at Last

安子と村上先生の初体験
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キャンジャニ学園×関ジャニ∞ @canjani8kanjani

1 窓の外から聞こえるざわざわした声と足音。 女子しかいない異空間。 秘密の花園。 卒業式ってなんだか独特。 サボりたい休みたい。 そう思ったりしながら毎日校門をくぐって通ってきた校舎。 それなのに明日からはもう私はいない。 そう思うと妙に名残惜しくなるから不思議。

2016-02-10 08:27:44
キャンジャニ学園×関ジャニ∞ @canjani8kanjani

2 それでも大半が上の大学に持ち上がりだから殆ど面子は変わらない。 横子、すば子、村子、丸子、錦子、倉子…明日からも全員一緒。 でも次に会うのは制服を脱いで別の場所。 そこにはあの人だけがいない。 そう思ったら、足は自然とここに向いてた。 ここに来るのも、これが最後。

2016-02-10 08:27:55
キャンジャニ学園×関ジャニ∞ @canjani8kanjani

3 校舎と体育館を繋ぐ渡り廊下が見える。 ぼんやりと見下ろす目はいつものようにあの姿を探す。 もう体育館入っちゃったのかな。 浮足立つ生徒たちを前にまたあのおっきな声で怒鳴ってるのかもしれない。 それ想像してちょっと笑って。 『…はぁ』 何してんだろ、私…。

2016-02-10 08:28:04
キャンジャニ学園×関ジャニ∞ @canjani8kanjani

4 体育館、行こ。 そう思って振り向いたら。 『キャッ!』 「何してんねん、お前」 『先生…』 そこには腕を組んで仁王立ちした、しかめっ面の村上先生が。 『…何で?』 さっき目を凝らして探した姿。 こんなとこに、いた。 「見当たらんからもしかして思て来てみたら…」

2016-02-10 08:28:15
キャンジャニ学園×関ジャニ∞ @canjani8kanjani

5 どうして? どうしてここにいるの? どうして私を探したの? どうしてここってわかったの? どうして? 間を流れる沈黙。 先生…あのね、探してたの。 会いたかった、先生に…。 『…せん、』 「…も、ここで会うんも最後やなあ…」 遮るようにぽつりと先生が呟いた。

2016-02-10 08:28:25
キャンジャニ学園×関ジャニ∞ @canjani8kanjani

6 そう、最後…。 もう簡単には会えない。 先生は…先生はそれで平気? 「何や色々あったけど…」 『…っ』 「ちょっとはマシになったか、お前?」 フッて笑う。 「…よかったな、ちゃんと卒業出来て」 何、その顔…。 何でそんな顔するの?

2016-02-10 08:28:36
キャンジャニ学園×関ジャニ∞ @canjani8kanjani

7 「大学行ってももういらんことしなや?」 『…そんなの…』 わかんないって言いかけて、口を噤んだ。 「…」 『…』 「ほら、行くで」 沈黙を振り切るように後ろを向く先生。 『待って!』 「…何や?もうご褒美やらいらんやろ?」 『っ…!』 ふたりで過ごしたあの日々。

2016-02-10 08:28:47
キャンジャニ学園×関ジャニ∞ @canjani8kanjani

8 まるで昨日のことのように蘇る。 あれは…あれを大切に思ってたのは私だけ? どうしてそんな風に言い捨てるの? 先生にはどうでもいいこと? 薄々気にはなってたけど…私以外にも…? ぽろって涙がこぼれた。 「…何や、泣いてんのか?」 溜息ついて近づいてくる足音。

2016-02-10 08:28:58
キャンジャニ学園×関ジャニ∞ @canjani8kanjani

9 それからポンッて頭に大きな手。 「まだ泣くん早いやろ」 そう言って乱暴に手で涙を拭ってくれる。 『せんせ…』 「…」 一瞬目細めて私を見て、すぐにフイッて反らした。 「ほら…もう始まってまうから…」 『…待って…』 袖を掴んで引き留める。 「…お前…」

2016-02-10 08:29:11
キャンジャニ学園×関ジャニ∞ @canjani8kanjani

10 窓の外からピアノの音が流れて来た。 「…ほら…始まってもーたやんけ…」 『…っ、ぅ』 「最後の最後にお前…」 はーって溜息ついて、それから。 「…何や、一体…」 諦めたように私を見た。 せんせ、私…私…。 『…先生?』 「んん?」

2016-02-10 08:29:24
キャンジャニ学園×関ジャニ∞ @canjani8kanjani

11 『…私、いい子…だったよね…?』 「あぁ?」 『…違う?』 「…ん、まあ…最初以外はな…?」 『…だよね?』 「それがどしてん?」 『…』 「何や?訴えるとかするか?」 『…え?』 「教師に猥褻行為されたとか強姦されたとか、言うか?」 『な…!?』

2016-02-10 08:29:37
キャンジャニ学園×関ジャニ∞ @canjani8kanjani

12 「それとも今度は俺脅迫して金取るか?」 『そんな…』 何でそんなこと言うの? そんな風に思ってたの? そんなこと言うために、ここに来たの? 「そんなん…イチコロやで」 スーツの懐から煙草出して火をつける。 学校、禁煙…。 フーッて煙吐いて、チラッて私を見た。

2016-02-10 08:29:49
キャンジャニ学園×関ジャニ∞ @canjani8kanjani

13 「どうして欲しいねん、お前」 『…』 どうして、って…せんせ、私…。 言葉にならなくて唇を噛んだ。 「…まぁ…好きにせえ」 『ぇ…?』 「訴えるんでも誰かに言うんでも何でも。金ならまあ…ないこともないしな」 フッて笑って、煙草を携帯灰皿に押し付けて立ち上がる。

2016-02-10 08:30:00
キャンジャニ学園×関ジャニ∞ @canjani8kanjani

14 あ、行っちゃう…! 『せんせっ!』 「…何や、まだ何かあるんか?」 ゾクリと背筋が凍るくらい、冷たい目。 心臓が抉られるように痛い。 『…ね、先生』 「何や」 『卒業式、始まっちゃった』 「…おん…お前がこんなとこでいらんことしとるうちにな」

2016-02-10 08:30:12
キャンジャニ学園×関ジャニ∞ @canjani8kanjani

15 『…私、悪い子?』 「あぁ?」 『私…今、悪い子だよね…?」 「何言って…?」 『せんせ…約束覚えてる?』 一番最初にした、あの約束。 「ッ…!?」 自分の言葉が胸に突き刺さる。 『ね、せんせ…お仕置き、して…?』 先生の大きな目が、ゆっくりと見開かれた。

2016-02-10 08:30:23
キャンジャニ学園×関ジャニ∞ @canjani8kanjani

16 「アホなこと言ってんちゃうぞ」 呆れたように言い放って部屋を出て行こうとする。 『待って!』 叫んで、その背中に抱き着いた。 「放せや」 『嫌!』 スーツが皺になるくらいギューって強く抱き締める。 『せんせ…私、先生のこと…』 「気のせいやって」 『…え?』

2016-02-11 11:43:57
キャンジャニ学園×関ジャニ∞ @canjani8kanjani

17 「鳥が初めて見たもん親と思うのんと一緒や」 『鳥って…』 「何も知らん子供がこんなとこでイイことなんかアカンことなんか色々されて興奮して…それで勘違いしとんねんお前」 『そんなっ!』 「こんな風にどうこうするもんちゃう。一時の気の迷いや。そんなんに俺巻き込まんといてくれ」

2016-02-11 11:44:09
キャンジャニ学園×関ジャニ∞ @canjani8kanjani

18 『そんな…酷い!そんなんじゃない!』 「もう今日で終わりや。ちゃんと大学行って普通に恋愛して彼氏でも作りーや」 『せんせっ!』 「そしたらこんなんもすぐ忘れる。アホなことしとったってすぐ目覚めるわ」 『やめっ…!』 「どうかしとってん、俺も。もうええ加減解放してくれや」

2016-02-11 11:44:20
キャンジャニ学園×関ジャニ∞ @canjani8kanjani

19 『やだぁっ!』 「イヤイヤばっか言いよって…いっつも他人のこと考えもせんと自分のことばっかやんか!せやから…せやからお前子供や言うとんねん!!」 部屋中にビリビリ怒声が響く。 それからフーッて大きく息を吐いた。 その背中が震えてる、気がする。

2016-02-11 11:44:29
キャンジャニ学園×関ジャニ∞ @canjani8kanjani

20 『…子供だもん』 「あぁ、子供やな」 『だから…』 「だから何や」 心底軽蔑したような声で乱暴に私を払い除けようとする。 それに抵抗するようにしがみつく。 強く握りすぎた手が痛い。 それから胸も。

2016-02-11 11:44:39
キャンジャニ学園×関ジャニ∞ @canjani8kanjani

21 卒業して、何もなかったことになるなんて嫌。 この、先生の背中に出来た涙の染みのように先生の中に私を残して欲しい。 すぐに乾いてしまうような、そんな儚いものでもいい。 何かの間違い、じゃなくて、先生の特別になりたい。 たとえどんな形でもいいから。 だからね、先生…。

2016-02-11 11:44:50
キャンジャニ学園×関ジャニ∞ @canjani8kanjani

22 『先生が、大人にして…?』 「ッ…!」 しがみついた背中が確かにビクリと反応した。 「ア…ホ、な、こと…」 『一度でいいから…お願い…』 今日、最後の日にここで。 何度も抱き合ったこの教室で。 私に触れてきたその熱い手で。 私を大人にしてください。

2016-02-11 11:45:01
キャンジャニ学園×関ジャニ∞ @canjani8kanjani

23 『それで、もう…終わりにするから…』 「やす、こ…」 苦しげに呻いた先生。 スーツを引っ張ったら力が抜けたようによろめいて、傍にあった椅子に座り込んだ。 俯く顔に両手を添えて顔を上げさせる。 虚ろに呻く、その唇に。 『ね…お願い…』

2016-02-11 11:45:12
キャンジャニ学園×関ジャニ∞ @canjani8kanjani

24 何度も抱き合った。 何度も快楽を分け合った。 でも、今、初めて先生の唇に触れる。 熱くて震えてて、涙で濡れてしょっぱい。 これが私と先生の初めてのキス。 そして、きっと最後の。

2016-02-11 11:45:28
キャンジャニ学園×関ジャニ∞ @canjani8kanjani

25 私からのキスを受けたまま、動かない先生。 無言の拒否? 欲望に駆られる風を装って、気付かないふりをする。 頭のどこかで叫んでる、自分の声にも。 足の間に入って、膝まづく。 そしてベルトを外してファスナーを下げる。 いつもと同じ手順。 いつもと同じ行為。

2016-02-11 11:46:33
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