夫婦別姓選択制より複数姓名併用制のほうがいいと思う

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ショーンKY @kyslog

今回の最高裁判決を受けて夫婦同姓・別姓論を見てきたうえで、個人的には複数姓名併用制がベストであろうと考えるようになりました。併用制は同姓派、別姓派のいずれも満足するのみならず、そのいずれでも満たされない部分までを満足させることができます。

2015-12-18 21:47:31
ショーンKY @kyslog

選択制であっても満足できない問題は、一つは「TPOによって使い分けられることが最適である」ことであり、もう一つは「選択できないことも選択させられることも苦痛である」ということです。

2015-12-18 21:48:12
ショーンKY @kyslog

TPOによる使い分けが望ましい極端な例として、「配偶者とは別姓でよいが子とは同姓でありたい」という例をあげましょう。例えば、離婚時に親権を得た子供を自分の姓に改めることは一定割合でありますが、これは親が家族と同姓であることを望む一つの例と言えるでしょう。

2015-12-18 21:49:13
ショーンKY @kyslog

また国内で夫婦別姓を試みているカップルでも、子供の姓を配偶者間で同数に割り振ろうとする行動が見られます(原告の方がそうでした)。子供との同姓に意味がないならこのような行動は必要ないので、夫婦は別姓でよくとも子供とは同姓でありたいという表現なのでしょう。

2015-12-18 21:49:24
ショーンKY @kyslog

「同姓でなければ家族の絆が保てないなんてバカバカしい」という意見は強く、また私もそう思いますが、それは同時に子とは同姓であることを願う離婚し親権を得た親や夫婦別姓派を馬鹿にしていることもまた否定しえないもので、私は諸手でそれを持ち上げることは憚ります。

2015-12-18 21:49:49

加筆ですが、普通に配偶者として・実父母の子としてで使い分けたいケースなどいろいろあると思います

ショーンKY @kyslog

もう一つは、同姓であれ別姓であれ選択すること自体がライフスタイル・思想に関するある種の意思を周囲に対して表明していることになり、そういう意見を持った人だと見られてしまうことそれ自体が苦痛である、というものです。

2015-12-18 21:50:08
ショーンKY @kyslog

前出のツイで「夫婦別姓派でも子供とは同姓でいたいんでしょ?」と挑発しましたが、これに「余計な忖度はするな」と反感を持った方もいるでしょう。併用制ならそのような忖度による苦痛は避けることができるわけです。

2015-12-18 21:50:22
ショーンKY @kyslog

この意見は完全に私の視野外にあって初めて見たときは驚きましたが、これは選択制である限り必ず生じてしまう問題であり、この問題を回避して選択制と同じ効用を得るには併用制を選ぶしかないでしょう。

2015-12-18 21:50:40
ショーンKY @kyslog

二つの問題を包括すれば、複数姓名併用制はアイデンティティなど内心に関する部分を完全に個人の内部に委ねられることが利点です。制度が内心のありようの幅を狭めてしまうことなく、「世間のしがらみで同姓/別姓にしたが、せめて内心は逆側でありたい」といった考えにも応えることができます。

2015-12-18 21:51:16
ショーンKY @kyslog

加えれば、最高裁判決にもあったように筆名や芸名の法的有効性も包括し、名前の柔軟性を持たせられるとよいでしょう。それによる個人識別の機能の低下は、今後はマイナンバーのような識別用記号の併用ができるようになるでしょう(個人的にはOAuthのようなトークン式が良いと思いますが) 以上

2015-12-18 21:51:36

日本にはもともと成人時時の名前変更や襲名というシステムがあり、同じ名前を一生使うということもありませんでした。複数名併用制は、戸籍制度によって失われた《日本の伝統のある一側面》を復活させることにもなり、新しい社会のありかたと伝統的な在り方の両方を包摂することができるでしょう。