関係ってことね♪」あ、そういう簡単な利害関係なら納得できる。「普通は活動中の魔法少女に協力を申し込むんだけどね」 #twnovel
  • robonagare
    「──はい?」「うん、だから今回の件はイレギュラー。でも前例が無いわけじゃないから大丈夫よ?安心してね♪」でもその言い方、あんまり前例も多いわけじゃなさそうだなぁ……。あれ?じゃあ「なんで、わざわざ?」「うん?」「いや、今回はなんで魔法少女を探さないんですか?」 #twnovel
  • robonagare
    「ビンゴっ!!」 !? び、びっくりしたぁっ!(涙)加奈さんいちいち身を乗り出してくるんだもんなぁっ! こちらのドキドキなど素知らぬ風に、椅子に座り直した加奈さんは続ける。「それこそが今回の肝であり問題点なわけなんだけど──いないのよ、魔法少女が単純明快だった #twnovel
  • robonagare
    「殊、この件に関しては魔法少女に限らないんだけどー……──うん、じゃあ中四国じゃちょっとイメージ広いし県内に限ろっか。では問題です。ばばんっ♪ここ広島県が舞台の創作物を3つ、あげなさい。制限時間は──」「『たまゆら』『朝霧の巫女』『海猿』「はやいねっ!? #twnovel
  • robonagare
    「これでも結構そういうの好きなんです。実はチェックしてるんですよ?」ふふん、と胸を張る。ちょっと誇らし──うっ!? (な、なんか向こう側から殺気が……っ)カチャン 「あら?それだけなのかしら?」カップを置いた母がにこにことこちらを見ていた──目が笑っていないけど #twnovel
  • robonagare
    「い、いえす!マァム!!なんといっても広島県と言えば大林宣彦監督尾道三部作であります!『転校生』『時をかける少女』『さびしんぼう』!中でも『時をかける少女』は筒井康隆原作の同名小説初の映画化作品であり、その後の時かけ作品に大きな影響を──」教育の賜物である #twnovel
  • robonagare
    こ、こほんっ「えっとね、何が言いたいかと言うと、ここ最近は広島県に限らず、この一帯、中四国地方での魔法少女、その他の異能力者の活動が極端に観測されてないってことなの」「えっと…、それじゃあ『朝霧の巫女』も――」「うん、あれは宇河先生の素敵な作品よね♪」むぅ…… #twnovel
  • robonagare
    「それで、なんだけど、――私たち協会としては、このいわゆる『魔法少女空白地帯』になっちゃってる中四国地方にね、新たに魅力的な魔法少女を生み出して、なんて言うのかな、盛り上げていきたいって、そういうわけなのよ。分かってもらえたかな?」わからなくはないんだけど…… #twnovel
  • robonagare
    「む、なんか表情が警戒したままねー。そんなにお姉さん信用ないかなぁー。およよよよよよよ」棒読みじゃないですか加奈さん。「いや信用もしてますし、そう言う問題でもなくってですね……」「じゃあ何が問題なのかな?いいじゃん、なっちゃおうよ魔法少女!軽いなぁ魔法少女―― #twnovel
  • robonagare
    「実際、うちの支部はもう新しい魔法少女の受け入れ態勢準備万端で、当の魔法少女さえ来てくれればいつでも活動できるんだよ!」うっ「しかも現状他に活動している魔法少女がいないわけだから、支部総出で全面強力バックアップなんだよっ!」うう……「それにね――っ」「――カナ」 #twnovel
  • robonagare
    唐突に響いたもう一つの声。言うまでもない、母だ。それは特に大きな声では無かったが、加奈さんにもしっかりと届いたようで、いつの間にか机の上にまで乗り出した身もそのままに母の方を向く。「はい?なんですか先生?」母はエッセイやノンフィクションがメインの物書きなのだ。 #twnovel
  • robonagare
    あれ?でも加奈さんも母さんを肩書きで呼ぶんだ?)ますます二人の関係が分からない。と、母が続ける。「貴女、やっぱり交渉事には全然向いていないわね」くすくすと母が笑う。「それと、最初に言っておいたでしょう――無理強いはダメですよ、と?」加奈さんの横顔が引き攣った。 #twnovel
  • robonagare
    ご、ごめんなさい先生っ」加奈さん半分涙目だ。「あら、分かってもらえればいいのよ。貴女にも事情があるもの、やり過ぎも仕方ないわ」ん?母が優しい?「先生……っ!!」「でも次は無いからね?」ああ、普段通りだ。「さて、それじゃ貴女はちょっと座って落ち着いてなさいね」 #twnovel
  • robonagare
    はい……──と椅子に座り直した加奈さんはなんだかうなだれているようで。少し心が傷む。でも「母さん──」「ええ、母さんと少しお話しましょう?」 #twnovel 「魔法少女になるのはイヤ?」こういう時、母はすごく率直だ。だからこそ「イヤ……って事は、ない、と思う」きちんと答えないと
  • robonagare
    「たぶん、まだよくわからない、って言うのが正直な気持ち、かな?」「──はい、いいでしょう」ほっ、良かった。そっと胸を撫で下ろす。「でも質問に疑問で返してはダメですよ」ふふ、と母が微笑う。「では、わからない事がある時は?「きちんと質問する」「はい、その通りね♪」 #twnovel
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