編集部イチオシ

グリム童話に見る一打七闘殺

自分用まとめ。だんだん民明書房化していくのが面白かったので
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冷蔵庫 @wild_fridge

一打七闘殺 グリム兄弟が編纂する前の童話になんかすごい必殺技が出てきた ※『初版以前グリム・メルヘン集』より pic.twitter.com/ZGU1m9t41W

2016-01-28 08:01:06
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冷蔵庫 @wild_fridge

この童話、拳による殴り合いで木が切り裂かれるなど、全体的に攻撃力が高い

2016-01-28 08:05:37
灼鋼/しゃっこー @arahavaki

一体原文はどうなっているんだろう、一打七闘殺

2016-01-28 08:19:01
冷蔵庫 @wild_fridge

どうも原文ではジーベン・アウフ・アイネン・シュトライヒ・ゲシュラーゲン(Sieben auf einen Streich geschlagen)っぽい。合ってるかはわからぬ

2016-01-28 09:08:56
シロガネ亭カズラノフスキー @vinethesilver

溢れ出る民明書房感@wild_fridge: 「一打七闘殺」 グリム兄弟が編纂する前の童話になんかすごい必殺技が出てきた ※『初版以前グリム・メルヘン集』より pic.twitter.com/LKKzwBu33c -- twitter.com/wild_fridge/st…

2016-01-28 08:09:21
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糸田屯 @camelletgo

一打七闘殺。ひとたびその身に受ければ七孔すべてから噴血する恐ろしい邪拳として武侠小説に出てきたりしてもよいな。黒風双殺的な。

2016-01-28 08:31:47

追記 ないし後日談

冷蔵庫 @wild_fridge

読み終わってみると、非力な仕立屋が知恵と勇気と周囲の壮大な勘違いによって、森の大男(巨人)を殺しユニコーンを殺し暴れイノシシを殺し、王の策略を乗り越え王に成り代わる、というお話だった。なんというか『戦闘城塞マスラヲ』感がある

2016-01-28 19:13:05
冷蔵庫 @wild_fridge

何でこんな面白い訳になってるのかというと、本の題名『初版以前グリム・メルヘン集』の名の通り、グリム兄弟がグリム童話として「童話化」する以前の、ドイツの村々に伝わる民話そのまま(に近い)「草稿」だからであることに一因がある。この草稿が、編集に編集を重ね50年後にグリム童話となった訳

2016-01-28 19:15:52
冷蔵庫 @wild_fridge

この本の外の話になるけど、グリム兄弟がドイツの村々を回って古い民話やお伽話を集めたのは、ドイツがナポレオンの脅威に晒されているその時だった。なんで戦時に呑気に童話集めなんかしてるのか?寧ろグリム兄弟には「今集めなければドイツ固有の文化は永遠に失われる」という危機感があったそうな

2016-01-28 19:19:25
冷蔵庫 @wild_fridge

この辺のグリム童話をめぐるお話・グリム童話の位置づけに関するお話は宮下啓三『メルヘン案内』が詳しいのでオススメ

2016-01-28 19:20:48
冷蔵庫 @wild_fridge

「童話」として編集される前の文章だから、こんな童話らしからぬ勢いのある文章もある。これなんか、拳圧で木を切り裂いてるようにしか見えない拳圧だぞ拳圧 『初版以前グリム・メルヘン集』p4 pic.twitter.com/meG6TkFw8j

2016-01-28 19:25:26
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冷蔵庫 @wild_fridge

これの童話バージョンが、「勇ましいちびの仕立て屋」あるいは「ひとうちななつ」などと呼ばれるものになる。wikipediaにも項目があったja.wikipedia.org/wiki/%E5%8B%87… 森に棲む二人の大男は、童話化の流れの中で「巨人」になってたりして面白い。王の策略もカットかな?

2016-01-28 19:28:43
冷蔵庫 @wild_fridge

『初版以前グリム・メルヘン集』に収録されてるものは「エーレンベルク稿」と呼ばれる、出版される予定の無かったもの(エーレンベルク修道院にて発見されたらしい)。故にこのお話は厳密には「グリム童話」ではないことに注意されたし。それ故に興味深いんだけどね

2016-01-28 19:31:34
冷蔵庫 @wild_fridge

故に、このエーレンベルク稿の性質は「童話」というよりも文化人類的資料にも接近する。遠野物語を彷彿させるよね。これを日本語に訳してくれた訳者さんいは感謝しかない

2016-01-28 19:34:36
冷蔵庫 @wild_fridge

おじさんからは以上です。

2016-01-28 19:35:26