ノブレス・オブリージュという差別
- shimesuhen
- 7379
- 0
- 1
- 0
そして基本的に自分が望む施しを受けた者はその相手に感謝を覚える事になる。だがこの行為は格上が格下に行うものであり、つまりその根底には差別構造が存在している
2016-02-02 23:33:01格上が格下に施しを与える行為には明確な上下関係というものがあり、そういう上下関係には必ず差別構造が含まれているわけだ
2016-02-02 23:33:23コードギアス反逆のルルーシュの主人公ルルーシュはブリタニア人の悪行には激しい憎悪を向けるが、日本人の悪行にはそれほど腹を立てない
2016-02-02 23:33:38彼にとって本当の祖国であるブリタニアは誇りであり、その誇りを穢す存在が許せないのである。つまり自分と同じブリタニア人は高潔であるべきという考え方なのであるが、これは日本人は高潔でなくとも良いという意味でもある
2016-02-02 23:34:23つまりルルーシュにとってブリタニア人は日本人よりも格上の存在なのである。まあルルーシュにとってブリタニアへの反逆は自分と妹を守るための行為で、日本の開放はそのついでのことでしかないのであるが
2016-02-02 23:34:48このルルーシュの場合は日本をブリタニアの支配から開放することを目指していたわけで、差別構造の根源を改善しようとしていると見なせるだろう
2016-02-02 23:35:16だが、大抵のノブレス・オブリージュの場合は差別構造自体を改善しようとはしない。むしろ差別構造の存在自体は肯定している場合が多い
2016-02-02 23:35:27だが、例え出発点が強者の自己満足だとしても、自分の望む物を提供されたのなら、それは弱者にとって十分に価値のある行為であり、その場合においては両者WinWinの関係だと言えるだろう
2016-02-02 23:35:50両者が納得しているのであれば、それについて他人がとやかくいう必要はない。つまりノブレス・オブリージュというものは根源に差別を内包していても許されるべき行為であるとみなしたほうがよいだろう
2016-02-02 23:36:03勿論、弱者が自分の望むものを与えられた時の話、与えられない場合は強者の自己満足しか残らない。自分の自己満足のために相手を見下して、相手の望むものを与えないのであれば、それは単なる見下しでしかないのだから
2016-02-02 23:36:22だから弱者は自分の望むものを与えられなかった場合は強者にその旨を告げるべきである。強者だって喜ぶ弱者を見て自己満足をしたいのであり、交渉の余地はあるはず
2016-02-02 23:36:36交渉の余地があるという点から考えて、弱者の望むものを与えられないノブレス・オブリージも一応は許されるべき差別であると考えたほうがいいだろう
2016-02-02 23:36:54もし今後も弱者が望むものが提供されることがほぼ絶望的な場合に限り、それは許されない差別とみなされても仕方がないかもしれない
2016-02-02 23:37:10ただ正当な要求と単なる我儘の明確な区別は難しく、本人が正当だと思っていても周りは我儘だとしか思わないかもしれない
2016-02-02 23:37:21過去において我儘だと捉えられていたことが徐々に正当な要求と考えられるようになっていったケース、そしてその逆も存在するわけで、我儘かどうかの判断は極めて難しい問題を孕んでいるといえるだろう
2016-02-02 23:37:30寛容というものは、許すものと許されるものがあって初めて成立するものであり、つまり上下関係=差別構造を含んでいる。両者が寛容しあうというケースもあるが、その場合はどちらも自分のほうが格上だと思っていることになる
2016-02-02 23:38:10言ってみればこの寛容というのはノブレス・オブリージュのミニチュアのようなものであり、そこから考えれば、これもまた許されるべき差別になる場合が多いと考えたほうがいいだろう
2016-02-02 23:38:26改心する気がない凶悪殺人犯に対して不寛容であることが社会に対して害をなす可能性は極めて少なくむしろ利になる場合が多い。この時の不寛容は許されるべき差別だと考えられる
2016-02-02 23:39:01不寛容という差別が許されるべきものかどうかはケースごとに十分な議論を重ねていかなければ判断できない事も多い。安易にどちらかだと決めつけるのも危険である
2016-02-02 23:39:24