「平成28年度 センター試験ごっこ 宇宙物理」解答&講評

「平成28年度 センター試験ごっこ 宇宙物理」試験問題はこちら→ togetter.com/li/926777
9
mak(まっく)@XJ6 Div. @Knuckle11

<平成28年度 センター試験ごっこ 宇宙物理> togetter.com/li/926777 宇宙物理たんbot (.@astrophys_tan)による、微積を使わず高校物理(+理科年表)で解答可能な『宇宙物理』のセンター試験、興味ある方はぜひチャレンジ!制限時間は60分!

2016-01-18 12:49:03
宇宙物理たんbot🌏☄️学術系VTuber @astrophys_tan

平成28年度「学術たんセンター試験(愛称:センター試験ごっこ)宇宙物理」の解答速報を貼っておきますのよ。 (問題文はこちら twitter.com/astrophys_tan/… ですわ。) #学術たんセンター試験 #センター試験ごっこ pic.twitter.com/aZfi5OZnkR

2016-01-18 18:53:02
宇宙物理たんbot🌏☄️学術系VTuber @astrophys_tan

#学術たんセンター試験 #センター試験ごっこ   平成28年度 センター試験ごっこ 宇宙物理   問題は以下に続く。(隊列は君に続く)

2016-01-17 15:31:37
拡大
宇宙物理たんbot🌏☄️学術系VTuber @astrophys_tan

解答速報にお受験者数とご正答率をお書き添えして貼り直しましたのよ。

2016-01-18 18:53:52
宇宙物理たんbot🌏☄️学術系VTuber @astrophys_tan

さきほど学術たんセンター試験宇宙物理のご受験生の方からご指摘をいただいたのですけれど、大問3問5の正答は肢④ではなくて肢③ですので泣いてお詫びして訂正申し上げますのよ。今夜はわたくし泣きながら眠ります。

2016-01-19 12:50:12
宇宙物理たんbot🌏☄️学術系VTuber @astrophys_tan

乗りかかった船で問題講評も書いてしまいましたので投下したいと思いますわ。おTL汚しごめんあそばせ。

2016-01-18 19:03:25
宇宙物理たんbot🌏☄️学術系VTuber @astrophys_tan

平成28年度センター試験ごっこ宇宙物理 【問題講評】 (問題文は、 twitter.com/astrophys_tan/… を参照すること。)

2016-01-18 19:04:46
宇宙物理たんbot🌏☄️学術系VTuber @astrophys_tan

【総評】大問数は5個、設問数は21個。電磁気のネタ切れにより、力学にだいぶ偏った出題である。坂本真綾様楽曲から1題出題する方式は、昨年度の二次試験ごっこを踏襲する形となった。リアルセンター試験と違って最後の大問が選択問題になっていないのは、作問者の挫折が原因と言えるだろう。

2016-01-18 19:04:55
宇宙物理たんbot🌏☄️学術系VTuber @astrophys_tan

【大問1:小問集合】宇宙物理に出てきたり出てこなかったりする物理量の大まかな大きさについて、基本的な理解というかむしろ勘を問う問題である。ちゃんとした宇宙物理の先生に良問とのお褒めにあずかりこれには仕掛け人も思わず苦笑い。 twitter.com/tsumura_isas6/…

2016-01-18 19:05:01
津村耕司 @tsumura_isas6

ガチンコの宇宙物理の先生というわけでもないが。。。特に大問1が良かったです。 twitter.com/astrophys_tan/…

2016-01-18 00:45:45
宇宙物理たんbot🌏☄️学術系VTuber @astrophys_tan

問1では、人体の血管の総延長は地球数周ぶん、月までの距離は地球半径より長い、木星は地球より大きい、という知識を用いる。太陽のシュヴァルツシルト半径が数㌔㍍であることは第2宇宙速度の導出と同じ理屈で計算でき、これは地球半径よりも何桁も小さい値である。

2016-01-18 19:05:28
宇宙物理たんbot🌏☄️学術系VTuber @astrophys_tan

問2では、太陽質量をだいたいの基準として考える。ベテルギウスは超新星爆発しそうなほど太陽より重い、白色矮星は太陽質量とコンパラ(1.4倍くらい)、太陽系の天体の総質量はほとんど太陽質量と同じ、HIIBロケットでどうこうできる質量は太陽質量より何十桁も小さい、という知識を用いる。

2016-01-18 19:05:35
宇宙物理たんbot🌏☄️学術系VTuber @astrophys_tan

問3では、太陽の天の川銀河中心に対する公転周期が、銀河質量をもつ中心天体が軽い太陽を万有引力で等速円運動させるとして、だいたい2億年ぐらいと簡単に見積もれる。太陽の寿命は100億年ぐらい、宇宙年齢は100億年とコンパラ、恒星質量ブラックホールの寿命は100無量大数年ぐらいである。

2016-01-18 19:05:49
宇宙物理たんbot🌏☄️学術系VTuber @astrophys_tan

なお、問3はヘーラルト・トホーフトほか『タイム・イン・パワーズ・オブ・テン』(東辻訳、講談社、2015)をお読みの皆様にはボーナス問題であったと言えるだろう。 amazon.co.jp/dp/4061531557

2016-01-18 19:05:56
宇宙物理たんbot🌏☄️学術系VTuber @astrophys_tan

問4は、原子・核・素粒子が絡んでくると巨視的には個数が物凄く多くなる、という感覚が要求される出題であった。恒星は天の川銀河に数千億個存在する。これに対し、1モルを構成する分子数が6千垓個であり、常温・1気圧の空気1㍑中の窒素分子はそれとせいぜい1桁くらいしか違わないこと、

2016-01-18 19:06:08
宇宙物理たんbot🌏☄️学術系VTuber @astrophys_tan

さらに、1立方光年の星間ガスを1点にかき集めると太陽が1個程度作れる(何桁かのばらつきあり)ので、太陽1個ぶんのモル数があることを比較すればよい。また、1秒あたり人体を貫く太陽ニュートリノは数百兆個であることは一般向け科学記事にも頻出であるので、証明なしに用いてよい。

2016-01-18 19:06:26
宇宙物理たんbot🌏☄️学術系VTuber @astrophys_tan

問5は、宇宙物理たんbotの投稿を平素お読みの皆様にはなじみ深い設問ではあるが、肢①の計算に積分、肢③の計算に高校物理の範囲外の慣性モーメントが出てくるので出題ミスである。作問者には猛省を促したい。

2016-01-18 19:07:05
宇宙物理たんbot🌏☄️学術系VTuber @astrophys_tan

【大問2:力学】Aは、ばね振り子の振動周期を素材とした出題であった。問1では、空の容器の質量がm₀でありこれを引き算する必要があること、問2では、表面重力加速度がいくらであっても「おもりの平衡点」を中心とする周期が変化しないことに気づくことがポイントである。

2016-01-18 19:07:12
宇宙物理たんbot🌏☄️学術系VTuber @astrophys_tan

問1で肢②を選びつつ問2で肢③を選ぶ誤答例 twitter.com/astrophys_tan/… が散見されたが、検算として無重力状態を考え、gₓ = 0を代入してみたとき問1の結果と食い違うことを確認すれば、問2の肢③は誤りの肢であると気づくことができる。

2016-01-18 19:07:24
宇宙物理たんbot🌏☄️学術系VTuber @astrophys_tan

Xの地表上に静止している宇宙船内において、ばねで鉛直に吊り下げられた容器に質量mの宇宙飛行士を入れて単振動をさせると、周期はTₓであった。mを表す式として最も適切なものを、次の①~④のうちから一つ選べ。

2016-01-17 15:40:31
宇宙物理たんbot🌏☄️学術系VTuber @astrophys_tan

Bは、完全非弾性衝突を素材とした出題であった。完全非弾性衝突により衝突後の2物体の速度が一致すること、物体Aの質量が非常に大きいことを考慮すればよい。なお、物体A、物体Bの質量としては、それぞれ地球、だいたい直径10 kmぐらいの隕石を想定している。

2016-01-18 19:07:38
宇宙物理たんbot🌏☄️学術系VTuber @astrophys_tan

【大問3:力学】A、Bあわせて一連の問題であり、万有引力を素材とした出題であった。Bは、簡単な考察でラグランジュ点L4(L5)を求める問題である。共通重心Oの並進は考慮する必要がないので、Oに原点を固定し、角速度ωで回転する座標系に乗って考察することがポイントである。

2016-01-18 19:07:54
宇宙物理たんbot🌏☄️学術系VTuber @astrophys_tan

この座標系に乗ると、天体S1、S2は万有引力と遠心力が釣り合って静止していると考えられるので、例えば文章AにおいてS1に働く力が正味ゼロになっている式を書き下すと、以下のようになる(原点から離れる力の向きを正とした)。 pic.twitter.com/GmPdKgHwKM

2016-01-18 19:08:13
拡大
宇宙物理たんbot🌏☄️学術系VTuber @astrophys_tan

文章Bでは、天体S1から宇宙機Pに働く万有引力、天体S2からPに働く万有引力、遠心力、という3つの力が釣り合ってPが静止していると考える。2つの万有引力の合力(左辺第1項)と遠心力(左辺第2項)との釣り合いの式は、以下のようになる。問4は、この式が成り立つrを肢のうちから選ぶ。

2016-01-18 19:08:23
宇宙物理たんbot🌏☄️学術系VTuber @astrophys_tan

(なお、問1と問3の結果を使ってωを消去し、M_1=M_2=Mとしている。) pic.twitter.com/yjJpxwjiIf

2016-01-18 19:08:46
拡大
宇宙物理たんbot🌏☄️学術系VTuber @astrophys_tan

この導出は、共通重心からの距離rと天体からの距離√{(1/4)a^2 + r^2}とを混同しがちで受験者にもしこたま面倒くさいと思われるが、作問者も微積を使わない縛りという制約の中で宇宙物理的に意味のある問題の作成に苦心しているので勘弁してほしい。

2016-01-18 19:09:09
宇宙物理たんbot🌏☄️学術系VTuber @astrophys_tan

問5の答の導出は、位置エネルギーと運動エネルギーの和を考え、以下のようになる。(進んだ注:ロッシュポテンシャルの通常の議論とは遠心力ポテンシャルの符号の取り方が逆になることに注意したい。) pic.twitter.com/Ko8YA0teZa

2016-01-19 23:17:28
拡大
宇宙物理たんbot🌏☄️学術系VTuber @astrophys_tan

【大問4:熱力学?】Aは、次元解析を素材とした出題であった。これは熱力学でも何でもなく単なる算数であるが、宇宙物理ではこういった次元合わせ算数パズルでもっともらしい量を構成する作業が極めて重要である。この問題を解くに限っては、セドフ解が何であるかの知識は一切必要ない。

2016-01-18 19:09:25