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人間は長距離移動に特化した動物?
人類史の驚異は、出アフリカを繰り返したことだ。ジャワ原人や北京原人、ネアンデルタール人がそれぞれの地で現世人類に進化したのではない。アフリカで進化したホモ・サピエンスは、すでに世界中に広まっていた化石人類を追いかけるように生息域を広げた。それも、地質学的には一瞬といえる短期間で。
2016-01-31 11:20:26英国人冒険家ジョージ・ミーガンは、南米の南端からアラスカの北端まで3万kmを徒歩で踏破した。要した期間は、わずか7年だという。この話を聞くと、ヒトの仲間が繰り返しアフリカを旅立ち、毎回ほぼ一瞬で世界中に広まったこともうなずける。私たちの「歩く能力」がヒトの繁栄のいしずえになった。
2016-01-31 11:25:49他の類人猿は1日に数kmも移動しないのに対し、ヒトは1日に10km以上を毎日歩き続けることができる。私たちが当然だと思っている「歩く能力」は、じつはウサギの耳や犬の鼻、コウモリの耳と同様、進化の過程で手に入れた並外れた能力のようだ。他の身体能力を犠牲に、ヒトは歩けるようになった。
2016-01-31 11:29:58長距離を走ることにかけてはヒトは哺乳類のなかでも突出しており、2〜3時間で40kmを走破できる動物はほとんどいない。短距離走では馬のほうが速いが、馬が全力疾走できるのはせいぜい数分で、長時間のギャロップはできない。私たちの祖先は獲物を疲労させて狩る「持久狩猟」をしていたらしい。
2016-01-31 14:23:44とくにヒトの膝のバネは精巧に進化しており、性能が良すぎて走る速さによって消費カロリーがほとんど変わらない。全力疾走なら話は別だが、持久走で同じ距離を走る場合、時速が速かろうが遅かろうが、消費カロリーはほとんど同じになってしまう。
2016-01-31 14:27:18現代人がランニングするのはもちろん、自転車やバイクに乗ったり、スポーツカーを好んだり、「風景が後ろに飛び去っていくこと」に快感を覚えるのは、アフリカの大地を走り回っていたころの名残りなのかもしれないな。
2016-01-31 14:33:30QT「チンパンジーやゴリラのアキレス腱は長さ1cmにも満たないが、ヒトのアキレス腱は通常10cm以上の長さがあって、非常に太く、走行中に身体が生み出す力学的エネルギーのほぼ35%を蓄積したり放出したりする」──ダニエル・E・リーバーマン『人体 600万年史』
2016-01-31 14:40:46QT「大きな大臀筋、項靭帯、大きな三半規管、短い足指といったいくつかの形質は、効率よく歩けるかどうかにはさほど影響を及ぼさず、もっぱら走るときに役に立つ。つまり、これらは走るための適応なのだ」──ダニエル・E・リーバーマン『人体 600万年史』
2016-01-31 14:47:53犬ぞりレースを見るかぎり、犬もかなり長距離を走れる動物のようだ。が、人間のように効率よく汗をかいて体温を下げることができない。ヒトは、アテネ五輪のような過酷な炎天下でもマラソンを走れる唯一の哺乳類だ。
2016-01-31 14:54:41この本めっちゃ面白いな。ヒトの手がいかに精密作業に向いているかを説明する段で、「これまでに石器を作って、それで動物の解体をしようとしたことのある人ならすぐに分かるだろうが」とかサラッと書いてあるんだけど、いやいや現代にそんな人ほとんどいねーから!
2016-01-31 14:58:19二足歩行は、手を使う為と言うより、極限まで移動エネルギー消費を削減する為だった可能性もあるのか。 飛べない単一種としては、地球全土に広がれた理由の一つかも。 twitter.com/rootport/statu…
2016-01-31 23:30:43んな訳ねーだろ俺そんな歩かねーぞと思ってあいほんのヘルスケア見たら今日だけで20km以上歩いてたでござる twitter.com/rootport/statu…
2016-01-31 23:32:03へぇ~!ヒトって道具を使わないと動物の中で最弱の部類に入るらしいけど、身体能力で他の動物より勝ってる部分ってあったんだ! twitter.com/rootport/statu…
2016-02-01 00:35:57@rootport 今晩は。長距離(一晩で100キロほど移動)移動できる哺乳類では、脚を振り子のように動かして体幹の動きが少ない狼を想像するのですが、暑いところではリカオン等はどうなのでしょうか?ヒトのほうが長距離で有利なのでしょうか?
2016-02-01 02:58:09脳はめちゃくちゃエネルギーを使う機関
脳と腸はどちらも莫大なエネルギーを消費する器官だが、同体重の哺乳類に比べてヒトは腸が軽く、脳が重たい。道具を使って食べ物を刻んだりすり潰したりするようになった結果、消化に必要なエネルギーを節約できるようになり、腸が小さくなった。余ったエネルギーを脳の成長に回せるようになった。
2016-01-31 15:10:05たぶん、脳と腸の関係には正のフィードバック・ループが働いたのではないかな。脳が発達するほど、食品加工が巧みになり、消化に必要なエネルギーを減らせる。消化がラクになって腸が小さくなるほど、余ったエネルギーで脳を成長させられる。そして脳が発達して、ますます食品加工が上手くなる……
2016-01-31 15:13:08哺乳類のほとんどは牛乳を飲むとお腹を壊す。これは母乳に含まれる糖分を大人になると分解できなくなるからで、哺乳類を乳離れさせるのに必要だったと考えられる。が、ヒトは牧畜を発明したことで(アフリカ、中東、ヨーロッパのどこかで)大人になっても母乳を消化できるようになった。
2016-01-31 23:57:58今の日本人で牛乳を飲んでもお腹を壊さない人は、過去1万年少々のどこかで、アフリカか、中東か、ヨーロッパに暮らしていた祖先を持っていたことになる。
2016-01-31 23:59:04