- kokada_jnet
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コードウェイナー・スミス『スキャナーに生きがいはない』(ハヤカワ文庫SF)は、《人類補完機構》全短篇をまとめるというまことに嬉しい企画(この本は第一巻に相当)。読んでいるうちにいろいろなことを思いだしてしまった。 pic.twitter.com/ddfBdhX2Rf
2016-03-17 23:12:15記憶を確かめようと、SFMのバックナンバーなどをひっくり返している。
2016-03-17 23:12:29SFM1965年7月号、伊藤典夫さんが「SFスキャナー」でジュディス・メリルの年刊SF傑作選を紹介し、そのなかでスミスの「酔っぱらい船」Drunkboatにふれている(この作品はのちに「酔いどれ船」の題名で翻訳された)。 pic.twitter.com/v3gIvxEDMi
2016-03-17 23:15:28もちろん、ぼくはリアルタイムでこの記事を読んだわけではなく、このあたりの号は古本屋でもとめたのだ。
2016-03-17 23:15:39伊藤さんのレビュー。〔ハインラインの未来歴史シリーズのスケールを何倍にもひろげて、それをブラッドベリばりの甘い文章で書いた感じ〕〔それより、むしろ、フーテナニーの歌詞なんかを読んでいるような感じといったほうがいいかもしれない〕〔これを訳す人は、さぞかし苦労することだろう〕。
2016-03-17 23:16:13伊藤さんは1966年2月号の「SFスキャナー」でもスミスにふれている。 pic.twitter.com/zgj1aFzN7H
2016-03-17 23:17:39〔あちらでは「シャガールの絵を思わせる」とか「この作家は、ほんとうは未来から来たのではないだろうか」とか「アシモフ、ハインラインのスチールをブラッドベリの情感をもって、しかもまったくオリジナルに描いている」というようなベタボメに近い批評ばかり〕。
2016-03-17 23:18:03〔今では、ぼくも彼のファンの一人だが、読みはじめたときはさっぱりわけがわからなかった。わかりはじめたのは、三つばかり読んで、彼の作品がバカでかいはめ絵パズルの中に一つ一つうまくはまりこむのに気がついてからである〕。
2016-03-17 23:18:31伊藤さんがこの記事を書いた時点ではスミスは存命で、正体が公には明かされていなかった(フレデリック・ポールなど編集者は知っていたっぽいが)。
2016-03-17 23:18:48スミスの作品自体がはじめて翻訳されたのは、SFM1966年10月号に翻訳された「鼠と竜のゲーム」。もちろん、伊藤典夫さんの翻訳。 pic.twitter.com/mAOHAsDE62
2016-03-17 23:20:25くしきタイミングというか、ちょうどスミスが亡くなった直後だが(同年8 月6日に他界)、その当時の情報伝達のタイムラグゆえ訃報はまだ日本に届いていない。
2016-03-17 23:20:58つづけて同年12月号に、「報いなき栄光」が訳出される。浅倉久志さんの翻訳。この翻訳はのちに「スキャナーに生きがいはない」と改題され、ハヤカワ文庫SF『鼠と竜のゲーム』に収録された。 pic.twitter.com/AzDTUl8fwQ
2016-03-17 23:21:23SFM1967年4月号の「SFスキャナー」で伊藤さんが〈アナログ〉66年11月号のSFオールタイム・ベスト投票の結果を紹介している。 pic.twitter.com/r3jJWetkSP
2016-03-17 23:22:06投票者414名の国籍は14カ国にわたっているが、アメリカとカナダの読者と、それ以外の国(イギリスを含む)では顕著な差があったという。〔総合では影もかたちもないコードウェイナー・スミスが、[アメリカ・カナダ以外の国からの投票では]じつに6位にくいこんでいる〕
2016-03-17 23:22:32これに註をつけるかたちで、伊藤さんはスミスが66年8月に他界したことと、それによって本名がはじめて明らかになった事情を伝えている。
2016-03-17 23:23:22〔ポール・M・A・ラインバーガー、Ph.D., Lit.D. ジョンズ・ホプキンズ大学政治学教授。アメリカ外務省の中国問題の政治顧問。こんなところにも本名を出せない理由があったのだろう。本名を公表したらSFを書くのをやめるといったという話もある〕
2016-03-17 23:23:45〈海〉1972年5月号は、小特集的にSFを掲載。バラードのコンデンスト・ノヴェル「人間の顔の耐久性」(伊藤典夫訳)と並んで、スミスの「アルファ・ラルファ大通り」(浅倉久志訳)が掲載された。 pic.twitter.com/eGFTS2q8Lf
2016-03-17 23:46:03伊藤さんの評論「SFの〈新しい波〉」も熱がこもっていて、いま読んでも昂奮します。
2016-03-17 23:46:27ぼくは高校生のときだか浪人中だったか忘れたけど、「アルファ・ラルファ大通り」読みたさに早稲田の古本屋をハシゴして〈海〉のバックナンバーを漁ったものです。いまとなっては懐かしい。
2016-03-17 23:46:50そして、なんといってもコレです。安田均さんが主催していたファンジン〈オービット〉2号(1975年)の「コードウェイナー・スミス特集」!! pic.twitter.com/JW8TXU5g9w
2016-03-18 00:00:42目次、読めるかな? pic.twitter.com/XHdvLSAh7L
2016-03-18 00:01:42評論が安田均「くつ屋と鍛冶屋のあいだ――あるいは林白楽教授の場合」(目次では小宮山康弘名義になっている)と、真木俊一「スミスのポケット宇宙」。水鏡子「SF資料集成」でもスミスを取りあげている。
2016-03-18 00:02:22翻訳が「やさしく雨ぞ振りしきる」。"When the People Fell"にこの邦題をつけるとは、やるなあ。
2016-03-18 00:03:14真木さん(というか、言わずとしれた大野万紀さんですが)の評論に併載されているのが、手書きの《図解:コードウェイナー・スミスの世界》。 pic.twitter.com/W0UjnLoqm5
2016-03-18 00:04:00@ShindyMonkey わはは、自分でも丸紅に勤めながら、よくこんなにレベルの高い同人誌を出せたと思うよ。表紙デザインはともかく、表紙イラストのセンスは(無断転用ですが)いいでしょ? ダンセイニで有名なあの方です。ちなみに同人には(デビュー前)大原まり子さんや大森望氏らも。
2016-03-18 01:35:58