ヤンデル先生が語る「将来AIは病理診断できるか」の話
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togetter用資料 医療AIが人間医師を打ち負かす日についての近未来SF的空想ツイート - Togetterまとめ togetter.com/li/948494 @togetter_jpさんから
2016-03-14 13:15:06コメント欄にも書いたけどクイズで人間に圧勝した「ワトソン」がその技術の応用編で挙げてたのが「病気の診断」。元記事は消えてるけど、一部転載がd.hatena.ne.jp/gryphon/201304… に残ってます。 / “医療AIが人間医師を…” htn.to/hKZc9Zu3n
2016-03-12 00:35:44Q: なるほど。ただ、確かにすごい扉を拓いたのかもしれませんが、まだクイズ以外で具体的にどんなことに役立てられる可能性があるのか、ちょっとイメージできないです。
塚本: そうですね、新しい概念というのは、そんなにすっと簡単にハラに落ちるものではないですね。ではクイズ以外の可能性の例を挙げてみましょう。例えば、あやふやな記憶と勘に頼る医師を想像してみてください。
Q: 想像しただけで嫌です。そんな医師には診察してほしくありません。
塚本: 普通そうですよね。過去のあらゆる症例を知っている医師による、高い確信度を持った治療を受けたいですよね。
Q: それはそうです。経験豊富で症例も熟知していて、妙な薬を出さない医師の治療を受けたいです。最近医療ミスも多いですから。
塚本: 「医療ミス」、まさにそこなんですよね。医療ミスの2割は診断時に起こると言われていますが、原因の多くは医師の診断ミスではなく、対応の遅れによるものです。さらにこの30年間で、診断をする医師がすべての情報を完璧に把握するのは不可能になりました。例えば、生物医学文献は7年ごとに倍増しています。
Q: 現代の医療って、そんな状況だったのですか。それでは医療ミスが起こる危険が出てきそうですね。
塚本: 例えば45歳の男性が胸の痛みを訴えていた場合、最適な治療方法はどのように決めるでしょうか?胸の痛みを訴える平均的な45歳としての治療はできませんよね。さまざまな要因が複合的に絡み合って、さまざまな症例としてあらわれているからです。
Q: 確かに、胸の痛みと言っても、心臓かもしれないし、肺かもしれないし、筋肉痛かもしれません。筋肉痛なのに心臓の薬を投薬されたら、ちょっと、じゃなく、めちゃめちゃイヤですね。
塚本: ワトソンで実証した技術を応用すれば、男性の症例をもとに医師が仮説を立てて、それに基づき学術文献等を検証し、複数の解答候補を生成できます。それを医師がその人の病名を診断する際の参考にすることによって、病気の見落とし防止に役立てたり、最善の治療方法を導き出す支援をすることが可能になりますです。しかも、解答候補は瞬時に生成されるのです。(後略)
togetter用資料(字幕あり) youtube.com/watch?v=rOgZB5…
2016-03-14 13:25:43togetter用資料 過去のまとめ ヤンデル先生の病理学と遺伝子検査の話 - Togetterまとめ togetter.com/li/868033 @togetter_jpさんから
2016-03-14 13:16:50ここから本題です
AIを用いて「病理検査」を自動化するのは可能です。たとえばKi-67という染色で腫瘍細胞の核が染まった割合を判定する「Ki-67 labeling index自動算定システム」というのはすでに存在します(現在のところ精度が悪いがいずれだいじょうぶになる)。
2016-03-14 07:55:46また、現時点で実用化は「夢」でしかありませんが、将来的にはプレパラートを読み込むと癌か癌じゃないかを判定するシステムなどは実用化されるのではないかと思われます。自動遺伝子診断の併用なども考えられています。
2016-03-14 07:56:47では、「病理検査」ではなく「病理診断」ではどうか?医師が責任をもってすべての検査データを統合し、背景因子や学会の動向、最新治療との紐付けなどを行うという「診断行為」は自動化されるか?これも、将来的には可能でしょう。いつ頃可能かというと、ドラえもんレベルのAIが完成したら、です。
2016-03-14 07:58:05「自動化が進むと病理医は廃業www」と言う人がたまにいます。病理医が廃業する日はいつかくるでしょう。そして、その頃には「ありとあらゆる医者が廃業」しているはずです。内科医、外科医、放射線科医、麻酔科医、救急医……。すべて、「ドラえもんレベルのロボが完成すれば自動化できる」のです。
2016-03-14 07:59:29以上は極論です。実際には「あと数年で病理医の仕事の一部がAIにより自動化される」のは間違いないと思います。ただし、それをもって「病理医、いらなくなるねw」と言う人は、結局のところ病理診断を「検査」としてしか使えていない臨床力の低い医療者 or 医療の素人なんだよな……と思います。
2016-03-14 08:01:29@Dr_yandel 最終的な判断や、責任は、人間にしか(当面)できないと思います。これは自我と理性がある、つまりドラえもんが出来れば、クリアできますね
2016-03-14 08:02:37@Dr_yandel 臨床においても、AI的な診断ツールがいくら向上したとしても、最後に判断を下すのが人間である以上、この仕事は機械に置き換えられないと思います。
2016-03-14 08:03:22@mio_sng ぼくは実はもうちょっと違う意見で、「最終結論をAIにさせる」という場面もあっていいのではないかと思います。近年の医学統計は難しすぎるので、統計的処理による妥当な判断をコンピュータに負わせることもアリだと思うのです。ただ、行程のすべてをAIにするのは難しいでしょう
2016-03-14 08:04:19.@r_hashimoto ぼくは逆の考えを持っていて、「最終的な判断」は「AIと患者にまかせる時代」がくるかもな、と考えています。医療統計データが複雑化すると、最終的に医師一人で判断するのが困難になってしまい、逆に最終決定をAIにある程度依存する世界がやってくる気がするのです。
2016-03-14 08:06:13よくある誤解……というか人情だと思うんだけど、「最終的には決めるのは医師だから」というのは実は「古風な考え方」だと思っている。いい悪いではなく、古い。
2016-03-14 08:07:49現在の臨床現場では、「患者に選択肢を見せて説明し、納得してもらって選ばせる」ということをする。しかし、医師も患者も何を選んだら一番いいのかわからず、不安におそわれることはしょっちゅうだ。いずれ「確率的にはこれが一番妥当だ」という医療者のプロ判断はAIに任せられるかもしれない。
2016-03-14 08:08:58@Dr_yandel なるほど。。。充分新しくて膨大なDBを参照しながら、などは、そもそも人間にはかなり負担でしょうし、それを軽減したり、間違いを減らしたり、できますよね
2016-03-14 08:09:48@Dr_yandel なるほど、決定にまつわる困難を回避するために患者側にAIを利用してもらうというのは妙手かもしれません。医療者-患者に加えてAIという第三者をどこまで介入させるかで社会的合意が得られれば、という前提があっての話でしょうけれど。
2016-03-14 08:11:03一方で、患者も医者も、人間がいないと落ち着かない、信用できない、AIに殺されたくない、会話で癒やされたい、人の心を感じたい。その意味で、すべての医療者と患者は「AIが全部診断できる日なんてこないよ」と考えている。そしてこれは病理医にもそのままあてはまるのではないかと思っている。
2016-03-14 08:11:06