漫画家・一色登希彦氏の語る「漫画アシスタント状況」

一色登希彦 @ishikitokihiko

漫画のアシスタントさんの賃金の実情・・・　じゃあ知っている限りでポツポツ

一色登希彦 @ishikitokihiko

漫画アシスタント状況１）時給で１０００円、日給で１万円、月給で１５万円　これが時給７００円とか１５００円位の幅はあるにしても、これらからケタが違うということはほとんど無いと思います（時給３００円とかの伝説はありますが例外としましょう）

一色登希彦 @ishikitokihiko

漫画アシスタント状況２）前出の賃金額は、漫画家の１枚当たりの原稿料から割とシビアに算出出来ます。原稿料１枚１万円弱〜よくて２万円台と考えると、アシさんにはどうやっても前出くらいの額になる。「それ以上出してる／もらっている」という場合は原稿料が相当高額か印税から充ててる。

一色登希彦 @ishikitokihiko

漫画アシスタント状況３）漫画家側は単行本ヒットがが出れば数千万〜億単位の瞬間収入があるかも知れないけれどその儲けを気前よくアシスタント賃金に上乗せしたら数年後にその収入分は無くなり回らなくなります。健全に回すには「原稿料」からのやりくりが必要。そうすると自ずと前出のような賃金額。

一色登希彦 @ishikitokihiko

漫画家アシスタント状況４）漫画アシに限らないけれど時給日給換算だと、上手く速い人ほど割に合わないという不条理も。反面ウマハヤの人は重宝されるから色々な仕事場から引き合いが来易くなるとも言えます。漫画家の側からすれば上手でない遅い人に時給日給を出すのが一番の痛手。

一色登希彦 @ishikitokihiko

漫画アシスタント状況５）レギュラーで月給のアシスタントなら定収入があって良いかも知れないけれどやはり「修業中」故と割り切らなければいられない低賃金の構造。手放したくない程のハヤウマな人が漫画家に請われて高額でプロアシになるパターンはありますが。

一色登希彦 @ishikitokihiko

漫画アシスタント状況６）かつてアシスタントで今アシスタントにわずかな報酬をお渡しする立場としては、この程度の報酬では、加えて仕事中に漫画家になるための修業・勉強の意義を少しでも見いだしてくれれば無駄ではないのかも、と。お金が回らない漫画の現場の一番重要な一端を担ってもらっている。

一色登希彦 @ishikitokihiko

漫画アシスタント状況７）出来高制、自分も導入したことがありますが、出来る人と出来ない人の能力差が形作られたまま賃金格差が動かなくなってしまい、追い込みの呼吸も取りにくくなり廃止しました。まあこれは雇う側の管理能力の問題でしたが（自戒） @mogura2001

一色登希彦 @ishikitokihiko

漫画アシスタント状況８）年俸制は資金力が必要ですね。月給と言いつつ長期雇用なら年俸に近い。例えばご本人が公言しているから構わないだろうけれど佐藤秀峰さんはスタッフさんを「３年契約」で雇用します。年俸制ですよね。「３年で芽を出してみろ」との意図があるそうです。 @teim_tw

一色登希彦 @ishikitokihiko

漫画アシスタント状況９）ちょっとアシスタントの社会学的実態からは話がボヤケましたね、すみません。漫画家志望者としての大切な日々はこういうこともあって消耗しがちで、だからこそいつもの話の「漫画家になる効率的な環境」がここでも必要だと思う、という所に収れんします。しつれーしやした。

なかむら珍 (サブアカだよ！ @n_ching

@ishikitokihiko はじめまして。原稿料が特に安い雑誌(連載でもページ4500〜6000円程度)ですとか、アシ経験ゼロの漫画家さんの現場ですと、一日５時間睡眠残りは実働３日で２万円(交無し食事支給)や、泊りで日当5000円、日給が24時間計算の現場など結構ありますよ。

一色登希彦 @ishikitokihiko

１０）補足　漫画家を目指さないプロアシさんも、必要なはずで、そうした方は高収入で家族も養える位の待遇があるべきだとも思います。　あと連載作家は例えばアシスタント負担を出版社が負うなら原稿料が相当割り引かれても良いと考える人もいると思います。それくらいやり繰りが大変なのです。

一色登希彦 @ishikitokihiko

漫画アシ１１）少し続けます。単行本印税が入る連載前は↓QTした中村さんのようにホントにシャレになりません。あらかじめの１００万以上の貯金か、借金が必要になります。それでようやくアシさんに薄給を払える状態。その上に予定されていた単行本が出なかったりしたらもう全崩壊です。

一色登希彦 @ishikitokihiko

漫画アシ１２）ヤンサンで佐藤秀峰「海猿」俺「ダービージョッキー」連載当初、どう頑張って計算してもスタッフに１５万円の月給しか捻出出来ず、「俺の計算と経営が何かおかしいのか？」と相当悩んである時佐藤さんに相談したら「いや僕もどう計算しても１５万円にしかならなくて…」計算は正しかった

一色登希彦 @ishikitokihiko

漫画アシ１３）１３は不吉な数字だこの野郎！もうアシの話じゃなくなった。それで漫画家が自分に与える給料などは無いわけです。どうやって生きてたんだ？そのやりくりのさなか、多くの編集に連れられて飲み食いに呼ばれておねーちゃん飲み屋ハシゴのお会計が先のアシスタント給料の額に迫る額だ。　

一色登希彦 @ishikitokihiko

漫画アシではないけど１４）「その金を、作家の私服にでもなく、ただ作画スタッフの人件費に回してもらうことは出来ないのかのう！？」…とかが積もり積もっちゃったんだね。アシスタントさんへの待遇を良くしたかった…それは今に至るも勿論漫画の業界は未解決でござる。　しつれーしやした