枝さんのちはやふるはいいぞ

枝音エッダ @chicken_edda

あのねあのね、映画版「ちはやふる」の何がすごいってね、生身の人間が持ってるアクをこれでもかと盛ってるのに、それがある意味原作の枠をブチ抜いたキャラ解釈として成立してるのがほんっっっっっとにすごいの！！！

枝音エッダ @chicken_edda

普通実写版○○を観ててのガッカリ感って「なんかあのキャラっぽくない」「このシーンってこういうシーンじゃない」っていう、観る人やファンが期待する「こういう作品」であってほしいって期待を違えてしまうところにものすごく大きな要因があると思うんだけど「ちはやふる」は違うの　それがすごいの

枝音エッダ @chicken_edda

なんていうか、ほんとに千早や太一や机くん肉まんくんかなちゃん新に詩暢ちゃん原田先生にヒョロくん須藤さん宮内先生とにかく、ほんとに、みんなみんな三次元というかこの世界に生きてたら「こんな人なんだろうな」って納得させられるのがすごいの　それがわかっちゃうの

枝音エッダ @chicken_edda

原作の「ちはやふる」って、良くも悪くも「漫画」というファンタジー世界だから、良くも悪くもみんなまっすぐで、いい子で、悪く言うなら「全てがキレイすぎる」んだけど、これを生身の人間がやっちゃうとどこかがうさんくさいの　嘘っぽくなっちゃうの　役者さんがどんなに忠実に演じてくれたとしても

枝音エッダ @chicken_edda

だけどこの実写版「ちはやふる」がものすごい精度で成立してるのは、生身の人間が持ってる「アク」を、キャラクター性を逸脱した「人間性」として成立させちゃってるところなの　それが特に顕著と言うかわかりやすいのが机くんとかなちゃんだと思うんだけど、ぶっちゃけ居るでしょあんな奴！？っていう

枝音エッダ @chicken_edda

ずーーーっと友達作りもしないで勉強だけしてそれでもずーーーっと万年2位、誰に必要とされた経験もなく自分のカラにばっか閉じこもってたらそらあんなクソ生意気で嫌味な喋りになりますわ誰かに必要とされてみたいってコンプレックス拗らせまくったガリ勉だけが得意のネクラになりますわ机くん

枝音エッダ @chicken_edda

その机くんがいかに自分の殻をぶっ壊してみんなと笑ってでもまた閉じこもって1度は逃げた戦いにそれでもまた身を投げてずたずたになってくかっていう　上の句の東京都大会決勝戦手前まででほんと何回ボロ泣きさせられたかっていう　これを演じきってくれた森永悠希さんほんと　いい役者さんやで……

枝音エッダ @chicken_edda

「数合わせだったんだろ！！」って泣き叫ぶ机くんを引き留める一言をくれたのが唯一机くんを「駒野」と呼び続ける太一だったのは、ほんとに、ほんとに嬉しかった 映画ではうつらなかった原作のあのシーン思い出してクソほど泣いた

枝音エッダ @chicken_edda

かなちゃんもねーいるよねああいう自分の趣味拗らせちゃった子……って感じだし須藤さんヒョロくんコンビはマジで「……本物？」って感じだったしでも個人的にはヒョロくんの「来年は絶対取り返す！」って優勝旗に縋り付くシーン超見たかった…

枝音エッダ @chicken_edda

あとね、ほんと実写版「ちはやふる」で1番良かったな……って思ってるのは「このたびは」の歌の使い方が唸るほど秀逸というか　これは、「太一の歌」なんだな……って観ててわかるの　わかっちゃうの　千早、新、太一の3人で唯一、和歌の音にちなまない名前を持ってる太一に、やっと

枝音エッダ @chicken_edda

「太一の歌」って言える歌が、出来たんだなってもうそれだけで涙腺が決壊をはじめるんだけど、真っ赤な紅葉をめぐる「ちはやふる」と「このたびは」が「上の句」のはじまりと終わりをそれぞれ飾っているという対象性だけで悶絶できる

枝音エッダ @chicken_edda

でも和歌の名前に唯一ちなまない「太一」の名前だけど、私は太一の名前が1番好きだな　原作で、ちはやが「女戦士の星・ベラトリックス」に喩えられる話があるんだけど、ちはやがそうなら、太一の名前は「太一星」、導きを司る「北極星」のことだなってずっと思ってて

枝音エッダ @chicken_edda

だから「下の句」でも思ったんだけど、太一はどこまでもみんなを翻弄して、引っ張っていってしまう力があるのは、こわいなって　その太一の導く力が荒ぶっていたのが「下の句」の前半から中盤だったけど「個人戦」に至って、ほんとに太一が引っ張っていく「ちはやぶる」の雰囲気が堪らなくて…

枝音エッダ @chicken_edda

で、下の句は上の句であれだけ周到に踏襲した原作のシーンを離れて映画オリジナルのストーリーへの移行が非常に巧みというか、逆に原作に拘ったらそれがアクになってた作りだろうなと思わされた　でも原作に拘るというか、原作の描き出した「力」の再現にこそ注力というか力点が置かれてた気がする

枝音エッダ @chicken_edda

一方、原作では千早が「強さ」のかたちに気付くことが１つの主眼に置かれていたけれど、「下の句」では千早たちが「何のために自分はかるたをするのか」という目的の明確化が主眼だったのは面白かったんだけど何がすごいって主眼は違うのに「ちはやふる」という物語の軸が全然ブレてないんだわ　まじで

枝音エッダ @chicken_edda

そのブレない物語の軸になってたのが「かるたの世界を豊かにしてるのは 、チームを持ってる人たちの方やないんか？」という新の科白で。 この科白があった瞬間に、少なくとも私は、実写版「ちはやふる　上の句/下の句」は全部この一言のためにあったと言っても過言じゃないのではって思ったのね

枝音エッダ @chicken_edda

思えば「上の句」から、自分が「一人じゃない」ことや「皆がいるから頑張れる」ってしつこいくらい繰り返されてきたのは、「もろともに」の歌と一緒に繰り返されてきたのが、全部この一言で納得できた　青春モノっぽいキレイゴトだけど若干何か……浮いて……？とか思ってて本当にすみませんでした

枝音エッダ @chicken_edda

というかほんと　さっきの新の科白というか新と詩暢ちゃんのシーン原作ではそこまで大きな比重があるとはとらえづらいシーンなのかもだけど、実写版「ちはやふる」を語るにおいてはほんと、このシーンが9割くらい答えになるよ？ね？っていうのを確認するためにもう3回くらい観たいんですわ……

枝音エッダ @chicken_edda

あと特に「下の句」で顕著というか「上の句」ではあんまり強調されなかったように思えるところで、畳の上を１つの「舞台」として見立てたシーンがすごく多かったように思うのね 舞台の上で戦うみんなと、その戦うみんなの姿を舞台の外から見つめる「観客」としての新の体と心の在り処のギャップが良い

枝音エッダ @chicken_edda

「ちはやふる」特集、編集担当・冨澤絵美インタビュー (1/4) - コミックナタリー Power Push natalie.mu/comic/pp/chiha… それでも観るのが不安だったら是非このインタビューを読んでそれから決めて、というかこの記事読んで私はきちんと観るのを決めました

枝音エッダ @chicken_edda

言うたらほんとネタバレスレスレというかネタバレアウトみたいなことも言ってるけど映画版「ちはやふる」は本当に、原作を楽しんだ人にこそ見て欲しいので実写化……って二の足を踏む人が1人でも今からでも減ることを切に願う　ほんとに良いので　ちはやふるはいいぞ（拳をつきあげて）

枝音エッダ @chicken_edda

千早の声が、話したい色んな言葉がきちんと、新に届いてて、新がきちんと、それを聞いたってわかるシーンがあるので　というか、生の人間が演じることでより鮮明に色んなものが届いてるってわかるシーンがあるので　ほんとこれも大好きなシーンの１つやで……

枝音エッダ @chicken_edda

あとこれはこれで原作を読んでる人が居たら是非ブン殴られて来て欲しいんだけど千早と太一が新に会いに行くエピソードで、千早がある行為をしてないというかあるモノを持って来てないという流れに一瞬「アレ？」となるんだけどそれでがっかりしないでほしい

枝音エッダ @chicken_edda

むしろあの「ちはやぶる」千早の後ろ姿のために全部の「荒ぶる」千早があったって理解させられてしまう説得力と言ったらないしほんととんでもない……

枝音エッダ @chicken_edda

あとなぁ、これは原作とアニメじゃある意味到達できない次元のことをやっていただいて本当ありがとうございますって思うのがやっぱり、広瀬すずさん もう走るわ叫ぶわの体当たり演技がブワーーーーーーッッ続く中で、あの詩暢ちゃんとの個人戦で見せた「ちはやぶる」の千早　あのギャップは反則