南アフリカ、ナマクアランドの荒野に咲く野花について。三浦英之記者の呟き(2015/9/30)
①南半球にある南アでは今、春を迎えようとしている。荒野が広がる北西部ナマクアランドでは年に数週間だけ、春の雨を受けて赤や黄、白や紫の野花が一面を埋める。名もない野花の競演を見ながら、自然はかくも厳しく、優しいものかと思った pic.twitter.com/GzxBF847zD
2015-09-30 18:15:42②ヨハネスブルクから飛行機でアピントンへ。そこからスプリングボックまで車で4時間。延々と岩や地表になったむき出しになった荒野が続く。そんな一見不毛な大地がナマクワランドに入った途端に一面の野花のじゅうたんへと変わる pic.twitter.com/qXFY5kClMk
2015-09-30 18:21:51③赤、黄、紫、白、オレンジ。4千種の植物のほとんどが固有種だと言われている。満開の時期は雨の直後のわずか数日、天気が良い日の午前10時から午後4時まで。その「奇跡の瞬間」を狙って、世界中から観光客や写真愛好家たちが押し寄せる pic.twitter.com/W5wa3gGWBB
2015-09-30 18:23:53④雨や気温よって開花の時期と場所は大きく異なる。「ナマクワ国立公園のデージーが見頃」と聞き車を飛ばした。大地一面がデージーで覆われている。海から吹き上げてくる冷たい風に、オレンジ色の湖面がゆらゆらと波打っているようにも見えた pic.twitter.com/pUHeA5BY70
2015-09-30 18:29:33⑤どうして荒野に野花が咲き乱れるのか。公園事務所に尋ねると「実際はよくわかっていない。でも最大の理由はきっと人間の生活圏から遠く離れているから。農耕で土が掘り返されず、芽や草を食べる家畜もいない。自然の『天敵』は我々人間なのだから」 pic.twitter.com/Hxml2O0jtP
2015-09-30 18:32:56⑥ここでは年に一度必ず雨が降り花が咲く。でも私たちの人生ではそうはいかない。雨が降らない人生があり、花の咲かない人生もある pic.twitter.com/xFlumrmdsk
2015-09-30 18:34:38⑦入社以来、大事件や大災害が起きている時以外は毎晩2時間、長いものを書き続けてきた。思考が目先のものばかりに向かないようにするための目的だったが、もちろんそれらが夢でもあった pic.twitter.com/GR22qCNzYK
2015-09-30 18:36:42⑧ほとんどが花も咲かせず、実も結ばずに終わった。最近、大きな人の賞をもらったが、またいつ「テーマ」と出会えるかわからない。もう何も書けないかもしれない pic.twitter.com/lBf5eptBCf
2015-09-30 18:39:01⑨それでもいいと荒野に咲き乱れる野花を見て素直に思った。未来のことなど誰にもわからない。私たちは荒野でただひたすら春を待ち、雨を受けて葉を伸ばせばいい pic.twitter.com/FeOTqcuRBz
2015-09-30 18:42:24⑩誰かが言っているように、人が生きて行くということはそれほど楽なことじゃない。でもそれを乗り越えていけるだけの力を万物は有しているのだと、自然は静かに語りかけてくれる(終) pic.twitter.com/2EhalVTsRu
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