愛媛新聞4月26日掲載 特集「汚染、病…今なお爪痕 チェルノブイリ原発事故30年 現地調査・木村真三氏(鬼北町出身)に聞く」

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しまなみ @shimanamis

愛媛新聞4月26日掲載:特集「汚染、病…今なお爪痕 チェルノブイリ原発事故30年 現地調査・木村真三氏(鬼北町出身)に聞く」

2016-04-28 22:59:29
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特集「汚染、病…今なお爪痕 チェルノブイリ原発事故30年 現地調査・木村真三氏(鬼北町出身)に聞く」① 1986年4月26日、ウクライナでチェルノブイリ原発4号機が爆発炎上。広島形原爆400個分に相当する大量の放射性物質が放出され、旧ソ連や欧州の広大な地域が汚染された。

2016-04-28 23:00:32
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特集「汚染、病…今なお爪痕 チェルノブイリ原発事故30年 現地調査・木村真三氏(鬼北町出身)に聞く」② あれから30年。独協医科大准教授の木村真三(48)=鬼北町出身、本紙で「福島通信」を連載中=は99年から被災地に入り、放射能が人体に与える影響などを調べてきた。

2016-04-28 23:01:18
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特集「汚染、病…今なお爪痕 チェルノブイリ原発事故30年 現地調査・木村真三氏(鬼北町出身)に聞く」③ 県人放射線衛生学者の歩みや視察を通し、事故がもたらした影響や教訓を考える。(敬称略、山本良)

2016-04-28 23:01:32
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特集「汚染、病…今なお爪痕 チェルノブイリ原発事故30年 現地調査・木村真三氏(鬼北町出身)に聞く」(以下木村真三と略します)④  ■ 甲状腺がん異常な増加 木村は99年、放射線医学総合研究所(千葉市)に入り、チェルノブイリ原発事故の研究に着手する。

2016-04-28 23:03:00
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木村真三⑤ 放射線を浴びたDNAなどの変化がテーマで、茨城県東海村で起きたJCO臨界事故の研究にも携わった。2007年に入った労働安全衛生総合研究所(東京)では「チェルノブイリ被災地をモデルとした原発解体作業に伴う被ばく影響の基礎的研究」として人体への影響を調べ始めた。

2016-04-28 23:03:27
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木村真三⑥  チェルノブイリ原発の西約70キロに位置するウクライナのジトーミル州ナロージチ地区。事故当時、約3万人が暮らしていたが、毎時30ミリシーベルトという高濃度の放射能に汚染された。

2016-04-28 23:04:13
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木村真三⑦ 地区内は人が住めない第1ゾーン(避難対象地域)から第4ゾーン(放射能管理区域)まで、汚染度ごとに4ゾーンに区分されている。

2016-04-28 23:04:31
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木村真三⑧ 地区を訪れた木村は、甲状腺が異常に腫れている妊婦に出会った。事故当時2歳で、大量の放射性物質を取り込んだ可能性があった。1991年のソ連崩壊後に 診療体制が崩れ、きちんとした検査を受けていなかった。

2016-04-28 23:05:04
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木村真三⑨ 木村が強く進め、妊婦は首都キエフの病院を受診。良性結節と診断され、甲状腺を摘出した。 甲状腺は非常に厄介な組織で、良性結節は体の新陳代謝を促す甲状腺ホルモンの異常分泌を起こしたり、がんが組織内に潜んでいたりする可能性がある。木村は氷山の一角だと感じた。

2016-04-28 23:05:24
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木村真三⑩ 若くして突然死する人が多いという風評も耳にし、被ばくの影響を疑った。原爆で多量の放射線を浴びた被ばく者は心筋梗塞のリスクが高いという論文があった からだ。

2016-04-28 23:05:56
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木村真三⑪ 地区中央病院で患者約1万人分のデータが手に入り、汚染度が異なるゾーンごとの疾病を分析。被ばく量が高いほど、妊娠中の貧血や心筋梗塞など循環器系疾患が多いという傾向が分かった。

2016-04-28 23:06:26
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木村真三⑫ 木村によると2011年3月10日、研究所上層部から「労働安全衛生事業に無関係」として突然、研究中止を命じられた。日本も原発の廃炉時代に入ると説明し、研究の意義を訴えようとしたが、翌日、東日本大震災が起き、そのまま辞表を出す。

2016-04-28 23:07:19
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木村真三⑬ 11年8月から独協医科大国際疫病学研究室(福島県二本松市)で予防医学の立場から新たな研究を始めた。 汚染地域の住人が、どのように食べ物を管理すれば外部・内部被ばくを減らすことができ、安全に暮らせるか。東京電力福島第1原発事故の被災地では切実な課題となっていた。

2016-04-28 23:07:58
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木村真三⑭ 木村はチェルノブイリ原発事故の被災地に答を求め、ウクライナの隣国で医療体制が整っているベラルーシに着目。同国では住民の甲状腺検査 が徹底され、受診率は98%に達する。

2016-04-28 23:08:19
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木村真三⑮ チェルノブイリ原発から西に約500キロ離れたブレスト州。比較的線量が低い州だが、甲状腺がん患者(全年齢対象)は事故発生の86年に約141万3600人中16人だったのが、2015年には約138万7千人中253人となった。

2016-04-28 23:08:59
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木村真三⑯ 「当時より検診技術が向上したとはいえ、これだけの発癌者数は異常」とみる。 甲状腺は甲状腺ホルモンを作る際、ヨウ素を取り込む。ベラルーシではかつて政府が食用の塩にヨウ素剤を混ぜて国民に摂取してもらう対策を取っていたが、副作用が生じたため中止。

2016-04-28 23:09:48
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木村真三⑰ ヨウ素欠乏症気味になっていたところに原発事故が起き、乾いたスポンジが水を吸い込むように放射性ヨウ素を取り込んでしまった。

2016-04-28 23:11:01
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木村真三⑱ 「チェルノブイリでは、小児甲状腺がんが(原発事故から)10年でピークを迎えたといわれる。しかし、全年齢で見ると事故から時間が経過するにつれて増 えている」。

2016-04-28 23:11:33
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木村真三⑲ これは自己免疫が強く、がんになりにくい体質の人たちがいたことと、被ばく量が少ないため甲状腺がんの発現時期が遅れたという2通りの原因が考えられるという。

2016-04-28 23:12:36
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木村真三⑳ 木村は「被ばく量が多ければ影響が早く出る。中くらいだと中くらいの時期に影響が出る。低線量だと生涯で影響がでるかどうかわからない」と説明した上で、警鐘を鳴らす。

2016-04-28 23:13:00
しまなみ @shimanamis

木村真三21 「『潜伏期間』には個人差があり、この線量がなら大丈夫という線引きは非科学的。将来にわたり不安が付きまとうのが被 ばくの怖さだ」

2016-04-28 23:13:19
しまなみ @shimanamis

木村真三22 ■ 愛媛も人ごとではない 真のリスク対応必要 チェルノブイリ原発事故から四半世紀、東京電力福島第1原発事故が再び世界を震撼させた。

2016-04-28 23:14:29
しまなみ @shimanamis

木村真三23 放射能に汚染されたチェルノブイリと福島の量被災地に入り、住民に寄り添いながら汚染状況の調査などフィールとワークを続けてきた木村に聞いた。 ―両被災地を見て、何を想うか。 チェルノブイリで起きたことはすべて福島に当てはまる可能性がある。<続く

2016-04-28 23:15:26
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木村真三24 続き>ベラルーシのブレスト州を研究対象に選んだのは、福島とあまり変わらない線量の中で 人々が暮らしているから。甲状腺がんの患者が右肩上がりで増え続けており、非常に怖い。チェルノブイリと福島では25年のずれがあり、いずれ福島でも同じ 傾向が出てくる恐れがある。

2016-04-28 23:15:56