(X, ≦) を順序集合としたとき、 ・元x∈Xを対象とする ・x≦yのとき、xからyへの射がただ一つ存在する ・x≦yでないとき、xからyへの射は存在しない とすると、圏が得られる。この意味で、順序集合Xを圏とみなす
2016-04-24 02:41:34x, y∈Xを取り、直積x×yが存在したとしてみる。定義から、こいつは次の条件を満たす。 ・x×y≦x かつ x×y≦yである ・z∈Xが「z≦x かつ z≦y」を満たせば、z≦x×yである
2016-04-24 02:46:17つまり、x×yとは「xとyの下にある奴のうち、最大のもの」、すなわち{x, y}の下限(=最大下界)である: x×y = inf{x, y}
2016-04-24 02:47:29例えば、有理数全体 Q を通常の順序で順序集合、すなわち圏とみなしたとき、有理数x, yに対して直積 x×y は常に存在し、min{x, y} のことである
2016-04-24 02:49:19例えば、集合Aのべき集合P(A)を、包含関係で順序集合、すなわち圏とみなしたとき、S, T∈P(A) に対して直積 S×T は常に存在し、 S×T = S∩T である。
2016-04-24 02:50:33さて、 f: A→B を写像とすると、「像」を与える写像 f: P(A)→P(B) と、「逆像」を与える写像 f^-1: P(B)→P(A) があった。
2016-04-24 02:53:47皆さんよくご存じのとおり、 f^-1 は∩や∪と交換する: f^-1(S∩T) = f^-1(S)∩f^-1(T), f^-1(S∪T) = f^-1(S)∪f^-1(T)
2016-04-24 02:54:56一方 f: P(A)→P(B) は∪とは交換する( f(S∪T) = f(S)∪f(T) )けど∩とは交換しない: f(S∩T) ≠ f(S)∩f(T)となる例がある
2016-04-24 02:56:36C, Dを圏、F: C→D, G: D→C を関手としたとき、組(F, G)が随伴とは、c∈C, d∈D について自然な同型 Hom_D(Fc, d)=Hom_C(c, Gd) が成り立つことをいう。(Homは集合だから、ここで同型と言っているのは全単射のことである)
2016-04-24 02:59:06例えばXを集合として、右から直積する関手 -×X: Set→Setと、Homを取る関手 Hom(X, -): Set→Set を考えると、A, B∈Setに対して全単射 φ: Hom(A×X, B)=Hom(A, Hom(X, B))が存在するから、
2016-04-24 03:01:29-×XとHom(X, -)は随伴である。(φは、写像 f(a, x): A×X→B に対して、φ(f): A→Hom(X, B) を φ(f)(a) = f(a, -) で与える写像である)
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