田附勝さんの6次元でのトーク(2月5日)について。トモコスガさんの呟きと記事。

2月5日、荻窪のカフェ6次元にて写真集「魚人」の写真家・田附勝さんと6次元のナカムラクニオさんが対談しました。田附さんを追い続けてきているコスガさんによる呟きとそれに基づいた記事をご紹介します。
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tomo kosuga @tomo_kosuga

田附さんと出会って8年。話を聞くたびに分からなくなっていく。当たり前だ、田附さんが出会いを求めて深く深く踏み入れていく一方、俺は都会にいるだけなんだから

2016-02-06 22:29:51
tomo kosuga @tomo_kosuga

東北から分からなくなった。デコトラはまだ分かった気がした。東北のとき、俺はアイスクリームにいて取材したけど、つかみどころがなさすぎて、田附さんは木村伊兵衛賞よりも土門拳のほうがふさわしいみたいなことを書いて逃げた

2016-02-06 22:31:01
tomo kosuga @tomo_kosuga

それからことあるごとに取材をし、プライベートでも話を聞き、音源をためてきた。どんどん分からなくなっていく。田附さんの写真を書くのが正直、苦痛だった。その写真と対峙なんてできやしない。おれがそこにいないんだから、わかるわけがない

2016-02-06 22:33:39
tomo kosuga @tomo_kosuga

もう写真のことを聞くのはやめようと思った。田附さんに写真のことを聞けば聞くほど遠ざかっていくのだから。彼は写真をやっているのではなく、写真の先につかみたいものがあって、その感触を確かめようとしているのだから

2016-02-06 22:34:37
tomo kosuga @tomo_kosuga

昨日のトークは救われた。いままで何度聞いてもわからなかったことが次々に、そういうことか!と。なんでだろう、あたりを見回した。たくさんの人がいた。ああ、そういうことかって分かった。自分が恥ずかしくなった

2016-02-06 22:36:13
tomo kosuga @tomo_kosuga

田附さんは、あまり喋りたくないという。しゃべるために写真をやっていない。だから話す場を設けるたびに困惑した顔をみせる。でもぼくは田附さんの言葉は言葉じゃないとおもう

2016-02-06 22:38:10
tomo kosuga @tomo_kosuga

田附さんはいつも質問を投げかけるたび、頭を抱えて悩む。悩むときは何十秒も。で、あっ!って口を開く。そのときに出てきたものは、言葉にならないものであって、だから本人ももどかしそうな顔で、わかる?わかる?と聞いてくる。それって言葉にならない、田附さんのそのときの気づきだからだよね

2016-02-06 22:39:34
tomo kosuga @tomo_kosuga

ぼくはそういう気づきを伝えていきたい。ぼくも同じように悩みながら。田附さんはこうですよねって、一言ですまされるようなことをしてるんではないんだからさ。一言にならないもののために写真やってるんだからさ。こっちも単語では表せないから、それでいいんだって思えるようになった

2016-02-06 22:40:45
tomo kosuga @tomo_kosuga

写真家は見えないものを取りに旅に出るっていうのは簡単だけど、じゃあそれがどういうことなのか考えていた。彼らはそれと出会い、写真に刻む。そのとき見えるままのことだけなら、三次元が二次元になるだけだから劣化。でも見えないものを刻めたなら、それは四次元以上で、紙にしても2.5次元以上

2016-02-06 22:43:58
tomo kosuga @tomo_kosuga

ぼくたちが、紙に落とされた写真を見たとき、そこになにかを感じられたら、それは2.5次元以上ってことだ。それを感じられるのは人間だからで、もっというと日本人だから感じられる次元がある

2016-02-06 22:45:07
tomo kosuga @tomo_kosuga

田附さんが発表の場を秋田や青森にしているのには、そういうこともある気がした。だって、どんだけ写真知ってますって顔した俺たちが見たところで、それらが日常の青森県民や秋田県民の気づきにはかなわないんだからさ!

2016-02-06 22:46:17
tomo kosuga @tomo_kosuga

昨日の話は自分を恥ずかしく思う一方で、こんなにもたくさんのひとが田附さんの話を聞きたがっていることに感動していた。そしていままでもどかしかった点と点が繋がって、胸からこみ上げるなにかを抑えるので精一杯だった

2016-02-06 22:47:41
tomo kosuga @tomo_kosuga

田附さんの写真は、写真の良し悪しでも、言葉にするでもなく、伝えていきたい。口から口へ。それこそ昔話が伝えられていったように

2016-02-06 22:48:43