「塩谷賢(@shiotani_bot)と茂木健一郎(@kenichiromogi)の哲学散歩。時間と主体、そして神」のテープ起こし。※最後に特典情報あり

「塩谷賢と茂木健一郎の哲学散歩。時間と主体、そして神」https://twitter.com/kenichiromogi/status/724332220240916480?lang=ja 塩谷さん(@shiotani_bot)と茂木さん(@kenichiromogi)のトークの起こしです。※最後に特典情報あり
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太田和彦 SBGJ2021試遊会おつかれさまでした @otakazu

「塩谷賢と茂木健一郎の哲学散歩。時間と主体、そして神」 twitter.com/kenichiromogi/… 以下、塩谷さんの「ご講話」のテープ起こしです。powered by ハヤオキさん(@hayaoki_tape)。

2016-05-01 19:18:36
茂木健一郎 @kenichiromogi

塩谷賢と茂木健一郎の哲学散歩。時間と主体、そして神。 lineblog.me/mogikenichiro/… pic.twitter.com/LTd9szq9am

2016-04-25 05:20:33
太田和彦 SBGJ2021試遊会おつかれさまでした @otakazu

塩「かつ、我々が生きているものをいかに認識するか、に問いを移していくとさ。構成論的には…構成論って言っちゃうとあんまりよくないと思うんだけど、そいつは2年くらい前に東大にいたときにやった共同研究の一部で、trans-species animality(?)って言って…」

2016-05-01 19:22:55
太田和彦 SBGJ2021試遊会おつかれさまでした @otakazu

塩「…普通の動物じゃないレベルで動物について考えるという話を言い出したわけ。もともとベルタランフィにそういう話あったじゃない。可能な生命の形態みたいな話が(*)…」 (*)L.v.ベルタランフィは流動平衡と階層構造を生命現象の特質とする生体論を提唱した(《理論生物学》1932)

2016-05-01 19:27:01
太田和彦 SBGJ2021試遊会おつかれさまでした @otakazu

塩「それをね、もっと違うタイプに広げる。一番わかりやすいのは、バーチャル・リアリティのアバターっているじゃん。NPC(ノンプレイヤーキャラクター)とかさ。ああいうやつに対して抱く、「生きている」というイメージ。あとたまごっちね。たまごっちに対して生きてる/死んでるって言うじゃん」

2016-05-01 19:29:08
太田和彦 SBGJ2021試遊会おつかれさまでした @otakazu

塩「このあいだ出た例では、テディベア・ツアー(?)。あれを単純に精神的な投射というんじゃなくて。それだったら、最初に正しい生き物を知ってることになっちゃうから。そうじゃない逆を見ようとすると…」 茂「その話は面白かった」 塩「いろいろ考える筋があると思ってさ」

2016-05-01 19:31:56
太田和彦 SBGJ2021試遊会おつかれさまでした @otakazu

茂「それはどういう文脈で言うの? いわゆる認識論的/存在論的という文脈だと、どっちなんですか?」 塩「認識論の手法で存在論の枠を変えるかな。本人は存在論って言ってるけどね」 茂「定義問題はやっぱり抵触してくるんでしょうか?」 塩「どういう意味だい?定義問題という言い方をするとは」

2016-05-01 19:33:47
太田和彦 SBGJ2021試遊会おつかれさまでした @otakazu

茂「生命とは、そもそも生きるって何かとか、あとアイデンティティの問題とか」 塩「極端にやっちゃうとなんでもありになっちゃうから、程度問題―つまり経験的な縛りとの兼ね合いで決めるしかないわけだけど。我々が「生きている」ってことを言う言い方の中で、実感を持つ領域があるわけじゃない」

2016-05-01 19:36:48
太田和彦 SBGJ2021試遊会おつかれさまでした @otakazu

茂「でも新しい現象が出たときには必ず新しい思想問題が出るという意味においては、当然そういう問題はあるんだろうけどね」 塩「前から思っていることでさ、言語学の問題、言語哲学の問題として見るとね、「生きている存在」という言い方をすると―西田がそうだけど―存在概念の限定になるじゃない」

2016-05-01 19:40:46
太田和彦 SBGJ2021試遊会おつかれさまでした @otakazu

塩「ところが、今言った形でさ、例えばテディベア・ツアーで[“旅行しているテディベア”の写真を]送ってるやつは、ある意味で[テディベアが]生きてるような扱い方をするわけじゃない。人間って何もなしで生きている動物という枠に入らない。にも関わらず、生きている動物という言い方すると、…」

2016-05-01 19:44:24
太田和彦 SBGJ2021試遊会おつかれさまでした @otakazu

塩「…生きている存在というと広すぎるから。そもそもハイガワラ(?)の事例がさ」 茂「何の事例?」 塩「生きている動物という括りがあるとする。テディベアって動物じゃないじゃない。でも「生きている動物の認識の仕方によってはテディベアは生きている」という言い方を承認するとすれば、…」

2016-05-01 19:47:51
太田和彦 SBGJ2021試遊会おつかれさまでした @otakazu

塩「…今までの枠に入っていない。限定されたはずなのに、実体(instance)が。だから、形容詞が概念の言及をするということと、形容詞によって新しい個別のものがつくり出される話って、ずれてるじゃない。それって面白いと思ってさ。概念ってことをどう考えるかという問題にもなるわけよ」

2016-05-01 19:51:13
太田和彦 SBGJ2021試遊会おつかれさまでした @otakazu

茂「概念は生きてないんですか?概念も生きてるんじゃないですか?」 塩「「生きている概念」という言い方をするとすれば、それは概念に「生きている」という限定をつけたって言い方をしても良いかどうかだね」

2016-05-01 19:58:10
太田和彦 SBGJ2021試遊会おつかれさまでした @otakazu

茂「それは面白い。panpsychism(*)でもそうなんだけど、要するに認識自体が存在のカテゴリーを変えたときに、見方が変わるわけだから」 (*) 高等生物の脳だけでなくあらゆるものに心的性質や意識があるという考え方。ネーゲル(1979)が支持。

2016-05-01 20:03:15
太田和彦 SBGJ2021試遊会おつかれさまでした @otakazu

塩「見方が変わるし、前からのカテゴリーを使っていたとしてもね、例えばそれを限定とかさ、いわゆる後知恵で、つくるやつを後から整理したらそうなるよ。カテゴリーをつくるところと、実際に[認識によって存在のカテゴリーが]変わるところって違うじゃない」 茂「所与ではないってことだよね」

2016-05-01 20:07:14
太田和彦 SBGJ2021試遊会おつかれさまでした @otakazu

塩「そこいらの話としてを考えると、むしろつくるってところはそういうところあるじゃん。芸術作品ではそうだろう?だって最初から「これが芸術です」と決めた概念を展開するわけじゃないじゃない」 茂「まあそうだね。たしかにね」 塩「そういうのに、いろいろつながる話でもあるからね」

2016-05-01 20:10:33
太田和彦 SBGJ2021試遊会おつかれさまでした @otakazu

茂「そういう話を[早稲田の「哲学表現基礎論」講義では??]したわけか?」 塩「そこはあんまり…。単純にそれだけだけじゃなくて、さらにどうしてそれを・誰が認識してるかって問題に関わるわけだよ。我々の認識に対して、メタ認知が当然…」 茂「認識ってのは必ず主体が必要ですか?」

2016-05-01 20:13:19
太田和彦 SBGJ2021試遊会おつかれさまでした @otakazu

塩「認識っていうのは、主体をどうするかが問題よ。例えば「テディベアが生きてる」とやったときに、1人のテディベアオタクが、私の○○ちゃんは生きてる!つったって駄目じゃん」 茂「ちなみに人工知能は主体ですか?」 塩「主体をどう定義するかによるね。内在的な定義でできるかどうかは問題」

2016-05-01 20:15:46
太田和彦 SBGJ2021試遊会おつかれさまでした @otakazu

茂「無限後退してしまいませんか?主体概念の定義は」 塩「それは定義が、完全に完了するとか、確実にあるってことを前提とする場合でしょう。実際はそうじゃなくて、どこかで打ち切るじゃない。仕様なり、身体的な適合なり、凡例なりのところで、必ず打ち切りというかジャンプをするじゃない。…」

2016-05-01 20:18:08
太田和彦 SBGJ2021試遊会おつかれさまでした @otakazu

塩「…むしろそのジャンプのところがどうなっているかは、むしろ面白い話でしょう」 茂「まあね」 塩「茂木が嫌いだけど、統計ってそういうものの1つのやり方だよ」 茂「嫌いではないですよ。それでは扱えない問題があるってだけで」 塩「それはもちろん当たり前」

2016-05-01 20:19:23
太田和彦 SBGJ2021試遊会おつかれさまでした @otakazu

茂「時間ってのは主体ですか?」 塩「ええと、時間っていうのが主体だとは、僕はあんまりわからないね。時間っていうのは「生きている」と同じで本当に単純に1個なの?」 茂「神は主体ですか?」 塩「ヨーロッパ伝統ではそうだね」

2016-05-01 20:21:30
太田和彦 SBGJ2021試遊会おつかれさまでした @otakazu

茂「本当か?神が主体だっていうのは、最も大きな誤謬の1つじゃないですか?」 塩「主体があるかどうかがまず問題だから。神は自分に対して自己反省、自分の同一性を持たせる主体だっていうのは、1つの要請として[人々が]認めているわけじゃない。そういう構造で奇跡がスタートしてるんだから」

2016-05-01 20:25:05
太田和彦 SBGJ2021試遊会おつかれさまでした @otakazu

塩「いろんなところで引っ張られているわけでしょう。だって技術はどこの国でもあったのに、なんで科学がヨーロッパでしか起こらなかったのか…」 茂「神は認識するんですか?」 塩「それは議論がある。神が行動せずに認識できるかは、昔からの問いじゃない。神は認識した瞬間につくっちゃうから」

2016-05-01 20:26:40
太田和彦 SBGJ2021試遊会おつかれさまでした @otakazu

塩「あれなんかそうでしょう。言語創造論的な話。「ヨハネによる福音書」に近いほうの…」 茂「認識した瞬間につくっちゃうんだ」 塩「神の認識って存在と同じなんだもん」 茂「神は認識しないってことがあるってこと?認識しない状態から、認識する状態になるっていう運動があるってこと?」

2016-05-01 20:28:40
太田和彦 SBGJ2021試遊会おつかれさまでした @otakazu

塩「それが創造だよね」 茂「神ってそうすると時間の中にいるってことになるよね?」 塩「デカントだったらそう言う。意思が神のベースなんだもん。ライプニッツはそうは言わない。ライプニッツは神は知性のほうが中心だから」

2016-05-01 20:29:41
太田和彦 SBGJ2021試遊会おつかれさまでした @otakazu

茂「しかし神が時間の中にいるというのはまずいんじゃないですか?」 塩「教義がそうなっていないと、復活とかできないじゃん」 茂「うーん。非常に矛盾しているような気がしますけどね」 塩「だからわからないんじゃないか」 茂「神は時間の外にいないとまずい気がしますけどね。直感的に」

2016-05-01 20:32:30