勝俣医師、「インチキがん免疫療法クリニック」について怒り・嘆き・警鐘の連ツイ

「がん免疫療法って?」という方は、まず、ちょっと下の方の過去のツイートからご覧ください。「免疫療法を全否定」ではないことがおわかりいただけるはず。 あたしはいわゆるがん家系だし、身内にがん患者が多いので、他人事ではないのです。
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リンク twitter.com 勝俣範之(@Katsumata_Nori)さん | Twitter 勝俣範之 (@Katsumata_Nori)さんの最新ツイート。腫瘍内科医です。日本医大武蔵小杉病院に勤務しています。「がん」という病気を通して、患者のための医療とは?国民のための医療とは?人間のための医療とは?を真剣に考えています。
リンク nkatsuma.blog.fc2.com 腫瘍内科医 勝俣範之のブログ 腫瘍内科医とは、がん患者のあらゆる問題に対応する「がん」の総合内科医です。抗がん剤や緩和療法、適切な治療のナビゲーターの役割もします。

勝俣医師の怒り・嘆き・警鐘

勝俣範之 @Katsumata_Nori

最近、以前にも増して、インチキがんクリニックが大流行しています。ほとんどの初診患者さんがこのクリニックの話をします。インターネットで必ず上位に上がってきて、腫瘍内科を名乗り、オプチーボと合わせて、自分のところの怪しい免疫療法させようとしています。皆さん、騙されないように。

2016-01-08 16:17:33
勝俣範之 @Katsumata_Nori

このオプチーボ(ニボルマブ)の投与量が1回40mgと、とてつもなく低用量。標準量は100~150mgなのだが、標準量にしてしまうと、値段が半端なくなってしまうので、オプチーボをあえて少なくして、自社のエビデンスのないリンパ球療法を売りつけたいのでしょう。

2016-01-08 16:20:34
勝俣範之 @Katsumata_Nori

本日の患者さんのご家族が、オーストラリアに住んでいたらしいのですが、オーストラリアではこのような免疫療法の広告は見たことなかったとのことです。怪しいと思ったけど、お医者さんがやっているので、信じてしまうところだったと。私の受診の後に行こうと思っていたとのこと。危ない、危ない。

2016-01-08 16:22:17
勝俣範之 @Katsumata_Nori

医師がやるがんの自由診療がここまで制限なく自由にできている国は先進国で日本以外で聞いたことがありません。このようなインチキ治療を容認しいるようでは、いつまでたっても、標準治療や臨床試験、緩和ケアの推進などできないと思います。

2016-01-08 16:25:34
勝俣範之 @Katsumata_Nori

あるがん免疫クリニックではこれまで受けた患者さんの実績が2万例だという。新薬の治験よりも、インチキクリニック治療を受ける患者さんのほうが多いという悲しい現実。これじゃあ、日本で新薬開発などできるわけがない。

2016-01-08 16:28:24
勝俣範之 @Katsumata_Nori

がん免疫療法は、最近では、一般の開業医さんも自由診療として、始めているところが多い。大量ビタミンC療法はお愛想。開業医も真面目に診療しても経営が苦しいので、そういったものに手を出してしまうのでしょう。勤務緩和ケア医に疲れて、免疫クリニックの高給の誘惑に負けてしまう医師もいる。

2016-01-08 16:34:14
勝俣範之 @Katsumata_Nori

ひどいのは、元がんセンター、がん専門病院の医師が、定年後、こうしたクリニックで小遣い稼ぎをしている。現役がん専門医師が非常勤医師として、アルバイトもやっています。こうなると、ますます患者さんには、何か正しい治療なのか全くわからなくなってしまいます。

2016-01-08 16:38:52
勝俣範之 @Katsumata_Nori

真面目にやっているがん専門病院の勤務医は、患者さんにまず標準治療をやってもらうことを説得するためにますます忙しくなってしまいます。インチキクリニックに行かないように説得するのも疲れるので、「行ってみたら、紹介状書くから」と言ってしまう気持ちもわかります。

2016-01-08 16:41:30
勝俣範之 @Katsumata_Nori

患者さんには罪はないと思います。罪なのは、インチキとわかっていて、患者さんの弱みにつけこんで、商売しようとする者がたくさんいるということです。いや、現在では、インチキかどうかもわからないけど、皆がやっているから、自分もというレベルで流行ってきているように思います。

2016-01-08 16:50:54
勝俣範之 @Katsumata_Nori

私の友人の緩和ケア医も、免疫クリニックの人に誘われたそうです。当直ないし、患者が死なないし、給料高い(現在の2倍以上)、効かなくて悪化したら、元の病院に行くように言えば良い、と言われ、「思わずクラっと来てしまいました」と。でも思い直して、「魂は売るまい」と思い、断ったそうです。

2016-01-08 16:56:09

免疫療法に関するあれこれ

勝俣医師は、免疫療法そのものを否定しているわけではありません。「免疫療法を謳ったまがいものがある」という立場です。その辺をおわかりいただくために、過去の免疫療法についての言及をいくつかご紹介。

勝俣範之 @Katsumata_Nori

ニボルマブは免疫療法と呼ばず、分子標的薬と呼んだほうが、誤解されずに済むように思います。エビデンスもなく、保険も効かず、効果もなく、高額な医療費をふんだくる免疫細胞療法とは違います。ニボルマブフィーバーにかこつけて、免疫細胞療法屋さんが、これに乗じて宣伝しようとしているので要注意

2015-10-16 18:58:35
勝俣範之 @Katsumata_Nori

民間療法や怪しげな免疫療法を受けたいという患者さんの希望は、もちろん否定はしません。ただ、患者さんは、それに過大な期待をしてしまうので、適切な抗がん剤や、適切な緩和ケアを受けられずに終わってしまう方が多いので残念に思います。

2015-09-25 13:30:35
勝俣範之 @Katsumata_Nori

インチキな免疫療法やっているクリニックも患者集めに必至です。あきらめないがんネットワークとか、一見普通の団体のように見せかけて、実はそのHPを主催しているのがそのクリニックだったりして、有名な先生を取材してたりして、巧みに利用しています。

2015-09-15 11:58:52
勝俣範之 @Katsumata_Nori

新規分子標的治療薬(新免疫療法)のニボルマブだって、たった418人のデータで承認されたのです。数千人やっても、きちんとしたデータなく承認されないという治療は止めるべき。 ow.ly/QjkcI

2015-07-31 12:53:30
勝俣範之 @Katsumata_Nori

カルト医療、インチキな免疫療法などにしっかりとNOと言わないと、日本でまともな臨床試験や治験が推進するのはいつまでたっても難しいと思う。患者さんには、両者の区別がつきにくいのです。むしろ、カルト医療やインチキ免疫療法を受ける人のほうが多い現状。

2015-07-31 12:33:07
勝俣範之 @Katsumata_Nori

免疫チェックポイント阻害剤は免疫療法の一種ではありますが、日本で免疫療法というと、インチキな免疫細胞療法と混同されてしまう。新しい分子標的薬と言ったほうがよいと思う。

2015-07-31 11:29:25
勝俣範之 @Katsumata_Nori

世界で話題の免疫療法は免疫チェックポイント阻害剤というものであり、分子標的薬としての抗体薬です。日本で保険が効かない怪しい免疫療法は、リンパ球を使った免疫細胞療法というものであり、全く別物です。有効性のエビデンスは全くありません。このあたり、しっかりと区別する必要あり。

2015-07-31 11:26:49
勝俣範之 @Katsumata_Nori

放置療法も、インチキ免疫療法も、患者さんの弱みにつけこんで根拠ない治療を勧めるという点ではかなり共通していると思う。患者さんは、洗脳されていて、信じて治療を受け、結局悪化して亡くなることが多いので、裁判にもならない。唯一放置療法が良い点は、お金がかからないという点である。

2015-01-23 12:40:11
勝俣範之 @Katsumata_Nori

私の患者さんで、「抗がん剤止めて、免疫療法したい」というので、「免疫療法にお金使うくらいなら、世界一周行けるよ」と言ったら、「じゃあ、世界一周に行きたい」と。抗がん剤をやり、世界一周3か月の旅に出かけました。帰ってきたら、「もう一度世界一周に行きたい」というので、2回行きました。

2014-11-09 23:43:49
勝俣範之 @Katsumata_Nori

免疫療法で1000万円使った患者さんがいると聞きます。それで治ったのならまだいいのですが...。皆さん、1000万円あったら、何に使いたいでしょうか?藁でしかない免疫療法に使いますか?

2014-11-09 23:37:19