「悪堕ちするのはどちらか」投票結果

悪堕研究機構 @utakuochi

【悪堕ち格付けチェック】 悪堕ちするのはどちら？ A. 挙式を前に、国王の命で友人と共に魔王退治に遣わされた騎士 B. 敵国の侵略で父と祖国を失い、祖国復興を夢見て弟を探す旅に出る王女 ※どちらが正解という投票ではございません

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【補足】「悪堕ち格付けチェック」と題しているため、悪堕研究機構が設定する「正解」は存在します。しかしながら悪堕ちジャンルは時代によって移ろいゆくもの、この投票の結果が現代の「悪堕ち」となると断言してよいでしょう。

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【補足2】設問の意図として、Aの物語とBの物語は全く関係ないです。例えば「Aの友人がBの弟」というクロス的な設定は一切ない前提で、Aの物語・Bの物語で悪堕ちするのはどちらか考えていただければ幸いです。

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悪堕ち格付けチェック、投票終了です。結果は添付の通り、A:B=48%:52%でBの王女が悪堕ちするという意見が優勢になりました。さて、ここから解説に入ります。 twitter.com/utakuochi/stat… pic.twitter.com/7tmoCPgMCp

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投票結果ではBとなりましたが、堕研の提示する解答はAです。これは何人かから指摘がありましたが、Aがライブ・ア・ライブのオルステッド、Bが聖剣伝説3のリースのことで、実際に悪堕ちしたのはAのオルステッドの方で、リースは実際には悪堕ちしないキャラだったからです。

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弊研はこれまで魅力的な悪堕ちは何か、悪堕ちする人の特徴は何かを述べてきました。最も重要な要素は「悪が存在すること」で、次いで「堕ち前と堕ち後のギャップがあるか」が重要になります。悪堕ちの形式美を重視するなら「堕ちる前から悪堕ちする要素を備えている」ことも重要でしょう。

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「悪が存在するか」という観点では、Aは「魔王」という概念があり、これが絶対的な悪になり得ます。Bも「敵国」という悪が存在しますが、戦争においては敵であっても悪と断言しづらいという経緯があり、ややAに比べてBの悪の所在がはっきりしない部分があります。

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実際の話、Aにおける魔王は、実際にオルステッドが魔王＝（ルートによっては）ラスボスとなり、巨悪感があります。Bにも巨悪は存在しますが、敵国もまたその巨悪によって操られていた存在であり、結果論になりますが、Bの説明文から悪が何であるかを明確にすることは難しいと考えます。

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「堕ち前と堕ち後のギャップ」ですが、この場合は堕ち前が幸せな方が堕ち後の悲惨さが強調されます。Aは「婚約者がいる」「国王から勅命が下るほど高位な騎士」「信頼できる友人」という幸せな要素を備え、一方でBは「父を失い」「祖国を失い」「弟も行方不明」という悲劇から物語が始まります。

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なお、この「婚約者」「信頼できる友人」というのがオルステッドの悪堕ちにおいて非常に重要な役割を果たします。今回の格付けチェックでは「問題文に書かれていないことを推測する」というのは出題の意図から外れるため参考程度ですが、実際に悪堕ち物語を作る際には罠を張り巡らせたいものです。

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「堕ちる要素を備えているか（悪堕ちフラグ）」という観点では、AもBもそこまで変わらないでしょう。Aは「挙式を前に」から「婚約者がどうにかされる」と想像、Bは「弟を探す」から「実は弟がどうにかされている」と想像できますが、いずれもこの情報を悪堕ちと結び付けられるものではありません。

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例えばこれが、Aが「騎士」ではなく「対魔忍」ならばAが悪堕ちしますし、Bが「王女」ではなく「姫騎士」ならばBが悪堕ちしますし、更にAを「実力では上の友人」にするだけでコンプレックスこじらせて堕ちますし、Bを「祖国復興のための力を探す旅に出る」とすると力に取り込まれて悪堕ちします。

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これまでの解説を踏まえて、悪堕ちの歴史的にも、悪堕ち研究結果としても、Aが悪堕ちとして正解と弊研は考えております。しかし、投票を行うときに申し上げましたように、悪堕ちとして正しいのと、投票結果は異なる可能性があるもの、いわば「読者が求めている悪堕ち」はBという結論になりました。

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この投票は、文章をそのままに捉えて素直に考えると正解にたどり着きやすいです。深読みすると、解説しましたような裏設定を考えてしまい、どちらも悪堕ちするという結論にたどり着いてしまいます。そうなったときに「じゃあ自分はどっちが堕ちたほうが好きか」という流れになるのではないでしょうか。

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選択肢のAは女性が求める悪堕ち、Bは男性が求める悪堕ちを意識しています。投票者の内訳は不明ですが、本アカウントのフォロワーは65%が男性、35%が女性とされていますので、「Aがオルステッドのことである」と気付く人が一定数いたとしても、Bが優勢になるだろうという予想はありました。

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この結果からは、2つの可能性が考えられます。1つ、悪堕ちは「男性視点」での考えが優勢であること。これは性別に関係なく「女性キャラが堕ちるもの」と考えられている可能性があります。もう１つは「悪堕ちだと思える物語」と「このキャラを悪堕ちさせたいという願望」に相関性がない可能性です。

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これをもうちょっと拡大解釈すると、幸せの絶頂にある野郎を堕とすよりも、悲劇の王女こそ悪堕ちに相応しい、と考えられます。その前提であれば敵国の存在は敵国に堕ちる妄想に繋がりますし、行方不明の弟の存在は既に堕ちた弟による連鎖堕ちの妄想に繋がります。なるほど、業が深い。

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さて、なぜ聖剣伝説3のリースが悪堕ちと相性がよかったかに関しては下記togetterにまとめております。 竜将リースと悪堕ち界のプリンセス - Togetterまとめ togetter.com/li/765820 @togetter_jpさんから

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ちなみにリースですが、特に作中でダークサイドに堕ちる描写もなく、祖国の復興も序盤で叶いますし、敵国も実は巨悪によって操られてただけで解放を手伝いますし、弟との再会は最後（中盤で再会するルートもある）で特に洗脳されているわけでもなく、堕ちたら後は上がるだけの典型的な主人公です。

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一方でオルステッドにはただ堕ちるのみのシナリオが用意されます。婚約者をさらわれ、親友を失い、戦友を失い、国王を幻惑で殺害し、親友の裏切りに会い、親友を失い（大事なことなので二回言いました）、婚約者を失い、そして勇者としての存在意義を失った。その絶望が彼を魔王へと変質させました。

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A. 挙式を前に、国王の命で友人と共に魔王退治に遣わされた騎士 順風満帆な生活を送る王国の騎士は、自分に対するコンプレックスを爆発させた人物によって貶められるも不屈。たとえ婚約者に止めを刺されたとしても彼の人生に敗北はなく、ただこの世に絶望して魔王へと堕ちた。

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B. 敵国の侵略で父と祖国を失い、祖国復興を夢見て弟を探す旅に出る王女 幼い頃に母を失い、敵国の侵略で父も祖国も失い、弟と離れ離れになったアマゾネスの王女は、やがて世界の命運を掛けた戦いへと身を投じ、多くの仲間と出会い、多くの悪と戦い、最後に弟と再開する。

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ちなみに、多くの作品で登場するリースと対象的なオルステッド、昨年ようやく他作品に登場しました。 バーチャルコンソール版『ライブ・ア・ライブ』配信記念で『FFレジェンズ』＆『ホーリーダンジョン』コラボ開催 [ファミ通app] app.famitsu.com/20150624_53841…

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結論です。「悪堕ちするのはどちらか？」というアンケートを行ったところ、オルステッドを模した騎士よりも、リースを模した王女の方が悪堕ちすると答えた人が多かった。これは悪堕ちを嗜む者にとってセオリー（歴史）は重要でなく、与えられた設定の裏を読む能力が発動する可能性を指摘しました。

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また設定を見ても、順風満帆な騎士よりも、様々なものを失った不幸属性の王女の方が堕としがいがあるという、悪堕ちジャンルにおける女性キャラ優位は今だ健在という印象を受けます。更に、本人が幸せかどうかは悪堕ちに関係なく、周りの環境によって堕ちるかどうかが決まる可能性もありました。