ガブリエル・タルド『模倣の法則』読書メモ集
- arishima_takeo
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必然的なものの根底には非合理的なものがある。また物理的世界や生物的世界においても、社会的世界におけるのと同じように、実現されたものは実現可能なものの断片にほかならないように思われる。byタルド『模倣の法則』
2016-02-09 16:44:28社会的にいえば、すべてのものは発明か模倣にはかならない。模倣は川であり、発明はその源流がある山である。byタルド『模倣の法則』
2016-02-09 16:55:42あらゆる科学的領域において常態的なものle normalは偶然的なものから生じているように思われる。byタルド『模倣の法則』
2016-02-10 11:10:41「想像」というこの原初的な行為から直接的に模倣行為が生まれ、あらゆる想像的行為がもたらされることになった。このようにもたらされた想像行為は、さらに新たな想像を無限に引き起こすことになったのである。byタルド『模倣の法則』
2016-02-10 15:54:27「開花した発明はすべて、無数の可能性のなかで、ただひとつの実現された可能性である。ここで「無数の可能性のなかで」と述べたのは、「条件つきの必然のなかで」という意味である。つまり、あらゆる発明が生まれる原因となった最初の発明は、その「必然的なもの」を内部に含んでいるのである」。
2016-02-10 16:00:19「脳とは感覚中枢の反復器官であり、それ自体もまた相互に反復しあう諸要素から構成されている ーーこれはテーヌによる、優秀な生理学者たちの説の見事な要約である」(タルド『模倣の法則』)。ドゥルーズ&ガタリはテーヌとか読んでいるんだろうか問題。
2016-02-11 14:59:04記憶とは、いわば純粋に神経的な習慣であり、そして習慣とは、いわば神経的かつ筋肉的な記憶である。byタルド『模倣の法則』第三章
2016-02-11 15:00:33ある社会でリラックスした状態になるということは、その社会環境の調子や流行に合わせたり、方言を話したり、身ぶりを真似したりすることである。それは、環境が与える多様で繊細な影響の潮流に抵抗することなく身を任せることである。byタルド『模倣の法則』第三章
2016-02-11 15:20:38「たとえ一瞬でも家族や国民という夢から覚めるためには、個人は一時的に自分が属している社会から脱出しなければならない。このたぐいまれな冒険をなしとげるとき、彼は社会的存在であるよりむしろ超社会的存在 super socialになる」(タルド『模倣の法則』)。意識高い系(違う)。
2016-02-11 15:25:52夢のなかに登場するさまざまなイメージは、それらのイメージ自体に内在する論理にしたがって結合されており、そこではひとつのイメージが他の残りのイメージにたいする模範となることで、それらを支配している。byタルド『模倣の法則』
2016-02-11 15:27:02歴史とは、ほとんど無用で模倣されない発明が、いつまでも有用で模倣される発明にたいしておこなう助力と妨害にはかならない。byタルド『模倣の法則』第四章
2016-02-11 16:29:47電報のアイデアは、手紙より迅速なコミュニケーションを求める昔からの要求に答えるものである。しかし、そのアイデアが電報という明確な形をとって現れたからこそ、手紙より迅速なコミュニケーションを求める欲望は強化され拡大されて、社会的領域のなかに生まれたのである。byタルド『模倣の法則』
2016-02-11 16:31:58「文明の起源に見出されるのは、発見の喜びのための発見、すなわち、人間に内在する創造的想像力が戯れに成し遂げた偶然的発見である。どれほどの言語や宗教、詩、そして産業がこの出発点から生まれたことだろうか!」と、タルドはいうわけだが…。
2016-02-11 16:36:48タルドがすごい勢いで波動波動言ってるが、これって漱石『文学論』の「波動」に継承されてるんじゃないだろうか。たしか、漱石タルド読んでたし、実際に『文学論』内で参照もしてたよね?
2016-02-12 12:24:22進歩というものは、最初は緩慢に進み、しだいに一定の割合で加速して速度を上げていくが、最後には減速して止まるーー発明あるいは発見と呼ばれる真の社会的存在はすべて、これら三つの時期を経過する。byタルド『模倣の法則』第四章
2016-02-12 15:42:37人間の各感覚がそれぞれの仕方で与えているものは、外部世界についての統計なのである。それぞれの感覚器官が得る感覚というのは、特殊なグラフなのである。色や音、味といった感覚は、ひとつの数量にほかならない。byタルド『模倣の法則』第四章
2016-02-12 16:36:47未来は発明者たちによってつくられる。彼らは、統計学者が無視している人々なのだ。そして未知の発明者たちが次々と現れてつくりだす未来は、真の法則によって定式化されることはありえないのである。byタルド『模倣の法則』第四章
2016-02-12 16:40:03専門家にしたがえば、「歴史とは、有名な事実の集合である」ということになるかもしれない。しかし、われわれはむしろ次のように言おう。「歴史とは、もっとも成功した事実の集合であり、いいかえれば、もっとも模倣された発明の集合である」、と。byタルド『模倣の法則』第四章
2016-02-12 16:41:56発見は、もともとあった多くの不安に満ちた「無知」を、おそらく同じくらい多くの、それでも明らかにもっと不安がすくない「未知」に置き換える。byタルド『模倣の法則』第五章
2016-02-14 06:36:05