- tasobussharima1
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荒野を奇妙なキャラバンが往く。先頭を走るのは、リフトアップ改造された黒塗りの4WDセダン。その後部には、神輿めいた装飾が施されている。 そして……運転席に座る男達の頭は殆どが皆禿げ上がっていた。後列の車の外部スピーカーからは、特殊周波数へ変調されたジャミング般若心経が流れる。
2016-01-12 21:04:06彼らの大半は僧侶とその家族だ。『不運にも』徳カリプスを逃れた僧侶達に安穏は無かった。彼らの多くは不良僧侶であったが、全人類の解脱を目指す得度兵器にとって魅力的存在であることに違いはなかった。そして……彼らの敵は機械兵器だけではなかった。
2016-01-12 21:08:05「不運にも」、か。社会においては破滅の原因でもあり、都市から離れれば得度兵器のターゲットでもあり…… #徳パンク
2016-01-12 21:12:19徳ジェネレータの動力源として、彼らは生存した人類からも狙われた。人々に安寧を齎す聖職者ではなく、バッテリーや化石燃料の代わりとして、廃仏毀釈めいた無慈悲な僧侶狩りが始まったのである。それは、徳エネルギーへの恐怖心が捌け口を求めた結果の人身御供であったのかもしれない。
2016-01-12 21:12:17徳カリプスの性質上、生き残った人達は根本的に徳の低い人達だから純粋に生き残ろうとするとそうなるのか。さらにこれが徳の高い僧侶であれば自ら徳エネルギーを提供したかもしれないが、なにぶん徳カリプスを生き延びた僧侶達は不良僧侶である…… #徳パンク
2016-01-12 21:16:04無論、その身をソクシンブツと化し、人々に捧げた徳の高い達も多く居た。だが、全ての者がブッダになれる訳ではない。そして、そのような僧侶達は自らに振りかかる危難から逃れるために武装化し、流浪の旅を始めた。それがこのキャラバン即ち移動寺院であり、彼らはいわば機械化僧兵なのだ。
2016-01-12 21:16:06徳ジェネレータは生きた人間から徳を取り出すことも想定されていたようだが、基本はソクシンブツ化なのだろうか……徳カリプス前の時代、徳エネルギーを抽出した後の人間はどうなっていたのだろう? #徳パンク
2016-01-12 21:18:22